Léon Boëllmann レオン・ボエルマンを聴く。

今日は、フランスのSF作家ジュール・ヴェルヌの同世代に活躍した、
音楽家 Léon Boëllmann レオン・ボエルマンの作品をご紹介したいと思います。
ぜひ、音楽をお楽しみください。

Léon Boëllmann レオン・ボエルマンの作品は、
オルガンのための《ゴシック組曲 'Suite gothique' 》作品25の「トッカータ」が有名で、
彼は1881年から早くに亡くなる1897年ごろまで、
パリのサン・ヴァンサン=ド=ポール教会でオルガニストを務めていたそうです。

オルガンの曲を検索するといろいろ出てきますが、
今日は敢えて、
チェロの曲をいくつか聴きたいと思います。

では、はじめにこの曲から。
「Suite for Cello and Piano, Op.6
 チェロとピアノのための組曲 作品6」

 この動画の曲の最後は、途中できれてしまって、少し残念なのですが、
とても情感たっぷりで、ずっと浸っていたくなるような素敵な曲ですね。

即興曲、夜想曲、小夜曲、ロマンスの四曲からなる組曲ですが、
一曲ずつが味わい深い曲だなあ、と思います。

続けて、
「Variations Symphoniques, Op 23
 交響的変奏曲 作品23」をどうぞ。
彼の作品のなかでも、よく演奏された曲だそうです。

オリバー・グレッドヒルとジェレミー・フィルセルの
ダイナミックな演奏に、心が萌え立ちそうな曲です。

では次は、少し静かな曲を。
「Two Pieces for Violoncello & Piano Op.31
 チェロとピアノのための二曲 作品31」
 Valse Lente ワルツ レント。

この曲は、ボエルマンが35歳で亡くなる前の年に作曲されたそうです。

同じく作品31のMenuet メヌエットを、どうぞ。


舞曲のような音型が繰り返されたあと、
ゆったりとした旋律が流れます。
何処と無くビゼーの『カルメン』を思わせます。

シムカ・ヘレド&ジョナサン・ザックの、
ふたりのバランスがとても心地良いです。

この作品31の二曲は、リサイタルやアンコールを意図して、
もともとは別々に出版されていたそうです。
個人的には、ワルツ・レントは、なんども聴きたくなるような、
ヒーリング・ミュージックのようだなぁと思います。

お次は、
「Piano Quartet f minor, Op.10
 ピアノ四重奏 作品10」を、続けてどうぞ。

この曲は1887年にフランスの作曲家協会コンクールで賞を受賞した曲です。
弦の豊かな調和と、ピアノの不思議な雰囲気が絶妙で、
華やかで、ラプソディックで、メロディアスで、エネルギッシュで、
あらゆるシーンに、ボエルマンの才能が満ち溢れている曲じゃないでしょうか。

では、最後の曲を。
「Cello Sonata in a minor, Op.40
 チェロ・ソナタ 作品40」

この曲は、ボエルマンが亡くなった年(1897年)に作曲され、
フランスのチェリスト、ジュール・デルサール(Jules Delsart 1844年 - 1900年)に、
捧げられた曲だそうです。

デルサールについて、音楽学者のリンダ・マクレガーは、
「当時のフランスにおける最良のチェリストの1人であり、
欠点のないテクニック、正確なボウイング、
そして大きくないが甘美な音色を有していた。」という言葉を残しています。
ちなみに、デルサールは1689年製のストラディヴァリ「アルキント」を所有していました。

主題にセザール・フランクの影響がみられ、
オープニングはゆったりと、
メインセクションは熱烈に構成されています。

のちに、アンドレ=ニコラ・ナヴァラ
(André-Nicolas Navarra、1911年10月13日 - 1988年7月31日)が、
この曲の普及活動をしていますので、今日はその演奏録音をぜひ。

心が揺さぶられる濃厚な響きは、
季節を少しづつ深めてくれそうです。

今回の曲紹介は、室内楽の楽譜に力を注いでいらっしゃる
シルバートラストさんのサイトを参考にさせていただきました。
http://www.editionsilvertrust.com/catalogue-works-in-progress.htm

こちらに再生リストがありますので、
よろしければ、続けてお聴きくださいね。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLPs5hIcasMKV7sMtsULwn7IrZMNyNJvIx

ジュール・ヴェルヌと同世代に活躍したレオン・ボエルマンの音楽、いかがでしたか?

このnoteでは、これからも室内楽を中心にご紹介できればと思っています。

よろしくお願いします。

最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。 これからもよろしくお願いいたします。