【12/3 O.A】DENIMSの今作はクソみたいな世の中の希望

 4ヶ月限定でFM福岡で音楽番組のMCをやることになったわたくし。

ここではオンエア後に自分の印象に残った曲について感想を書きます。

sucola - 日本ロマンチック街道

 心地よい歌声の印象も含め、ちょっと最近の土岐麻子さんソロ作とかに近いのかもしれないなーと感じました。最後の最後にだけ出てくる「サマームード続いて あと数日だけ」のパートがよかったです。


the chef cooks me - 間の季節(feat. ayU tokiO, KONCOS)

 2022秋冬の昼間散歩ソンググランプリ1位受賞作品です(勝手に)。軽やかさとせつなさ、歩きながら口ずさみたくなるメロディ、すべてがひとりきりの散歩に向けて作られたような。最高~っ!

 もともと2012年にライブ会場のみで1000枚限定で販売されたEPのなかに含まれていた楽曲で、約10年の歳月を経て再録決定ということなのですが……いやこんな名曲をよく10年もデジタルリリースせず手元に置いてられたな!?私ならこんなん喜々として世に出しまくるんですがァ!??

 と、ガサツな考えすら抱いてしまうほど。もちろんいろいろな考えがあってのこのタイミングだと思うので、リスナーとしてはありがたく受け取るしかありません。もう私にできるのはこれ聴いて散歩することだけです。


DENIMS - Too dry to die

 DENIMSはいい曲をコンスタントに出してきて本当にすごいな。ウーシャラララってコーラスすきでした。

 タイトルは有名なフレーズ「Too fast to live, too young to die」を参照していると思うんですが、個人的にこの形式を使うのは結構勇気がいるというか、大げさに言えばロックバンドとして「too to」の歴史を背負う覚悟が要る感じがするんですよね(本当に大げさ~!)。

 で、ここからは勝手な解釈です。

「Too dry to die」 はいろんな訳しかたがありそうですが、今回の場合は「渇きすぎて死ねない」とか「渇いたままじゃ死ねない」あたりでしょうか。冷めた人 的な意味で使われる方じゃなく 渇望 のドライ。世の中クソすぎて腐りそうだけど「生きてるうちにやってやろうぜ!」っていう。

まともになってる暇はないぜ
Too dry to die

DENIMS「Too dry to die」より

 ポップな耳あたりの音楽ですが歌詞には推進力があり、この曲は彼らのパンクスピリッツの表出として受け取りました。各所でリスナーの反応を見てみたらしっかり歌詞が刺さっている若い人がいて、なんていうかDENIMSの今作はそういう熱っぽさを広くやさしく伝えてくれる「希望」だなあと思いました。


2022/12/3 ラジオ後記

 DENIMSのタイトルの流れで「too fast to live, too young to die」の初出を調べたところ、EAGLESの歌詞の一部らしく、24歳の若さで亡くなった俳優について綴ったものらしいです。その後、音楽や映画をはじめとした各業界で用いられるようになったそう。

 でも、私がこのフレーズを知ったのはパンクスにはおなじみのファッションブランド「ヴィヴィアン・ウエストウッド」の前身となるブランド名としてでした。だから私にとってこの言葉は、腐りそうな世の中だけどおれがやるしかねー!みたいなパンクスマインド、DIY精神のシンボルなんです。

▼12/3オンエア回の書き起こしはこちらから読めます!


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