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歌には思い出が引っ付きやすい問題

何かをきっかけにして何かを思い出す、というのはまぁよくあることだろうけど、そのなかでも厄介なのが歌だと思ってる。

例えば、場所であれば、そこを避けるようにして生きればまず思い出すことはないだろう。

でも、歌は。

自分の意思とは関係なしに耳にスッと入ってきてしまうものである。

ぼんやりと街を歩いているとき。

なんてことはないショッピングセンターで。

シャッフルしていたらたまたま。

そんな感じで突如として耳に入ってきては、思い出を逆なでしてくる。

しかも、目と違って反らせないから避けることもできずそのまま聴くしかない。

これは、本当に厄介だ。

しかも、たかが歌。

いや、たかが歌だからこそ、情景がふっと目の前に浮かび上がってくる。

誰かと一緒に見た夕日。
笑いあった放課後。
このよくわからない歌詞にツッコミを入れたっけ、なんてね。

きっと、歌は不確定だからこそくっつきやすいのだ。メロディーと断片的な言葉。そこに意味合いをつけるのは自分だし、思いをのせるのも自分に委ねられている。

だからこそ、そういう自由な解釈ができてしまうものこそ、思いがくっつきやすいし、特別なものになりがちだ。

だから、私は歌が大好きだし、歌が大嫌いだ。

予測不能に耳に入ってきては、フラッシュバックだけ起こしてエンディングを迎える。

なんやねん!!!!

という感じである。

だんだん聴けない歌が増えていく。でも、思い出が塗り直されていくこともある。

いつか、全部笑って聴き流せるようになったらいいんだけどね。


ねぇ。

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