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『メンヘラ』と言われたくないから『メンヘラ』と自己申告する

“メンヘラ”、これほどまでに一人歩きをしまくっている言葉はないと思う。

ネットスラングなので定義が曖昧なのも相まって、ほんの少し弱音を吐いたり、泣きべそをかいたり、どんよりとしているだけですぐにメンヘラ認定されてしまう。

そんな世の中ポイズンである。

私は、いわゆる友達に軽い気持ちで言うような”メンヘラ”は『ちょっと敏感な人』を言い換えた言葉だと思っている。

人に言われたことを気にしすぎて、悪い方向に考えてしまう人。

小さな失敗をいつまでも引きずり、クヨクヨと悩んでしまう人。

映画やドラマに感情移入をしすぎてしばらく現実に戻れない人。

ちょっと怒られただけで反射的に涙がポロリと零れてしまう人。

人の気持ちを想像しすぎるがあまり、自分の気持ちを言えずに溜めてしまう人。

そうやって言い換えれば、『そういう人なんだな』と思ってもらえるのに、”メンヘラ”ですべて片付けるのはあまりにも雑すぎる。

言葉の振れ幅が大きすぎるのだ。

『あいつはメンヘラだよ』と言われると、はて、どの程度のメンヘラなんだろう、と思ってしまう。本当に深刻な精神の病なのか、はたまたちょっとネガティブなのか。或いはファッションメンヘラ、なんて言葉があるように一時的に落ち込んでいるだけなのか。

かく言うわたしは、わたしの言葉で言うところの『敏感な人』に当てはまる。物事を悪い方向に想像してしまうし、相手の気持ちを探りすぎるがあまり本心を押し殺す。24時間テレビでは初っ端から号泣するし、寒くなるとセンチメンタルになりがちだ。

だから、わたしは他者から『メンヘラだね』と認定される前に、自ら『メンヘラなんだ』と自己申告する。

“メンヘラ”という言葉は全然好きじゃない。ただ、誰かにレベル感のよくわからない”メンヘラ”ラベルを貼られるくらいなら、自分でライトに”メンヘラ”を自己申告した方がはるかにマシだと思うのだ。

だって、第三者に”メンヘラ”と言われるのはあまりに悲しすぎる。

もちろん、決してメンヘラぶりたい訳でもメンヘラをバカにしているわけでもない。

ただ、今はどうせ落ち込んでいるだけで”メンヘラ”と呼ばれる世の中なんだから、さっさと名乗って、好きなときに落ち込みたい。

それで、『今日メンヘラモードじゃん』ってライトに揶揄されたい。

そういう自己防衛のために先に”メンヘラ”を名乗るの、ありだと思うんだ。

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