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妻は、決して料理が上手ではありません。

※離婚に関する話が出てきます。また、身バレ防止のため、一部事実を改変しています。ご注意ください。


 「妻は、決して料理が上手ではありません。」

 これは、実際に元夫に書かれた言葉だ。本人的には、「あまり料理が上手じゃ無いけど自分のためにご飯を作ってくれた」と書きたかったようなのだが、私には「全く上手でない」「一つも上手ではない」「下手だ」としか読み取れなかったことをよく覚えている。

 私が料理があまり上手でない理由は2つ、自己分析をしていて、一つは調子に乗りがちな性格なこと、もう一つは味にこだわりがないことである。

 隠し味が隠れない、出来もしないのにアレンジを入れ始めるのは、仕事や工作系の時には良い結果に進むことも多いのだが、料理製菓に関してはいい方向に転ぶことはほぼない。さらに、一般の方が美味しさレベルを(食べられない・不味い・普通・美味しい・最高)くらいに分けているのに対し、私は(美味しくない・普通・美味しい・マジ美味しい・ほんと美味しい)くらいの感覚なので、「失敗したから次は頑張ろう」というPDCAサイクルを回すことがないのだった。

 そんな理由で、息子と二人で食べるご飯は、冬は隔日で鍋、朝は毎日茹で野菜みたいな感じだったのだが、さすがにどうかと思い、4月からヨシケイを頼み始めた。毎日夕飯の食材が届くアレである。

 前置きが長かったが、2ヶ月ヨシケイを続けて思ったことを書こうと思う。

 まず、毎日の献立を決めることが自分の脳みそのメモリをかなり使っていたことに気がついた。冷蔵庫の残りとその賞味期限と冷凍庫のストックと前日のメニューと当日の給食、そしてスーパーの価格推移をみてメニューを毎日考えるのは職人技だったのだ。今は息子にカタログを渡して、食べたいものに丸をつけさせてその通りに注文すればOKである。(息子は魚が好きなのでそれほど肉肉しく偏らない。)脳みその負担がかなり減った。

 それから、土日の買い物が必要なくなった。朝ごはんでいつも食べるメニュー、息子の好物、米をストックしておけば良いので、最悪コンビニでも買える。(低脂肪乳、納豆、海苔、ブロッコリー、きゅうり、カニかまぼこ、ちくわ、ウィンナーが我が家の定番品である。)仕事帰りにさっと買うこともできる。おかげで土日に「買い出し」の必要がなり、レジャーの予定が増えた。

 そして、料理のレパートリーが増えた。ヨシケイはあくまで「食材の配達」であり、調理は自分でする必要がある。そのため、「この味付けは息子が好まないからこっちにしよう」「前回の中華風が美味しかったから今回も中華風にしよう」といった調整もできる。(市販品だと味が濃いのでは?と思われる方もいると思うが、味付けも自分で調整できる。また、オイスターソースあたりからのレアアイテムは1回分のパウチで届く。)。そして、調理手順が詳しく書かれているので、書かれた通りに作ればまず失敗することはない。帰宅が遅くなった時には届いた食材で全然違うものをさっと作ることもできる。

 そしてありがたいのは、自分ではなかなか買わない食材や、買うには量が多くてなかなか手が出せない食材が届くことだ。いつも同じ食材になりがちな生活からカラフルな食生活になったと思っている。ついでに、メニューを選ぶのは息子なので、初めて遭遇する食材について、責任を持って息子も食べる。

 たしかにスーパーで同じものを買うよりは高いのだが、脳みそのメモリ代と買い出しの時給を考えると、我が家の場合宅配食材を頼む価値は十分にある、という判断だ。

 息子が小学生になり2ヶ月。これから、生活に慣れて、わたしの料理レベルも向上していくかもしれないが、今のところはしばらくヨシケイにお世話になるつもりでいる。


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