このところ忙しい。とても忙しく動き回っている。
おかげさまで、というべきなのか。

最後のあがきなのか。
昨年末にいったん仕事の動きをストップした。
理由はいろいろあるのだが、
まあ一言でいえば私がろくでなしだということに
尽きる。
そしてまあ再び走り出した理由というのも
煎じ詰めれば私がろくでなしだということに尽きる。
ろくでなしなので走るしかないのだ。

予定１
一つの連作集がいま2校ゲラまで進んだ。
予定通りいけば、これがいちばん直近で
皆さんの目に触れる作品となる。来月。
ただし、恋愛ミステリではない。
恋愛ミステリではないが、文体の心地よさ、軽快さ
という意味では最上級のものをお届けできる。
とても小ぢんまりとしてはいるが、
それゆえに「森晶麿タッチ」とでもいうものが
しっかり定着したな、という手ごたえがある。

予定２
リキュール入りチョコ、キャラメルチョコ、
オレンジピールチョコ、さまざまなテイストを
揃えた極上ツイスト恋愛掌説集の１校ゲラが届いた。
昨年、もう絶筆かな、くらいに思っていたなかで
思い切った動きに出たところよいご縁があって
実現した。
しょうじき年内にこんなふうに進むとは
思っていなかった。
30編あまりの掌編は、信じられないほど完成度が高い。
ここまでのレベルの作品が30も集まった
ショートショートを
自分はあまり読んだことがない、と言ったら
言い過ぎだが、
ここから先10年のスタンダード的なものになる。
というか、「する」。年内に。おたのしみに。

予定３
昨年休筆に入る前に一つだけ通っている企画があった。
とある料理店にまつわる話で、
そこにどういう気持ちで執筆していけばいいのか
しょうじきなかなか気持ちが動かなかったが、
ゆるゆると書き進めて、いいものになりつつある。
いまの私は昔ほど人を
うっとりさせることに抵抗がない。
いつまでも読んでいたい、と思わせるものを
じっくり作っていこうじゃないか、と。
これも運がよければ近々、という感じである。

予定４
これについてはちょっと四苦八苦してはいるが、
それは書こうとするたびべつの予定が入るからで
べつだんこれ自体が書きにくいわけではない。
何しろずっと書き進めてきたそれであるので。
ただ、これまでのそれとは少し毛色がちがう。
だから、読み手は驚くことになるかなとは思う。
アウトラインはしっかりしてるので書けばすぐだが
そのためにはまず体調を整えば。
もう三分の二まではきたのかな。
月内には書き上げる予定ではあるがどうかな…
少しはみ出しそうな…がんばります。

森晶麿はいったん昨年末に森晶麿を
ストップさせようと思い立ち、
できればもう別の名義とかで
飛び立ちたいなと思っていたのだが
いざそうして別の名義でことを進めてみると、
いかにも中途半端で、
というのも、そもそもまだ森晶麿自体を
きちんと100％の全貌を自分も把握してない。
これで放りだすのはあまりに無責任だな、と。
そんなわけで古い機械のエンジンのご機嫌を伺い
おそるおそる、また走り出してみたわけです。
完全復帰か、最後のひとっ走りか。
それはまあ今の私にわかるわけがないという話で。
とにかく、夏が終わる。梨がうまい。

いい九月にしましょう。
ではでは。