第八回 シリーズと作家について思うこと

デビュー当時耳にタコができるほどいろんな方から言われた。
「毎年デビューする新人作家は多数いますが、翌年まで残れるのはほんの一握りです」 幸いなことに、私はデビュー作が新人にしてはそれなりに売れ、しかもそれがシリーズ化されることとなった。 当の本人は、まったく別のものを書きたくてうずうずしていたので、今後も黒猫シリーズをお願いしますと言われたときは、「ええ~マジッすか。なんて面倒なことを…」という気持ちだった。何しろ、研究の世界から遠く離れて久しかったからだ。
だから、いまだに毎回「これで最後でもかまうものか」という気持ちで書いてはいる。

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