見出し画像

おっさんだけど、仕事辞めてアジアでブラブラするよ\(^o^)/ Vol, 63 希望

キルギス 
2023.0913 Wed

中学生の頃、太宰治の『人間失格』を読みました。
正直言って、全然ピンとこなかった。
「鬱陶しい小説書きやがってよ、このおっさん!」
そんな感想でした。

大学に入った頃でしょうか、『人間失格』を読み直しました。
震えました。
「おれのこと書いてるのか?」
本気でそう想いました。

おっさんになってから、『人間失格』を読みました。
『しょうもないおっさんやで、太宰ってヤツは…』
そう感じました。

こんな大河も、最初の最初は一粒の水滴だったはず。それが集まりに集まってこんな流れになるなんて…。理屈ではわかっていても感情として理解できない、そんなことってありますよね。

今日、朝から嫌なことがありました。
気を取り直してチャリで走りだしましたが、生憎のハードな上り坂。
汗をかき、息を切らせながら坂を上るわたし。なぜでしょう、気付けば、中島みゆきの『時代』を口ずさんでいました。

旅を続ける人々は いつか故郷に出逢う日を
たとえ今夜は斃れても きっと信じてドアを出る
たとえ今日は果てしもなく 冷たい雨が降っていても
めぐるめぐるよ時代は巡る 別れと出逢いをくり返し
今日は斃れた旅人たちも 生まれ変わって歩き出すよ

良い歌です。そして、素晴らしい歌詞です。

午後6時過ぎ、意外にもネット接続ができたので、テントの中で『時代』を聴きました。
どういう理由かわかりませんが、とめどなく涙が溢れました。

チャリ旅って、毎日限界が来るんですよね。“もうダメだ…!”ってやつが。それがあるから水の大切さを知るっていうか、メシの旨さがわかるっていうか、人の優しさを感じるっていうか、…ね。

文章書きとして、いつの日にか、こんな文章を書いてみたいもんですね。

正直に言うと、死ぬほど行きたい場所とか見たい景色って、実はないんですよね。ただ、楽しい時間を過ごしたり、心動かされる出来事に立ち会いたい。それだけです、わたしの行動原理は。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?