3月30日（土）
朝、目が覚める。
小鳥の声が聞こえてくる。うっとり。

玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう！」と、あいさつをする。
ぽかぽかしている。きもちがいいなぁ。少し庭仕事をする。花壇とクローバー畑とガジュマルに水を撒く。シャワーに架かる小さな虹にうっとりする。

ご近所のEさんがお散歩から帰ってきた。少しおしゃべり。

ポストに何か入っている。先日入稿した ”お知らせハガキ” がもう届いていた。

カカオにご飯をあげる。
ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげる。
ごはんさんのメダカちゃんたちにエサをあげる。ガジュマルに水をあげる。

ゆで卵のサンドイッチを作る。スナップエンドウを固めに茹でる。

修一郎は寝ているのでテーブルの上に置いておく。

今日はK市の病院へ行く。
車に乗ろうとすると、にりんさんとゴールデンレトリバーの仔犬アランくんがやってきた。

「アランくんっ！」と言って、駆け寄る。アランくんも、わふっわふっ と言いながら駆け寄ってくる。また大きくなっている。もふもふして可愛いなぁ。

ぽかぽか陽気の中、しゅっぱーつ！

ごはんさんと会う。
また少し良くなっているようだ。ほっとする。基本的な体力がしっかりあって自己治癒力も高いようなので日に日に良くなっているように見える。

必要な物の受け渡し。少しおしゃべり。

「今の時期、バーベキュー最高だね〜。」

「退院したらまたしよう。」と、話す。

帰るとき、ベッドの中から真面目な顔で

「ご飯ちゃんと食べて。気をつけて。他になんかなかったかな。」と、ごはんさんが言った。

入院している ごはんさんが心配してくれている。そして、

「自分の健康一番に考えてな、オレのこと二の次でいいから。」と、言った。

家路に着く。

家に帰りつくと修一郎はまだ寝ていた。
お散歩に行く。霊園の桜はどうなっているだろう。と、わくわくする。

ところどころ淡いピンク色の桜が8分咲きになっていた。まだ少ししか咲いていない木もあった。土が関係するのかなぁ、日当たりかなぁ、標高かなぁ、と思いながら てくてく歩く。

桜って、ゴツゴツした黒っぽい木と儚く可憐な花のコントラストが魅力なのかもしれない。と、思う。

てっぺんに到着。景色のあちこちに桜が広がっていてとてもきれい。うっとり。

桜はいつもお散歩道の霊園で見ていた。あとはお隣の きゅうりさんのお庭の桜。

 "桜を観るためにどこかへ行く” というのは昨日が初めてだった。みんなが桜を観に行ったりお花見をしたりするきもちが分かった。それは素敵に楽しいことだった。

奥の方まで歩いてゆく。濃厚な水仙の香りの中、桜を観る。冬から春へのバトンタッチのようだ。

帰り道でまた、にりんさんとアランくんに会った。

「アランくん！」と言って駆け寄る。

アランくんも わふっわふっと言いながら駆け寄ってきた。アランくんが ぴょんぴょん跳ねる。はぐはぐする。

「あ。うれションしとう。」と、にりんさん。

「え。うれションって？」と、私。

「うれしくて、おしっこ漏らすこと。」と、にりんさん。見ると道路が濡れていた。

アランくん…お昼に会ったばっかりなのに。と、思う。そして、

「そんなに喜んでくれてありがとう！」と言って、はぐはぐした。

家に帰りつく。庭仕事をする。一面 もこもこのクローバーが風に吹かれている。きれいだなぁ。ところどころスズランも咲いている。奥にあるカナリヤ色のレンギョウと、きゅうりさんのお庭の濃いピンク色の桜が重なりあってとてもきれい。春はいろいろな色があふれている。

りんごの木も新芽が出ている。うれしい。小さなりんごの木の方がたくさん新芽が出ていた。背の高いクローバーに包まれているので、クローバーを少し押さえて りんごの木を光に当てる。

多肉植物も元気に ぷくぷくしている。ごはんさんが「今、植え替えに完璧な時期だよ。」と言っていたのを思い出す。桃美人をチョッキンして植え替えようかな。と思う。でも チョッキンするのは初めてなので ちょっと心配だ。ごはんさんが退院してからにしよう。と思い直す。

「にゃーにゃー。」と、カカオが呼んでいる。

振り返ると、こちらを見つめて にゃーにゃー言っている。
なでなでする。目を細めてゴロゴロ喉を鳴らす。可愛い。いっしょに中に入る。

夕食の支度をする。

今日届いた ”お知らせハガキ” に宛名を貼ってゆく。月曜日に郵便局へ持って行こう。

夜、庭に出る。
久しぶりに星空を見たような気がする。北斗七星が輝いている。きれい。とてもきれい。他の星たちもキラキラ輝いている。星の瞬きを見ると、どうしてこんなに胸が高鳴るんだろう。濃い夜の色に白い輝きが美しい。夜空に「ありがとう。」と言う。そして、まわりを見渡し、夜のぜんぶに「おやすみ。」を言う。

黒猫カカオは夜に溶け込んでいった。

今日もいい一日だった。