まちづくりにおける理系と文系


今朝の新聞コラムより、理系大学への進学後押しやリカレント教育の支援が進むのは良いのだけど、日本の文系博士課程の少なさについて指摘されてて共感した。

まちづくりに携わってきて感じるのは、まちづくりの初動期は、工学系(建築や都市系)の専門家だけでなく、人分社会学系の人が楽しめているまちづくりは継続してること。

また、建築家の役割がカギとなっているのは、携わってきた建築教育や仕事の中に文系と理系どちらの要素も鍛えられているからだと思う。

昨年
①社会実験を多分野で活躍する人と進めた経験
②「街は生まれなおしている展」でご一緒した東北大学の越智 郁乃先生(文化人類学)と話した経験

越智先生は、フランスなどの祭りから文化芸術の成り立ちなどを研究されていて、人が暮らしの中で長らく続けてきたことの中に文化が生まれ、どうやって続けていくか、またそれを政策としていくのかを調べていた。

この2つの経験から、生まれてくる言葉や街の見方が生活者に近いなと感じたこと。

だったら、まちづくりの検証をするなら、
建築や都市の専門家と人文社会学系の専門家双方の話や見解を街の人が聞いて、生活者として分からないところは質問して、納得できるところを出してった方がいいんじゃないか。

そのやりとりの成果物そのものに、非常に価値がある。

だから、これから街で人の暮らしに関わる社会実験やるときは、人文社会学系の専門家をちゃんと入れた方が良いなと思った。
また、そこに続く専門家の卵を育てていかないといけない。

まちづくりをやるときは、工学系の学生よりも、実は人文社会学系や経済学等の学生の方が向いている場面も多い。

工学系の学生が専門家教育に慣れ親しみすぎ、教員が専門家で振る舞う姿をみるほどに、そこだけが一人歩きしてしまう危険性があると思う。

私も恩師が建築家として振る舞う姿や言説から学ぶことは多かったけれど、何より学んだのは、自分の専門領域に固執せず、他分野の方と多くコラボされていたこと。

そこで、専門性は活かしながらも、相手との共通点を見出しながら、互いに高めあっていくやりとりに学ぶことが多かったし、ものすごく鍛えられた。

実際、社会に出たら専門外の方とのやりとりの方が多い中で、とても役に立った。

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