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建築家の投稿が話題で、ゼネコンにいる私が伝えたいこと

Facebookである建築家の投稿が話題らしい。

Twitterでも話題になっているので、さらっと読んでみた。

私の解釈だと「建築家はお金はあまり貰えないけど人を幸せにできる職業」と書いてあるように見えた。

解釈は人それぞれなので、色んな意見があってまぁいいのではないかと思う。
なんか大昔の画家の世界みたいだなとは思ったけど。

ここからは、将来建築の仕事に進む人の参考になればと。

私は新卒からずっとゼネコンの設計部に居る。
アトリエ系のように先生と呼ばれることはないが、給料はかなり安定している。
初年度の手取りは月19万そこそこだった。
ボーナスもあるし、健康診断も受けれる。
近頃では残業代もちゃんとくれる。
産休も育休も取らせてくれた。

就職する時、正直迷った。
デザインややりがいを考えたら、アトリエに行くべき?と。
けどアトリエ系の給料の安さでは実家を出られなかったので、地元のゼネコンに就職することにした。
夢より生活を重視した若かりし頃の私。

デザインの面ではゼネコンは、あまり自由がきかない。
社内で設計案件が来ても、ゼネコンなのでコスト重視でデザインは二の次。ちょっと凝って庇を出したり、ちょっといいタイル貼るだけでもそこはコストダウンでカット。
安くてもデザインがイケている建物を希望する施主もいるため、難しい要求に悩むことも多い。


やりがいに関しては、現場と営業と施主の板挟みに遭ったり、エンドレスな社内調整にも悩む毎日。
ストレスで難聴にも帯状疱疹にもなった。
ちなみに設計事務所出身の中途の人からは、何かにつけて「設計事務所はもっと大変だから」と言われるのもストレス。

投資案件や、有活案件が多いので設計を頑張っても監理を頑張っても、感動して涙を流してくれるような展開にはならないし、引き渡し後もご飯食べに行ったりーなんて交流はない。
ドライに仕事できるので、私には逆にゼネコンの方が向いているかもとは思う。

施主に怒鳴られても急に泣かれても、これも給料のうち!と思えばぐっと堪えられる。

このようにアトリエ系とはまた違った苦労は多いが、建物が完成すると今までの努力が実ったようでとても嬉しいし、施主に抱きつきたいくらい感動する。(抱きつかないけど
この点は大きなやりがい。

最後に結局何が言いたいのかというと、アトリエだけでなくゼネコンって選択肢もあるよーってこと。

建築家(そもそもこの言い方はあまり好きじゃないけど)は安い給料で命削りながらなんて仕事ではなくなってきたんじゃないかなぁと。

そもそも建築家の定義はよくわからないけど。

違うアプローチでも建築には充分関われるし、時代はもう変わってきているような気もする。

建築学科出ても、バーテンになる子もいるんだし(私の弟^_^)好きなことをして幸せになって欲しい。

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