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Newコタまり第9号「あなたに会えてよかった」

ふと夜中、コンビニにお買い物。
空を見上げるとまるくて大きな月がぽっかりと浮かんでいます。
月を見るとふと思い出す、昔のことを。

大学も残すは卒業式だけ。
就職先も決まり、勤務先も決まり。
ちょうど今くらいの時期のことです。

引っ越しの準備も大体終わって、もう移動だけ。っていう時期になり、
「これからどうなるんだろうなぁ…」って漠然とした不安。

卒業式の夜。謝恩会の帰り。
みんなは2次会らしいが、2人して逃亡。
人通りの多い町をぶらぶら歩いたなぁ…。

突然彼女が「花束買ってくれない?」って言い出した。
何をいきなり言い出すかと思えば、花束かい。
お花屋さんで2000円の小さな花束を作ってもらう彼女。
大好きなオレンジのバラはちゃんと入れてもらってる。

「ドライフラワーにできるような花を入れてください」
んっ?ドライフラワーにする気なのか。こいつ。

「なんか残したいやん。だって結構遠くに行っちゃうじゃん(笑)」

と言う彼女。
大阪から長崎は遠かったなぁ…。ものすごく距離を感じた。
実際に移動してみてそう思いました。

街中にあった公園のブランコに2人して座り、ふと見上げた夜空にもぽっかり丸い月。

「なんかさ…。漠然とした不安があるんだよね…。
オレってさぁ。先生に向いてるんだろうか…?」

「そういうこと考える人ってさ、大体向いてるんやって」

笑いながら答える彼女。

また適当なこと言っちゃって…(笑)
と思ってたんですが、20年近く経った今、改めて考えると、そうそう簡単に出てくる言葉じゃないなぁ…

見えないところで、心の支えになってくれていた彼女。
感謝しています。

淋しい夜 そばにいてくれたね
言葉に出ない気持ち わかってくれたね
なんにも言えず ただ 泣いているだけで
本当の気持ち いつでも 言えたなら
そばに居れたね ずっと

小泉今日子『あなたに会えてよかった』


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