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閉業温泉の記憶 別府富士観ホテル

「別府富士観ホテル、今月末で閉館へ 建て替え再開目指す」
別府市若草町の「別府富士観ホテル」が5月末で閉館することが9日、分かった。運営会社の富士レックス(東京都)は「建て替えて営業再開を目指す」としている。
同社や市旅館ホテル組合連合会によると、熊本・大分地震の影響で客室の窓ガラスや階段の一部が破損するなどの被害を受けた。4月16日以降は宿泊客を受け入れていない。
富士観ホテルは1970年2月に営業を開始した。建物が老朽化し、建て替えを検討していたところ、地震が発生。宿泊客のキャンセルが相次いだこともあり、閉館、建て替えを決めたという。

(2016年5月10日 大分合同新聞より)

若草町にあったホテルです。
熊本地震の際に被害を受け、そのあと建て直しになりました。
古いホテルや旅館で耐震構造に問題があるというパターンは、大きな地震が起こるたびに出てくる問題ですね。
結局建て直しができる体力があるかが勝負の分かれ目になることが多く、ここでも大きな資本力を持っていることがポイントだったようです。
中小のホテルは、廃業という選択をしたところも多かったです。

新しくなったホテルはオシャレで、完全に路線を変更したようです。部屋数を押さえ、高級路線。どこも同じパターンですね…。

以前の様子を記録しておきます。
かなり大規模なホテルで、以前は団体客を中心にやってきたような造りのホテルです。もともとあった大浴場は地下にありました。
フロントで入浴をお願いし、下に降ります。

かなり大きな大浴場です。しかもだれもいない…。

大浴場

地下とはいいながらいろいろなところから採光されており、比較的明るいです。なかなかの大きさの岩風呂です。

高い天井

天井がかなり高く、冬でも湯気がこもりそうにありません。
冬はけっこう寒そうだな…。

逆方向

洗い場も結構な数がありました。管理がかなり大変だろうなぁ。
後からできた屋上の露天風呂も入らせていただきます。
エレベーターで上にあがります。

露天風呂入り口

手前の温泉はヒノキ造りでした。こちらは小さめ。
なんだか細長い浴槽です。

露天風呂
露天風呂(逆方向)

横に少し大きな、石造りの風呂もありました。

石風呂

展望浴場を名乗っているだけあり、眺めは最高です。
現在のホテルはここまで高くないので、現在では見ることのできない景色になります。男湯からは別府市街地方面が見渡せます。

屋上からの眺め

海側もよく見えます。

屋上からの眺め②

当時私は1人で別府の湯めぐりをしていたので、どうしても1人宿泊プランのないい宿は泊まるに泊まれませんでした。
別府は種類も数も多いので、宿泊できないことはありませんでしたが、こういう大規模ホテルや旅館系の宿泊は数が限られてきます。
結局富士観ホテルも日帰り入浴だけで、泊まる前になくなってしまいました。

一度は宿泊して、どんな宿の雰囲気かを見てみたかったんですけどね。残念です。
現在のホテルは…、手が出ないなぁ。
値段もそうですが、なんだか場違いな感じがして…。


■別府富士観ホテル
2016年5月末にて閉館、現在「レックスホテル別府」として営業中


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