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そっとしておく選択も大切にしていることになるよ

抹茶との散歩でのこと、

女の子が走ってきて「わんちゃん、触っていいですか?」と期待に満ちた目とともに元気に聞いてきました。

「ごめんね。あなたを噛んだりしたりしたらいけないから触らないでね。」と断ったところ、びっくりしたような表情をしたと思ったら、今度は泣きそうな表情で、また走って行ってしまいました。

「ごめんね。」としか言えなかったけど、なぜこっちが謝らないといけないんだ!貰い事故感半端ない。

抹茶が噛む確率は低いけれど、何かの拍子に彼女の歯がお子さんの皮膚に当たるかもしないし、さらに皮膚に傷がつくこともあるかもしれません。

そういう“表向き”の理由からああいった断り文句になったのです。

「イエスorノー クエスチョン」なので「やめてね」とか「さわならいでね」とだけ返せば済むはずですが、“習ったアレ”をやるんだ!と勇気を振り絞ったかもしれないお子さんをあまり傷つけたくない気持ちがあって、いつも言い訳がましい言葉を添えてしまうのです。

それでも今回のお子さんには期待外れな返答のショックが大きかった様子でしたが・・・

加えて、抹茶の前で「この子が噛んだらいけないから」と声に出して言うので彼女に対しても申し訳ない気持ちになります。

お子さんたちからの「触っていいですか?」とか「撫でていいですか?」は、頻繁で正直毎回面倒くさいです。

“習ったアレ”というのをざっくり説明すると、「わんちゃんを触りたいときは、まず飼い主さんに尋ねて許可が出たら、今度は犬と挨拶をして大丈夫そうなら、犬を優しく撫でましょう」という流れのことです。

「犬と仲良くなるために」というようなテーマで、一見情操教育的に良さそうですが、そもそも犬がよその子どもと仲良くなる必要はないですし、家族以外の人間は犬にしてみれば部外者です。

部外者で知りもしない人の、犬を触りたいという勝手な欲求を満たすために、自分の犬を差し出すことに違和感を覚えるのは、私だけではないはずです。

犬の身になってみたら尚一層。犬目線でこの一連を想像すると、やっぱり飼い主は犬を守る立ち位置にいて欲しいと思うのです。

子どもたちに教える際は、一匹でウロウロしている犬でも飼い主と一緒にいる犬でも「よその犬は触らない」を基本にしてもらいたいものです。

動物関係の特別授業には「命を大切にする」という大きなテーマがあります。

優しく触ったり撫でたりするのと、大切にするのは、イコールではないこともあります。触られたくない犬にいくら可愛いと思って優しく撫でても、それはその犬にとって嫌なことにしかならず、大切にしているとは言えません。犬から離れてそっとしておくことが大切にしていることになることもあるのです。

「大切にする」と言った時に、焦点を当てるのは自分の欲求や気持ちではなく、相手の欲求や気持ちです。また、全ての「犬」を一緒くたに考えるのではなく、個々の犬の欲求や気持ちに焦点を当てると「大切にする」に近づけるのではないでしょうか。

大人もね。犬や猫をモフモフしたいとかよく聞くけど、自分ちの子だけにしていただきたい。それで自分ちの子に嫌われても自業自得。うちの抹茶をモフモフしたいとか言った人がいたけど、本気で寒気しかしませんでした・・・

もちろん触ってもらうのが好きな犬もいるので、万が一のことが起きても責任を取る覚悟と準備があるのなら触らせても触っても大丈夫かと思います。

今回はだいぶ辛口な投稿になってしまいました。オホホホ・・・

最後までお読みくださりありがとうございました。

たばたまき


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