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わたしのこと

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わたし、を見せるのが一番苦手な私。少しずつ、ぽつぽつと、語っていこう。リハビリみたいな気持ちで。
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2020年8月の記事一覧

なんにもないというゆたかさ

ずっと、来たかった場所にようやく来れた。 海の碧と空の靑。 どこまでも、果てが見えない水面。 空高く、海鳥たちが優雅に舞っている。 船を下りて車で走る。 さみどり、みどり、またみどり。 目が醒めるような見渡す限りのみどりの大地に、のびのびと稲たちが風にさざめく。 電車もない。信号もほとんどない。 街灯もあまりなくて、夜はまっくら。 なんにもない。 けれどここにはゆたかさが溢れている。 古よりずっと続いてきた、いのちの環、がここにはある。 日本の国のゆた

なつやすみのしおり

朝、気づいたら外が明るくて、セミの声がうるさくて、つけっぱなしの冷房にひんやりつま先が寒くて目覚める。 そういう日々が続いて、思った通りいつのまにか梅雨があけていた。 雨雲が去って、高台から見下ろす港の遠くの方、山のはるかかなたに、わたあめみたいな雲がもくもく湧いてきたら。 こどもたちとがっつり向き合う夏のはじまりだ。 ーーーーー 今年の夏休みはいつもより短いから、みんな気分も前倒しだ。 宿題はいつもよりちょっとだけ少なめ。 それでもブーブー言いながら、いとこと一