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「美容 × SNS」〜UGCを加速する3つのポイント後編〜


note概要

本noteは、SNS総フォロワー470万人の美容メディア「MimiTV」が2021年9月に行った動画ウェビナーの書き起こし記事となります。美容商材のマーケティングに関わるメーカー、広告代理店で働く方が想定読者です。

今回は、美容 × SNS「UGCを加速する」3つのポイント後編です。
前回はMimiTVが独自に分析したUGCの4つのフェーズと5パターンを解説しましたが、今回は「事例を元にUGCが加速する8つのストーリーの解説」と、「UGCを売上に繋げていくために必要な3つのポイント」をお伝えします。事例を元に8つのストーリーを解説し、売上向上のために必要な3つのポイントを学んでいただき、美容 × SNSにおけるUGCの活用知識を習得していただければと思います。

※ 前編の内容はこちらをクリックしてご覧ください。

《目次》

■ UGCが加速する8つのストーリー
・\ 注意ポイント /
・ 2つの軸に設定して分類・整理すると?
・認識すべき共通のルールは4つ
■ UGCを売上に繋げていくために必要な3つのポイント
・UGCを売上に繋げる方法は?
・UGCを戦略に繋げる戦略は?
・UGCを増やす=加速させる戦略は有効なのか?
・優先すべきは「UGC × SNS広告戦略」
・MimiTVがお手伝いして売上が上がった事例
・実は、Twitterでバズっていなくてもモノは売れる
・「UGC × SNS広告戦略」を実行する際は、「リーチ数」「購買転換率」で施策を整理
・4つのSNS施策
・マーケティング施策のポイントは「UGC × SNS広告戦略」「継続性」「網羅性」
・よくあるメディアプランの課題〜3つの偏り〜
■ ま と め


■ UGCが加速する8つのストーリー

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解説を始める前に…
\ 注意ポイント /
バズって売れる・バズらせよう、というワードを聞くことが最近増えてきていますが、”バズって話題になってUGCが増える”のはレアケースで、ストーリーの1つでしかないと思っています。基本的にバズ型には再現性がなく、むしろプロモーションを設計する上では、バズらないUGCの方が重要です。それを踏まえた上でご覧いただければと思います。


それでは解説を始めていきます。
8つのフェーズにストーリーを分けると以下のようなキーワードと事例が並びます。

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① 著名人起点型
○○さんも愛用しているらしいなど。画像ではイニスフリーの商品を載せており、IZ*ONEの宮脇咲良ちゃんがライブの際に、前髪の内側に使っているらしい、と話題になり、2019年にとてもバズ投稿が連発して売れました。

② 常識GAP商品力型
常識を覆すようなGAPは、開発の段階から必要になるのですが、例えばケイトから発売された『小顔シルエットマスク』。名前の通り”小顔に見える”マスクで、最新型ではグラデーションになっており、中顔面の緩和効果が期待できるものが出ています。

③ 新作NEWS性担保型
エクセルなどはシーズン毎に、「次はどんな色が発売されるんだろう」となり、話題になります。

④ UGC連鎖型
コスメデコルテから2021年9月16日にリニューアル発売される『モイスチュア リポソーム』では、事前に試した人による「これとてもよくなっている」というUGCから、ジワジワと広がっています。

⑤ バズ連続型
バズが連続していく『リップモンスター』のようなものです。

⑥ ニッチオタク起点型
白潤の画像を載せているのですが、無印良品の『エイジングケア薬用リンクルケアクリームマスク』も同様です。「この成分がこんなに入っているなんてコスパがいい」「この掛け合わせはすごくいい」など、成分オタクに受けます。

⑦ キーワード起点型
いわゆる可愛いキーワードや、覚えやすいキーワードで拡散されていきます。

⑧ 公式アカウント促進型
公式アカウントが活発に活動していて、ユーザーとコミュニケーションをとっているものです。


◎ 2つの軸に設定して分類・整理すると?

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画像では、横軸が再現性の高低、縦軸が発生頻度の高低となっています。
先ほどの8つのマスを当てはめ、分類・整理しています。

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優先順位を見ていきましょう。MimiTVはいろいろなコスメの投稿を見てきており、私たちも発信しています。そんな編集部の見解では、UGCにおいて1番優先度が高いのは、画像上でピンクの太線で囲まれた、③新作のNEWS性が担保されているか④UGCが連鎖されるかのゾーンです。
そして2番目は、ピンクの破線で囲まれた、⑦キーワード起点型⑧メーカーが公式アカウントからコミュニケーションをとっていくパターンのゾーンだと考えています。


◎ 認識すべき共通のルールは4つ

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UGCがないところに、UGCは生まれない。

事前の期待とのGAPについて言及するUGCがほとんどで、購買前にUGCに触れると事前の期待が生まれやすいと考えています。
例えば、「○○が発売されるらしい」「○○がいいらしい」という内容を、自分がフォローしている人が投稿していると、”この人がこう言っているから欲しくなる”・”あの人が言っている商品だ”・”あのインフルエンサーが投稿していたな”となり、知っていてちょっと気になる状態を作っていく必要があります。

インフルエンサーは自らUGCを作ってくれることが非常に多いのですが、それはなぜかというと、みんなの為になる投稿をして、その反応やフォロワーが増えてほしいというところがあるので、”この人がこういうバズ投稿をしている、じゃあ自分も投稿してみよう”という風になりやすく、投稿してくれることが多いです。

一般層がUGCをわざわざ書いてくれるのは、これをみんなにシェアしたい・これが買えてとても嬉しい、これを使って可愛くなれて嬉しいなどの、気分が高まったことをシェアしたり感想をシェアしたいからです。

そのため、公式アカウントからの発信だけではUGCの促進は難しいです。どのようにUGCを”より”作っていくか、UGCを作ってどう広げるかが重要になってきます。

ここまでUGCの加速のストーリーの解説をしました。
しかし、UGCを加速させることよりも大事なことがあると思っています。

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UGCを作って終わりではもったいないので、UGCを売上に繋げていくことが非常に重要です。


■ UGCを売上に繋げていくために必要な3つのポイント

ここからは、UGCを売上に繋げていく為に必要なポイントを解説していきます。

\ ポイント /
①UGC活用戦略
②網羅性
③継続性

◎ UGCを売上に繋げる方法は?

売上に繋げていく方法として、以下の6つを挙げています。

1、レビューUGCを増やす
2、感想UGCを増やす
3、UGCを店頭に活用する
4、UGCをWebサイトや公式アカウントに活用する
5、UGCを二次利用、SNS ADで拡散する
6、UGCがバズる

◎ UGCを売上に繋げるための戦略は?

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先ほど挙げた6つを整理すると、上記のような形で当てはめられます。

”戦略=少ないコストで最大の成果を得る方針”というのが、皆さん共通の認識だと思うのですが、まず戦略を立てていく上で、2軸で整理しました。

1つはコントロールのしやすさで、こういう投稿を仕掛けていきたい・こうなりたい、という自由度があるかというところです。
もう1つは、リーチ数がどれくらい広がるかです。これはすごく重要で、大きいのか小さいのかというところです。
最も、奇跡的なところではコントロールがしづらいが、リーチ数が大きい⑥のUGCがバズる、も記載をしています。

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前提で話していた「UGCを増やした方がいい」というところで、加速させるのは画像の左下、①レビューUGCを増やす②感想UGCを増やす、の赤く点線で囲まれている場所に配置されます。


◎ UGCを増やす=加速させる戦略は有効なのか?

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UGCを増やすことは、売上を上げるための主戦力ではないと思っています。あくまでこれはひとつのステップとして考えて、主戦略はほかにおいた方がいいです。しかし、主戦略ではなくてもこれがないとそもそも戦えないので、UGCを増やすことは事前準備で絶対的に必要だと考えています。

いいレビュー投稿を作ろうとなると、皆さんが重視するような”リーチはどうなのだろう”というところが取りづらくなるのが正直あります。ですが、リーチが多い人がいいレビューを書けるかと言われたら、そこもイコールではありません。そのため、ここは先行投資として考える必要があると思います。

◎ 優先すべきは「UGC × SNS広告戦略」

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優先すべきは、UGC×SNSの広告の戦略であり、UGCの活用に企業の差が出ると思います。リーチ数が稼げててコントロールができる方針こそが主戦略になります。上記の画像でピンクのマスで囲ったところを主戦略として、マーケティングを考えていく方がいいでしょう。


◎ MimiTVがお手伝いして売上が上がった事例

私たちがお手伝いをさせていただいて、店頭の売上が上がった「UGC × SNS広告」の2つの事例をご紹介していきます。
〈内容は、UGCを作っていくことTwitterの広告500万円分を配信することをしました。〉

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1つ目の事例は、ベースメイクの商品です。上記の画像にあるグリーンの波線はPOSデータになっており、POSデータの動きが、実施前に比べて約1.5倍に変わっています。これは、Twitter広告配信(500万円)を始めた時に、POSがグッと上がったような形です。UGCを作っていくだけではPOSへのインパクトはわずかですが、このように広告配信との掛け合わせを行うことで、しっかり結果に結びつきます。

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2つ目の事例は、シャンプーです。上記画像は「購買時に参考にしたメディアはどこですか?」という質問のアンケート結果となります。今回は、「商品C」で、UGC × SNS広告のプロモーション支援実施をしました。実施をした商品Cのパーセンテージが、ほかの商品と比べて倍ぐらい上がっています。よって、Twitter上で500万円規模の広告配信を実施した結果が、店頭購買に寄与したことが表れているのがお分かりいただけると思います。


◎ 実は、Twitterでバズっていなくてもモノは売れる

”バズって売りたい”・”バズらせたい”という要望をお聞きすることが多いですが、実はTwitterでバズっていなくてもモノは売れるようになっています。

そもそもUGCを作っていくのは大前提であり当たり前に必要なことです。
そして、今から考えていかなければいけないのは、UGCをどう活用するか=どう拡散していくかです。このステップを忠実に実行していく必要があると思います。


◎ 「UGC × SNS広告戦略」を実行する際は、「リーチ数」「購買転換率」で施策を整理

UGCはリーチしてこそ意味があるものです。では、UGC × SNS広告戦略の実行イメージはどこから考えたらいいか?
私たちがよく考えているのは、リーチ数と購買転換率で施策を整理することです。


◎ 4つのSNS施策

SNSの施策を大きく4つに分けて当てはめてみました。
以下の画像では、縦軸がリーチの大小、横軸が購買転換の高低になっています。

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UGCを作っていく
公式のSNS配信
公式素材やモデルさんの画像・製品画像を使ってSNS広告を回していく
UGCの素材を活用したSNSの広告

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先ほどの事例ではUGCを使って、そのUGC画像を二次利用して広告配信をしていたので、①のUGC生成から②のUGC素材 × SNS広告となります。UGC × SNS広告戦略は2ステップで実行するイメージです。そのため、インフルエンサーやギフティングで生み出したUGCをSNSで活用しています。


◎ マーケティング施策のポイントは「UGC × SNS広告戦略」「網羅性」「継続性」

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《ポイント1 「UGC × SNS広告戦略」》
マーケティング施策で、”結局あまりうまくいかなかった”というご相談を受けるケースが多いパターンは、すべての発信がバラバラなことが非常に多いと感じています。④の「UGC × SNS広告戦略」に至っては、すごく大事なことにも関わらず実施していない企業さんがまだまだ多いです。そのため、実施している企業さんはしっかり結果がPOSに出て、競合と差がついています。

クチコミの施策の実施後、UGCのリーチ拡大が盲点になっているケースが非常に多く見受けられますが、なぜ盲点になっているのかというと、”公式のSNSで発信してリーチを取れているからOK”・”モデルさんの画像(タレントの画像)を回しているからOK”となってしまっていることが理由です。
結局のところ、ユーザーが購買の参考になると感じるのは、芸能人の画像やキレイなクリエイティブ画像ではなく、ユーザーがどう思っているかの画像です。今の時代、店頭購買につながるのは「認知=その商品を知っている」ではなく、「好感認知=その商品の評判を知っていて、好感を持っている」ということなので、評判を拡散させるというUGCのリーチ拡大の視点を持つことが重要です。

《ポイント2 「網羅性」》・《ポイント3 「継続性」》
UGC × SNS広告戦略の一番のポイントは、網羅性と継続性に尽きると思います。


◎ よくあるメディアプランの課題〜3つの偏り〜

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よくあるメディアプランの課題としては、3つの偏りが発生しているケースが多いです。

1つ目は、SNSの偏り。例えば、Instagramだけで実施をしていて、TwitterやYouTubeとの使い分けに対応できていないこと。

2つ目は、クチコミの偏り。例えば、パワーインフルエンサー・著名クラスだけ実施していて自分ごと化できていないこと。

3つ目は、露出時期の偏り。例えば、露出の時期が偏っていてクチコミの強化をする期間がCMの時期にしか流れてこないこと。

この3つが非常に多く、もったいないポイントです。
偏りを解決する方向性として、網羅性と継続性が重要になってきます。

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理想としては、5大チャネル + LINEの攻略と、継続的に評判形成→話題化→評判定着を行うことがポイント。
”あちこちで見た”、そして”長いこと目に付く”というところに加えて、美容オタクから落としていくことです。
前半のウェビナーでもお伝えしていますが、購買に寄与するのはどのフェーズにおいてもオタクの口コミのため、ここを中心に考えていくのがいいと思います。

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先ほど記載した偏りのイメージは上記画像の通りです。
アットコスメだけ・トップYouTuberだけ・インフルエンサーだけで、結局マス層に届いていないということがあるので、露出が終わったら当然売上やSNSの盛り上がりも下がっていきます。
そのためMimiTVは、Twitter上の口コミやAD配信も含めて、Twitter・Instagram・LINEと合わせてご提案をしています。

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MimiTVがお手伝いできる理想パターンの例は、
美容オタク&ミーハー層をTwitterで攻略後、ミーハー&マス層をInstagram広告やLINE広告で攻略することです。

広告のクリエイティブはUGCを利用して購買転換率を高め、よりマス層にも広げていき、評判の定着をしていくように設計をしています。
美容感度が高い人から情報を落とすイメージで、美容オタク層→ミーハー層→マス層と順番に露出していきます。網羅性に話題を継続させることと、UGC × SNS広告でリーチし続けることがポイントです。

上記画像でなぜ階段になっているかというと、実行フェーズはUGCの施策だけ・Instagramだけ、という偏りをなくしていくことがポイントのため、長いこと目に留まる・あちこちで見た=流行っているというところを掴むためにも、階段の方式で実施をすることが多いです。


発売のタイミングで芸能人や芸人などユーザーが好きな人を広告塔にして、お金を使うことも多いと思いますが、結局のところ発売のタイミングではなかなかミーハー層・マス層は動かないのが現実です。
”テレビで映ってチラッと見た”くらいでは動かず、みんな使っている・みんな言っていたという状態がないと、ミーハー層・マス層には届いてくれません。

ですので、何か大きいネタを作っていくときも、その前から仕込みの段階で美容オタクのクチコミを作っていくことが必要です。
クチコミをどんどん広げていき、あの芸能人も使っていた・あの好きなインフルエンサーも使っていた・Twitterで美容オタクもいいって言っていた、だから帰りドラッグストアに行って買ってみようというような状態を、ミーハー層・マス層の人たちに向けても作っていくことがすごく大事になってきます。

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■ ま と め

② UGCが加速する8つのストーリー
※共通ルール
1、UGCのないところにUGCは生まれない。
2、”事前期待とのGAPについて言及するUGCがほとんど。購買前にUGCに触れると期待が生まれ、買ってもらいやすくなる。
3、インフルエンサーがUGCを生成する理由
→参考情報を投稿して、反応を得たい・フォロワーを獲得したい
4、一般層がUGCを生成する理由
→高まる気分をシェアしたい or 感想をシェアしたい


③ UGCを売上に繋げる3つのポイント
・UGC × SNSの広告戦略
・網羅性
・継続性

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