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「美容 × SNS」〜UGCを加速する3つのポイント前編〜

note概要

本noteは、SNS総フォロワー470万人の美容メディア「MimiTV」が2021年7月に行った動画ウェビナーの書き起こし記事となります。美容商材のマーケティングに関わるメーカー、広告代理店で働く方が想定読者です。

今回は、美容 × SNS「UGCを加速する」3つのポイント前編です。
MimiTVが独自に分類した化粧品UGC大全4フェーズ × 5パターンを解説します。
美容 × SNSにおけるUGCの前提知識をつけ、どのフェーズでどのようなUGCがあると店頭購買が加速するのかをご理解いただだければと思います。
※1ヵ月後に後半もお届けするので、ぜひ併せてご覧ください。

《目次》

■ ”UGC” = 口コミ(ユーザーが発信するもの)
・なぜ ”UGC” が重要?
・よりSNSに情報が落ちていることが重要に
・UGCが動く=POSが動く事例多数
・購買に寄与するUGCは、レビュー型と感想型の2つ
■ 化 粧 品 U G C 大 全( 4 フェ ー ズ × 5 パ タ ー ン)
・UGCをつくる上で大切なことは 3 つ
・発売前から盛り上がりをつくることの重要性
■ ま と め

”UGC” = 口コミ(ユーザーが発信するもの)

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「UGC(User Generated Content)」とは、ユーザーが作ったコンテンツの総称=口コミです。SNSの発信は、Instagram・Twitter・YouTubeなど多数ありますが、企業が発信しているものはUGCではなく、ユーザーが発信しているもの”のみ”UGCと言います。
さらに、ユーザーが発信しているものの中でも、インフルエンサーと呼ばれるようなフォロワー数が多い方が発信するものと、一般ユーザーが発信するものの2つのパターンに分かれています。

◎ なぜ ”UGC” が重要?

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ユーザーは、化粧品・スキンケア・メイク用品・ヘアケア問わず、買うときに
「失敗したくない」「いい評判を確かめたい」「人気のものから選びたい」
という3つの心理が働き、情報収集を行っている場合が多く見受けられます。
”より良い買い物をしたい”というところが軸になるため、その際にUGCが少ない=口コミが少ない、ということが理由で、購買を迷った経験がある、買わなかった経験があるというところが約7割で出てきています。

上記の説明からも分かるように、メーカーの公式の情報発信”だけ”では、ユーザーはなかなか動かない存在になってきています。ここ3〜4年くらいで”バズって売れた化粧品”というのを聞くことが多くなってきたと思いますが、バズらせるためのツイートもひとつのUGCです。

◎ よりSNSに情報が落ちていることが重要に

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ユーザーのトレンドは、15〜34歳の女性の半数以上がSNSで美容情報を収拾するような世の中に変化してきており、コロナ禍ということもありテスターが試せないなかで、よりSNSに情報が落ちている、ことが重要になってきています。上から、Instagram・YouTube・Twitterとなり、UGCメインの媒体が参考にされているのが現状です。

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カテゴリーで分類すると、ベースメイクから上は5割を超え、あらゆる美容商材でUGCが参考にされています。そのため、ヘアケア・スキンケア・アイメイクなど、どれに注力すればいいというわけではなく、ありとあらゆる美容商材でUGCをつくっていくことが必要です。

◎ UGCが動く = POSが動く事例多数

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UGCとPOSは、100%連動するわけではありません。
しかし、UGCが動いているからPOSが動いている、というケースは多くなってきています。
※POSが動いているからUGCが付いてきているというところは、必ずしも一致しないこともあります。

例として、2021年5月にケイトから発売された『リップモンスター』を挙げて説明すると、この商材は”呟かれれば呟かれるほど”POSが動く状態ができていることが分かります。そのため、欠品になって買えない状態が続くと、口コミも下がって売り上げのところも欠品に伴って下がっているのがグラフからもお分かりいただけると思います。

◎ 購買に寄与するUGCは、レビュー型と感想型の2つ

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購買に寄与するUGCは、レビュー型と感想型の2つに分けられると考えています。
レビュー型と感想型UGCが加速してくるときのイメージとしてレビュー型が1割、感想型が9割という結果になりました。これは、50日間で約42,000投稿があった『リップモンスター』を、MImiTV編集部が目視で確認し、レビュー型が約何割、感想型が約何割ということを目視確認で振り分け分析した精度の高い情報です。

《 レビュー型と感想型の違いとは? 》
レビュー型UGCは、購買の参考になるツイートが多く、基本的にインフルエンサーや美容オタクが投稿する傾向にあります。一方で感想型UGCは、評判を可視化してトレンドをつくる役割のため、”気になる・迷う・買いました”などライトなツイートが多い傾向です。また、自分の投稿ではなく引用リツイートで広がっていくパターンもあります。

《 話題のツイートと最新ツイートの違いとは? 》
実際美容オタクは、商品を欲しいと思った時に単語やブランド名で検索することが多いため、以下は『リップモンスター』で検索した際の例を入れています。リンクをご覧ください。

検索結果:話題のツイート欄(レビューUGCが多い傾向)
https://twitter.com/search?q=%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC&src=typed_query

話題のツイート欄では、Twitterのアルゴリズムでエンゲージメントが高い(画像のタップ件数・リツイートやいいねが多い)と思われたものが上位に表示されるような仕組みになっています。

検索結果:最新のツイート欄(感想UGCが多い傾向)
https://twitter.com/search?q=%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC&src=typed_query&f=live

一方、最新のツイート欄では、テキストオンリーの簡単な投稿が大多数。ほか、「欲しい」「どこにも売っていない」など個人の感想が多く、ここは美容オタクの投稿もありますが、一般ユーザーも投稿する割合が多くなってきます。

次に、化粧品のUGCを4フェーズ × 5パターンに分けてご紹介します。


■ 化 粧 品 U G C 大 全( 4 フェ ー ズ  ×  5 パ タ ー ン)

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化粧品の発売に際して盛り上がりのポイントは、発売前・発売時・発売後・定着のフェーズの4つに分けられます。定着のフェーズとは、マス層(三角形のピラミッドの人口で、上からオタク→ミーハー→マスと考えた時の最下段)まで取り込めている状態です。

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フェーズ毎に購買に寄与しやすいUGCを大まかに定義してみました。

《発売前 × 事前期待UGC》
・「美容オタクレビューUGC」
・「ユニーク新規性UGC」
・「PKGデザインUGC」
・「機能性・成分実感UGC」
・「事前期待の感想UGC」
:美容感度が高い人のレビュー投稿や商品特徴の投稿、”なんか良さそう”など。

《発売時 × トレンドUGC》
・「ライフスタイルUGC」
・「話題性実感UGC」
・「比較評判UGC」
・「速報ビジュアルUGC」
・「発売時の感想UGC」
:憧れ要素をもつインスタグラマーの投稿や質感・色味に関する速報的な投稿、”話題っぽい・気になる”など。

《発売後 × リアル体験者(購入者)UGC》
・「トップインフルエンサー芸能人関連UGC」
・「組み合わせUGC」
・「安全性UGC」
・「評判・コスパ検証UGC」
・「購入後の感想UGC」
:トップインフルエンサー・芸能人のレビュー投稿、評判・コスパ検証の投稿、”実際良さそう・失敗しなさそう”など。

《定着フェーズ × 評判定着UGC》
・「ファンUGC」
・「マイベストUGC」
・「中長期UGC」
・「季節定番UGC」
・「評判定着後の感想UGC」
:継続利用しているファンの投稿やベスコス投稿、”人気らしい・買ってみよう”というライトな投稿など。

4パターンそれぞれを縦に分割した時、発売前・発売時・発売後のタイミング・定着フェーズとなり、上記の5パターンずつに分けられることが多いと思います。


◎ UGCをつくる上で大切なことは3つ

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① UGCは基本的にUGCがきっかけで増える
商品をローンチして、勝手にUGCが湧き出て勝手に盛り上がってくれることはごく稀で、奇跡的なものです。そのため、画像イエローの層に属する美容オタクのレビューやトップインフルエンサー、またはギフティングやPRで最初の火種をつくることが重要だと考えています。

② レビューUGCは種類が多いが、バズる or AD拡散しないと受け身なマス層までリーチ不可
画像のブルーの層の中をパターン分けすると、パッケージについて投稿している人や組み合わせについて投稿している人、評判やコスパ検証について投稿している人など種類が多いです。にも関わらず、バズったり、ADの拡散をしないと受身なマス層までリーチができず、定着フェーズまで持っていくことはなかなかできません。

UGCは、興味を持った層しか検索できないのが大きな課題であり、感度が高く検索ワードを知っている人は問題ありませんが、三角形のピラミッドで考えた時に半分から下は、検索ワードが分からない人の方が多いです。
そのため、ADで受け身のマス層までリーチさせていくことが必要となってきます。メーカーの皆さんから、”バズらせたい”というお声をいただくのですが、なかなか難しいことなので、”バズったらラッキー”くらいの考えで、しっかり対策をすることが大切です。

③ レビュー1割・感想9割。どのフェーズにおいても美容オタク層が感想UGC形成に寄与
レビュー1割・感想9割という広がり方があるなかで、基本的にどのフェーズにおいても美容オタク層が、感想UGC形成に寄与しています。画像グリーンの層にいるミーハー層・マス層の女性は、誰かのおすすめや美容に詳しい人が絶賛しているものを欲しいと思ったり、帰りに買ってみようかなと思う傾向があり、どのフェーズにおいても美容オタクやインフルエンサーによるUGCの発生が必須になってきます。そのため、美容オタクをないがしろにすることは絶対に避けるべきです。

◎ 発売前から盛り上がりをつくることの重要性

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プロモーションを考える際に、”発売時”から考える場合が多いのではないかと思いますが、実際には”発売前に”どれくらい盛り上がりをつくれるか・どれだけ加速させられるかが大切です。UGCがあればあるほど積み上がりやすくなるので、発売前のタイミングで加速させていく必要があります。発売前に話題化していない商品を途中から上げていくのはハードルが高く、尻上がり式でUGCが加速することはかなりレアなので、初動がとても大事になってきます。

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SNS上で評判が形成されてない商品は、一般ユーザーからすると新商品と捉えられ方は同じです。そのため、新商品だからこうすべき・既存品(定番品)の場合は変えた方がいいということはありません。誰かに再注目されるきっかけさえあれば、UGCが加速する可能性があるのが、SNSのいいところです。途中からでも、注力したいタイミングでどのようなUGCを生み出すのか、そしてそれをどう拡散するのかを考えていく必要があります。

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■ ま と め

〜前段〜
UGCがユーザーにとって重要な背景としては3つ
ユーザーにとってUGCはすごく大切で、失敗を避ける・商品の評判を確かめる・人気のものから選びたい、と考えている。
購買に寄与するUGCは大きく2つ「レビュー型」と「感想型」に分けられる

① MimiTVが独自に分類した「化粧品UGC大全(全20パターン)」を解説

化粧品UGCは、4つのフェーズ(発売前・発売時・発売後・定番フェーズ)×有効なUGCが5つずつの、全20パターン

・ほぼ全てのUGCはUGCがきっかけで増える
種類は多いが、バズる or AD拡散までしないと受身のマス層までリーチは難しい。

・UGCの中身はレビュー1割・感想9割
どのフェーズにおいても美容オタク層が感想UGCの形成に寄与している。

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後編の内容は、事例を元にUGCがどのようなパターンで加速しているかを8パターン分けしたものを解説するため、商品・ブランドフェーズ・カテゴリに応じた最適なUGC戦略を学んでいただけます。そして、UGCを売上に繋げる具体的なコツもお伝えします。

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