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【MimiTV主催】Z世代の美容商材における購買行動の徹底解説!


■ note概要

本noteは、2022年9月に行ったウェビナーの書き起こし記事となります。美容商材のマーケティングに関わるメーカー、広告代理店で働く方が想定読者です。

Z世代の化粧品購買行動解説をしていきます。Z世代の定義や特徴、リアルな購買行動、実態を知ること、そしてZ世代を意識した美容商材のプロモーション戦略をお伝えしていきます。
Z世代向けの製品を開発されている方や新規顧客を獲得したいマーケターの方など、皆様興味のあるテーマかと思いますので、最後までご拝読いただけると嬉しいです。

■Z世代の美容における購買行動

「身の回りにZ世代がいないから、あまりリアルな美容購買行動が分かっていない」という方は多いと思います。

だからこそ、Z世代=TikTok・AbemaTVのプロモーションになりがちではないでしょうか。
今回は、Z世代の実態から最適なプランニングを解説していきます。

そもそもZ世代とは…

現在10代〜25歳くらいの世代と定義して解説をしていきます。

Z世代のリアルを知らないとどうなる?

例えば、
TikTokに予算を全投下したが、TikTokを見ていない人に届かない
インフルエンサーに配りまくり、一瞬盛り上がるがすぐに失速してしまう
美容クチコミサイトで1週間バナージャックしたが、そのアプリを使わない人には届かない
若年向けの動画アプリ媒体で動画ADを出稿したが、そのアプリを使わない人には届かない

①〜④のように、何かに偏ったプロモーション設計になりがちです。

若年層の新規層が獲得できないとどうなる?

現在コア層が30〜40代のため若年層の優先順位が低いと思う方が多いと思いますが、それが10年後どうなるかというと、ブランドとユーザーがそのまま歳をとっている状態になり、慌てて若年層をTikTokで取るようなその場対応的な思考でプランニングをしてしまうということが起こります。

継続成長を考えると、Z世代までカバーできる戦略を考えていく必要があります。

捉えるべきZ世代のリアルとは?

以下の4つの切り口で説明していきます。
Z世代を含むマーケ全体の投資効果の最大化に繋げていきます。

メディア接触
コスメ購入時の情報収集
情報収集のモチベーション
情報収集のタイミング

Z世代はやはりTikTokばかり見ている?とよく聞かれますが、実際はそうではありません。

以下のグラフを見ていただくと分かるのですが、どの世代もInstagram>YouTube>Twitterの、3大SNSの影響が強いです。

上記画像の一番左のグラフにある通り、そのなかでもZ世代は、SNS世代なので全体的に数値が高くなっている傾向です。動画ネイティブでもあるので、TikTokが他の年代層よりも上に上がってくる傾向もあります。

しかし、Instagramと比べると1/2以下の数値なので、他の世代と同じようにInstagram・youtube・Twitterというところからまずはカバーが必要になります。

Z世代はTikTokばかり見ていると思われがちですが、実際は”人それぞれ”という印象です。TikTokのアプリをそもそも入れていないZ世代も多いですし、アプリは入れているけれど美容商材というよりは面白い動画を見ているという方も多いです。
TikTokを見る人もいれば見ない人もいるというのがZ世代の現状です。Z世代を一括りにして考えたことが、この認識のGAPの原因になっています。

では、どう捉えていくといいのか?

「美容感度別」にターゲットを捉える視点が重要です。MimiTVでは独自のプロモーションターゲット分解をしており、美容オタク、ミーハー層、マス層と3層にわけています。

それぞれの感度別に説明をしていくと、
美容オタクは、この3つのなかで一番美容モチベーションが高く、能動的に美容情報を収集・発信する人。
ミーハー層は、美容・食・服・音楽など、様々なトレンドをチェックして理想のライフスタイルに近づきたい人。
マス層は、日常的にメイクを行いますが、こだわりが弱いので人気品や定番品を使用している人。

なぜ美容感度についてお話をしているかというと、世代ごとの違いよりも「美容感度の違い=SNSの使い方の違い」に繋がってくるからです。
美容オタク、ミーハー層、マス層、Z世代という風に分けるわけではなく、Z世代のなかにこの3層が存在するということを意識する必要があります。

美容感度ごとのメディア接触を見ていきます。
以下画像の縦軸が美容感度、横軸が年代別です。

Z世代(縦軸)を見ていただくと、やはり美容オタクからマス層に向かってだんだん全体の数値が下がっていく傾向が見られました。
それに対して、美容オタク(横軸ピンクの箇所)を見ていただくと、世代ごとに数字は少し変わってはきますが、全体的に同じようなグラフができている印象です。
つまり、美容オタク、ミーハー層、マス層というかたちで、美容感度により傾向が変わっているということが分かります。

それぞれのボリュームは、年代に関わらず美容オタク2割、ミーハー層3割、マス層5割程度です。

続いてTikTokに注目していきます。

Z世代といえば!なTikTokですが、確かに年代別に見ると、Z世代がTikTokで最も情報収集をしています。
ですが、それよりも多いのがInstagram・Twitter
です。
これは世代関係なくどの年代も同じ傾向です。
15歳の人も44歳の人も同じように歳をとっていくと思うので、この傾向はしばらく続くと予測をしています。

他の美容感度に比べると、美容オタクはTwitterの使用の割合が一番高くなる傾向があります。なぜかというと、最新・新作情報に強い、ポジティブもネガティブもリアルなクチコミが溜まりやすい、感度の高い人が元々集まる傾向にあるため、バズの起点になりやすいからです。美容オタクから話題作りをしていこうと思うと、Twitterを起点にしていくことが重要になります。

続いて、ミーハー層は、
世代共通でInstagramが好きな人たちが多く、Instagramの割合が他の年代に比べるとグンと伸びる傾向があります。

最後に、マス層は、
世代共通でこだわりがないため、情報収集が受け身になっています。

つまり、Z世代といえば○○なのではないか?の答えは、
→ 「人により異なる」

「Z世代だからTikTok脳」ではなく、
「美容感度により異なる脳」
で捉えることが重要です。

接触できるパイが大きいメディアへの投資優先度をあげる。
そして、Z世代を切り離して対策をするのではなく”Z世代まで”カバーできるマーケ戦略に移行していくことが重要です。

捉えるべきZ世代のリアルとは?

情報収集についてです。
Z世代が何を見て商品を知っているのか?

私たちの世代がよく使っている、キャンメイクやセザンヌでデータを出してみました。
やはりコスメの認知経路は、Instagram・Twitter・YouTube、そして大きく差をつけてTikTokという順番になっていました。

これはメイク商材になってくるのですが、スキンケアやヘアケアも同様の傾向でした。
デパコスのような高価格帯でも同じような傾向です。

続いては、何を参考に買い物をしているかです。

上記画像は、何を見てその商品を購入したか、購買参考メディアのグラフです。
しかし、美容オタクに注目していただくと、Twitterの割合がグンと伸びる傾向があります。

このデータからも、美容オタクはTwitterのリアルで早いクチコミが重視されているということが分かります。

もちろんTikTokの爆発力は年々上昇しています。
ですが、ベースはInstagram・Twitter・YouTubeを参考に買い物をしている状況です。

Z世代は誰の情報を見てる?

アカウントをフォローしないという、衝撃的なデータが出てきています。
そのなかでも唯一フォローしているのはインフルエンサー、美容メディア、芸能人が挙げられます。

Z世代=フォロー・検索しないのはなぜ?

各SNSがレコメンドを強化していった結果、Z世代は自分で検索・フォローしなくても欲しい情報がおすすめされるのが当たり前な生活を送っています。

また、公式アカウントよりもメディアのほうが速報性が高かったり、まとめて情報を発信していることが多い為、一度に情報収集できることからフォローされやすくなります。

Z世代にヒアリングをしたなかでも、Instagramでは発見タブの画面を見ている人が圧倒的に多かったです。
そのため、公式アカウントの強化というよりは、どんな人に発話されていて、おすすめ投稿に載っているかということが重要になります。

情報収集のモチベーション

なぜコスメ購入時にSNSの情報を集めているのかというと、自分に合うものを探したい、失敗したくない、という理由が多く出てきました。

実際に出てきた声として、自分に合うか見極めたい、無駄な買い物をしたくない、などが挙がっています。
化粧品にかけられるお金の余裕が少ないZ世代は、「より失敗したくない・安く買いたい」インサイトが強くなります。
そのため、購入の判断材料になる情報をSNS上に貯めておくことが重要になります。

情報収集のタイミング

Z世代はSNSを常に見ているという人たちなので、店頭で商品を見つけてクチコミをチェックしてくれるのではないかと思いがちですが、多くのユーザーは” 店頭に来る前 ”に欲しい商品の情報をチェックしていました。

そのため、店頭に行く前にこの商品が最近話題らしい、こういう効能があってこういう人にいいらしい、などの情報に触れるきっかけを作っておく必要があります。

調査をとったところ、店頭に行く前に買うものが決まっている人が82%という高い数値が出ていました。


▪️Z世代を意識した美容商材のプロモーション戦略

ここからは、プロモーション戦略のヒントをお伝えできればと思います。

人により見ているSNSが異なっていたり、予算の掛け方、感度別だったりで、考えないといけないポイントがあるということを事前にお伝えしてきました。
実際にZ世代に売れている事例を分析するとどうなるのでしょうか。

MimiTVとしては、以下画像にあるこの3つの変数を大事にしています。

評判の土壌を創る
評判を拡散させる
店頭の棚で目立つ
③は流通の販促領域なので今回は割愛しますが、①②のところでZ世代向けにできることは何かをお伝えしていきます。

①②の傘を因数分解すると以下画像のような形になります。

①-1、2は、発売前に美容オタクの評判獲得、網羅的なクチコミ対策
検索した際の受け皿がある状態がとても大事です。

②-1、2は評判を拡散させるところです。
自分で検索しなくても発見タブで流れてくるなど、出会う場所を作ってあげることです。なので発売時の盛り上がりだったり、発売後の継続拡散、いわゆる広告配信などで担っていくポイントです。

STEP1:Z世代×成功事例で実態を知る

Z世代にも売れているアイテムはどのように話題になって売れたのでしょうか。
まず発売前のタイミングがカギです。発売前の状態でレビューを上げるような施策をして、検索の受け皿がある状態、発話されやすい状態を作っています。
そのあと、Twitter・Instagram・TikTok、いろいろなプラットフォームの掛け合わせ、これはモノ軸とヒト軸の掛け合わせがとても大事です。

発売時・発売後は、Twitterはもちろんのこと、Instagramも含めて網羅的・継続的に話題が発生しています。

UGCの醸成や拡散する施策を意図的にしているので、SNSでは、”SNSでバズったアイテム”という語られ方、載せ方を一般生活者がしてくれているというところも特徴です。

ブランド側主体の施策で生活者に情報を提供できているか、情報を拡散できているかがキーです。
店頭にくる前に評判を知ってもらうことが重要なZ世代というところを先ほどお伝えしましたが、継続的にずっと広告配信をしていくことによって、常に評判を広げていくことが重要です。

実際のZ世代の子たちに聞いても、「そもそもお店に来る前に調べます」「欲しいものを決めます」と言っていたので、評判定着の拡散させるところに意図的に出会わせるのも非常に重要です。

発売時に話題化させるというのも、今みんなが注目している化粧品、だからこれにしようという状態を作ってあげることです。

発売後に継続拡散も大事で、マス層対策としても重要です。

STEP2:事例からプランニングポイントを知る

以下画像に並んでいるものは、Z世代を中心にPOSを動かしている製品です。

① 評判の土壌を創る・② 評判を拡げる、をさらに深掘りしたZ世代ならではのポイントです。

企業のコンテンツが主体ではなく「個人のUGC」が広がっていることがとても重要です。企業が頑張るというよりは、第三者の意見が落ちているかが大切です。

どこか一つのSNSではなく、網羅的なSNSで話題になっていることが重要です。Twitterだけ見ている、TikTokだけ見ている、Instagramだけ見ている、という人は実は全然居ません。様々なプラットフォームをいろんな風に見ています。
そのため、様々なプラットフォーム上に情報が落ちていることが大切です。

美容オタク層の評判形成により、検索時に購買の参考になるクチコミがあることが重要です。男性であったとしても化粧水を買おうとなった時に、欲しい商品のいいクチコミがない場合、他の商品にしようと思う可能性があります。
女性だから男性だから、年齢が若いから高いから、は関係ないです。購買の参考になるクチコミがあることが大切です。

店頭POSが動いている時、店頭の現場で起きていること

お店に行った時に、これにしようかなと悩むというより、SNSの複数接触によって、なんか良さそうという認知をとっていることが理想的です。
購入者は以下画像のような感情になっていると思っています。

初速を出していく、売り上げを作っていくためには、好感認知の高い人が店頭に行くことが重要です。

中位層や高い層に向けてはどういうものがいいかというと、好感認知を高める施策が必要です(深みをもたせる)。
例えばインフルエンサーのPRやギフティング、YouTuberタイアップ動画などです。

好感認知を拡げる部分は、浅い情報を広く拡げていくものです。
例えば、UGCの広告やTikTokです。
最近、好感認知の、”高める・拡げる”が混在していることが多いです。
TikTokやYouTubeは、お風呂に入りながら、メイクをしながらなど、ながら見をすることが多いので、深い情報を届けたとしても、脳内に入っていくのはすごく浅い情報です。
流行っていてみんなが使っていて、この製品いいらしい、という情報を広めていくのか、もしくは一つひとつ検索した時に深い情報が落ちていることが重要なのか、ということを分けて考える必要があります。

まとめ:店頭POSを動かすための3つの変数 × ポイント

特に大事なのは①②で、好感認知を高めるUGC施策と、好感認知を広げるUGC×SNS広告です。Z世代だからこそのポイントとして、メディアもフォローしていないインフルエンサーもフォローしていない、アカウントもフォローしていないというのも珍しいことではないです。そのため、広告配信や発見タブなどで、意図的に見せていくことがZ世代だからこそ重要なポイントです。

STEP3:よくある失敗と課題を知る

失敗と課題を知る必要があり、3つの壁があると考えています。

① とりあえずあの媒体
特定の媒体に予算が偏っていると聞くことが多いです。
3大SNSを優先的にやっていく必要がありますし、掛け算で網羅的にしていく必要があります。見ている人が多いSNSをどういう角度で調査をしてもInstagram・YouTube・Twitterが優先的です。TikTokを仕掛けることによってInstagram・Twitterが高めていけるような掛け算的な活かし方をしていきたいです。

② 発売日にドーン!
バナーやテレビCMなど、認知はされるけれどなかなか売り上げに繋がらないというお悩みは、発売前の評判形成で美容オタクのクチコミ対策を忘れている状態が多いです。

③ UGC作るだけ
PR投稿にあまり懸念がないという意見もありますが、それで発売時にインフルエンサーに配りまくることがあります。ですがすぐに失速してしまうことが多いと思います。
Z世代はPR投稿を見慣れているので、手を抜いたPR投稿や心がこもっていない本意ではない投稿はすぐに気づきます。本当に使っているの?など見透かされています。
そのため、インフルエンサーだけにすると、能動的に情報収集する層に一瞬リーチできるだけなので、様々な角度からの情報のUGCをSNS広告と一緒に忘れないようにしていきたいです。

理想的な発売前後のSNSの使い方

以下画像のピンクや水色の、コンテンツを創る・拡げるというところを様々な軸にしています。こういった階段の形式でいろいろなプラットフォームに当てていくことが重要です。
Z世代をカバーしていくためにも、水色のところがポイントになってきます。

壁のイメージ

初速が出ない、効果が継続しない、というのは、持続性か継続性どちらかに穴があることがほとんどです。UGCを作るだけ、とにかくTikTokだけ、など一斉に放出して認知がそこだけにしかいかないということも多いです。

商品カテゴリやブランドのフェーズなどによりプランニングは異なりますが、Z世代だけを切り出して慌ててTikTokをしましょう、フィルターをしましょう、ではなく、Z世代までカバーできるマーケティング投資をして全体効率を高めていくことを推奨します。


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