試合の注目ポイント

　前節が開幕戦となったノジマステラはレジーナに素晴らしい内容で勝利し、最高の状態で強豪ベレーザに挑む。ベレーザは開幕戦は新潟に勝利したものの、第２節はＷＥリーグカップ決勝に続き浦和にまたしても敗戦。悔しさを抱きながら、第３節、ノジマステラ戦を迎える。

先発選手の印象

⚽ノジマステラ神奈川相模原

ＧＫ１　久野　３１分、クロスのハイボールをしっかりとキャッチ。５９分、狙いすました植木の巧いシュートに見事に反応し弾いたが、北村に詰められ失点してしまった。

右ＳＢ（→ＣＢ）２２　伊東　０分、右からセンタリング、杉田がヘディングゴール。いきなり先制点を演出。１０分、縦パスを読み、出足早くインターセプト。１２分には迫力のあるオーバーラップランニングをみせる。４４分、木下から植木に縦の浮き球フィードが送られるが、しっかりと体を寄せ、植木得意のヘディングシュートを枠外に導く。

ＣＢ５　大賀　１７分、北村のクロスに即座に反応し、クリア。５５分、右サイドをドリブルで駆け上がる積極的なプレーをみせるが、対応される。６４分、北村のサイドをえぐるドリブルで抜かれ、後ろからファウルで止め、ＰＫを与える。９１分、最終ラインでボールを奪ってから素早く縦へフィードを送り、チャンスメイク。

ＣＢ４　畑中　３２分、ベレーザのＣＫに土方がヘディングで合わせるが、しっかりと体を寄せ、枠外に導く。３４分、ペナルティエリアのわずか外で、藤野に対しファウル（イエローカード）で止める。

左ＳＢ２　平野　１２分、藤原にピンポイントクロスでチャンスメイク。３７分、藤野にドリブル突破される。４３分、藤野にドリブル突破された笹井のカバーに入るが、センタリングを上げられ、同点弾を決められてしまう。後半４８分、ゴール前での藤野の決定的なシュートにしっかり足を出しカット。５０分、藤野にドリブル突破される。

ボランチ１９　石田千　４分、高い位置で岩清水からボールを奪うプレー、後、木村のファウルを誘いこみ、ＦＫ獲得。序盤から高いポジショニングで積極的に攻撃に関わっていた。１０分、中盤で体を張って味方につなげるプレー。３０分、最前線までチェイス。３７分、中盤でボールを奪い、杉田につなげる好プレー。

ボランチ６　松原　序盤、中盤で潰し役として何度も機能。３３分には中盤で木下からノーファウルで奪い切る。３９分、前線に正確なロングフィードを蹴るも、ベレーザDFに対応される。７５分、伊東と連携して植木からボールを奪い切る。

トップ下１０　杉田　０分、伊東のセンタリングを、ＧＫがとれないような弧を描くヘディングシュートでいきなり先制点。１３分、中盤でベレーザ３枚に囲まれる狭い局面で全員をかわす見事なテクニックを披露。１５分、中盤でベレーザのパスを読みカット、守備面でも奮闘。７１分、交代出場の松本のピンポイントクロスをヘディングシュート、枠をとらえていたが、田中の好セーブでゴールならず。７５分、低い位置から、松本にロングフィード、視野の広さと正確さを魅せる。９０分、植木からボールを奪う。その後、オーバーラップしながら攻め上がり、アーリークロスを上げるが合わず。最後まで運動量は衰えなかった。

ＦＷ２８　笹井　６分、ベレーザ宮川の縦のフィードを許さないカットで外に出し展開を断ち切る。１１分、巧くキープしていた岩﨑から見事なボール奪取。３８分、岩﨑に対してチャージでイエローカード。４３分、藤野にドリブル突破され、クロスを上げられ同点弾につながってしまう。

ＦＷ９　南野　０分、右サイドコーナー近くでキープして伊東に落とし、伊東センタリング→杉田ヘッドでいきなり先制点を演出。１２分、ゴール前で落ち着いてリフティングからのシュート、冷静さをみせるがDFに防御されゴールならず。５８分、中盤まで落ちてきてボールを受けるプレーでファウルを誘い、ＦＫ獲得。

ＦＷ２７　藤原　９分、右サイド寄りの低い位置でボールを受け、ワンフェイク入れて逆サイドに展開、巧さをみせる。１２分、平野のクロスをヘディングで南野に落としチャンスメイク。

⚽日テレ・東京ヴェルディベレーザ

ＧＫ１　田中　失点してしまったが、杉田の弧を描く技ありヘディングシュートそのものはＧＫとして止めようがなかった。課題を見出すならば、シュート前のセンタリングの時点や、ヘディングシュートを放つ杉田への寄せ方・ポジショニングの部分にさかのぼった方がよいだろう。７１分、好調の杉田が枠をとらえるヘディングシュートを放つも、即座に反応しビッグセーブ。

右ＳＢ（→終盤で左ＳＢ）６　宮川　前半、アグレッシブで豊富な運動量の笹井・平野に手こずった。

ＣＢ３　村松　１２分、藤原が落とし、南野がリフティングしてからシュートする冷静なプレーに、しっかりと体を寄せ、ゴールに届かせなかった。縦パスを積極的に入れるプレーが目立つ。３１分、木下への縦パスが通る。７７分、縦のフィードが藤野に通りチャンスメイク。８７分、縦パスを入れて攻撃リズムを作り出す。

ＣＢ３３　岩清水　４分、石田千にボールを奪われる。後半４６分、右サイド宮川へ大きく展開するパスを供給。

左ＳＢ１３　木村　ＣＫのキッカーをつとめた。同サイドの北村との連携プレーをそつなくこなした。

アンカー２０　木下　前半、植木に決定的なパスを供給するなどしたが、ノジマも体を張って応戦した。後半４７ー４８分、中盤でパスを受け、そこから持ち上がって、藤野に決定的なスルーパス。５９分、低い位置で巧くかわすプレーから、周囲をしっかり観察しながら中盤からドリブルで駆け上がり、植木に絶妙なスルーパス、追加ゴールの起点となる最も重要なプレーをした。７３分にも、宮川にここしかないという、絶妙なスルーパスを通す。８０分、低い位置でダブルタッチでかわすプレー。終盤ではＣＫのキッカーをつとめた。８７分、中盤で奪われないドリブル。９３分にも全速力でボールを追いかけるプレー。最後までプレーの質が落ちなかった。

ボランチ（→アンカー）１８　岩﨑　途中からアンカーポジションになり、何度も中盤で中継。５６分、中盤でいち早く反応しボールを拾い、再度ボールを受けて左サイドの北村に展開、中盤で重要な役割を果たし続ける。試合を通して、よく顔出しし、シンプルに中継してリズムを作り出していた。

右ＭＦ１１　藤野　２９分、ミドルシュートを放つが、久野にセーブされる。３７分、マッチアップする平野を突破するドリブル。４３分、笹井をドリブル突破し、センタリングを上げ、同点弾を演出。５０分、右サイドをドリブル突破し決定的なグランダーのクロスを上げるが大賀にクリアされる。７１分、中盤の低い位置で体を入れて奪われない巧さをみせつける。

左ＭＦ１４　北村　前半、同サイドバックの木村との連携をそつなくこなした。５９分、木下→植木の素晴らしい展開シュートを、久野が弾いたところを、しっかりと詰めて追加ゴール！６４分、サイドをえぐるプレーで大賀のファウルを誘い、ＰＫ獲得。

ＦＷ９　植木　９ー１０分、縦のボールをワンタッチで前を向かせるパス、一瞬だったが、しっかりとチャンスメイク。５９分、絶妙なスピード・タイミング・正確性の木下のスルーパスを、コースを狙いすましてシュートを放つが、久野に弾かれる。しかし、北村がこぼれ球を詰め、追加点。６５分、北村が獲得したＰＫを、迷いなくズバっと決める。６９分、疲労度が高まる時間帯で、しっかり走って簡単にタッチラインを出さずに追いつくプレーをした後に、相手をかわして決定的なチャンスメイク。８３分、右サイドからセンタリングでチャンスメイク。

ＦＷ１５　土方　序盤、低い位置まで降りてきてボールに関わろうとするプレーが目立つ。１５分にも、低い位置でボールを受け、右サイドに展開するプレー。３１分、シュートを放つがＤＦに当たる。３２分、木村のＣＫにヘディングで合わせるが、枠外。４３分、右サイドを藤野がドリブル突破してセンタリングを上げ、しっかりとヘッドで合わせて同点弾。７０分、左サイドの植木の頑張りからのパスを受けて反転してシュートを放ったが枠外。７３分、シュートを放つがＤＦにブロックされる。

交代選手の印象

⚽ノジマステラ神奈川相模原

前半４６分　右ＳＢ３　石田み（out畑中）　後半４６分、ベレーザの縦フィードに先に触り、味方につなげる。５６分、右サイドでの素晴らしいボールの持ち運びからチャンスメイク。

後半４６分　ＦＷ２０　松本（out笹井）　後半４６分、ボールを奪うものの、外に出す。５１分、走って中盤のこぼれ球を奪い切って遠目からシュートするが枠外。７１分、杉田にピンポイントクロスを上げ決定的な場面を演出。

７８分　ＦＷ２３　浜田（out松原）　７８ー７９分、前線から積極的にチェイス。７９分、チェイスが実り、前線で奪うが、守り切られる。８９分、良い形で前線でボールを受けるが、坂部に見事に対応される。

⚽日テレ・東京ヴェルディベレーザ

６３分　左ＳＢ（→終盤でトップ下）３０　宇津木（out木村）　７１分、松本とマッチアップし、正確なクロスをあげられてしまう。しかし、７５分は、その松本から一度は抜かれるも、後ろからノーファウルでボールを奪いきり、プライドを魅せる。７６分、タッチライン際の攻防で頑張って縦にフィード、植木へ、相手のファウルを誘い、ＦＫ獲得。終盤でトップ下にポジションをうつし、８４分、左サイドからセンタリングをあげ、ＣＫ獲得。途中出場ながら、攻守に渡り、積極的なプレーで勝利に貢献。

７５分　ＣＢ４　西川（out岩清水）　８７分、最終ラインでかわしてパス。８８分、最終ラインで前線からのノジマの激しいプレッシャーがある中で奪われず、最終的にファウルを誘いこむ。

８１分　右ＳＢ２２　坂部（out土方）　８６分、オーバーラップで駆け上がり、着実にパスをつなぐプレー。８８分、縦パスを通し、チャンスメイク。途中出場ながら、安定感あるプレーでゲームを落ち着かせることに貢献した。８９分、浜田にビッグチャンスが訪れそうな場面でも落ち着いて対応し、ボールを奪った。

まとめ

　序盤は前節に続き、素晴らしい試合の入り方でノジマステラが早々に先制し、しばらくは優勢に試合を進めていたが、藤野の突破を２枚がかりでも止められずに同点にされてからは、ベレーザの強さが徐々に発揮される展開に。後半は、中盤で木下が巧みなボールコントロールで攻撃のリズムを生み出し、圧巻の攻め上がりで２点目につながる重要なプレーを展開した。２点目でしっかり詰めた北村は、３点目ではＰＫ獲得のきっかけとなる左サイドをえぐるプレーで大賀のファウルを誘いこんだ。終わってみれば１－３でベレーザが貫録ある勝利。ノジマも最後までノジマらしいわくわくさせるサッカーを魅せたし、特に杉田の攻守に渡る神出鬼没のプレーは大きな輝きを放つ場面が多くあった。結果を知りながらアーカイブで観戦したのだが、ライブで観たかったと思える非常に面白い試合だった。