見出し画像

ワイルドスケープの庭

課題も忙しいですが、とにかく毎朝2,3時間は庭に出て
手入れ、手入れ、手入れ、、、💗

ボランティアで行っているパン屋さんの植え込みの手入れをしながら
「手入れ」ってこういうことなんだな、と思いました。
一生懸命、手を入れるってことです。
当たり前に思われるでしょうが、改めて実感しました。

アタマで分かっているのと、やって実感して得心するのは、全く違う感覚だと思います。
別に、「手入れ」をしている、という感覚でもなく、毎日毎日、庭の草花や木々の芽吹きの様子を眺め、雑草を抜くか抜かぬか悩みつつ、人の居心地の良さを自然環境の循環の中に入れてもらう工夫を考えながらやっていると、
「手入れ」という言葉が浮かんでくるのです。

自然の循環も、毎日手入れをしていると、すごくわかりやすく見えてきます。
今、うちの庭は、カラスノエンドウ、スズメノエンドウ、オオイヌノフグリが旺盛の育っています。その下にはタンポポ、そろそろハルジオンが花を上げ始めました。

こんなに立ち上がります(笑)

私が植えたお花たちも、カラスノエンドウたちに巻き込まれて、アップアップしていて、下手すると、一緒に抜いてしまう(何度もやってます💦)ので、植えた花は優先。その周りは丁寧に、雑草たちに少し遠慮してもらいます。

でも、カラスノエンドウの花に実がなっているかのように、びっしりとアブラムシが付いていて、その横ではテントウムシがいて、お食事中。
こうして、カラスノエンドウがいることで他の花にアブラムシが行かないようにしてくれているし、テントウムシもやって来る。

アブラムシいっぱい食べてね

雑草は、とにかく嫌がって抜かれてしまいがちです。
私の庭の師匠は、日本庭園のプロなので、私の庭をなかなか理解してもらえませんが、いつか見てて☆って感じです。

スギナも、ヨモギも、ドクダミも旺盛です。今年はツクシもたくさん見ました。私は自分で見ながら抜いたり、切ったり、残したりしています。
そんなこと、できない、暇がない、という声も聞こえてきそうですが、私は好きなのでそうしています。

ランドスケープデザイン学科というところで学んでいるのですが、テキストに、ナチュラリスティックガーデンのほかに、最近、「ワイルドスケープ」という言葉があることを知りました。

まあ、うちの庭みたいな場所のことかな。(笑)

フランスの庭師ジル・クレマンさんは、人の手が入っていない場所、放置された庭や畑、高速道路沿いの隙間などを「第三の庭」と呼んで、そういう場所こそが自然が生き残っている大切な場所だとされています。

最近は、整然と整った庭を良しとして、雑草を抜き、落ち葉を落としておかない状態よりも、「自然風」の少し雑然としている感じをナチュラリスティックガーデンと言って、自然と言うのはそもそも整然として育つものではないので、「自然」を「自然に見せる」という手法が主流になりつつあります。

では、どうすれば、雑草がうまく庭の「心地よい風景」の中になじんでくれるのか?というところが、私の庭のテーマです。ずっとそのことを考えています。

ジル・クレマンさんは、「できるだけ合わせて、なるべく逆らわない」のが「動いている庭」における庭師の心得だ、と言われています。
さらに「美しさは二の次。まずは命を守る事」と言われています。

植物は、庭の中で動いています。鳥が運んできて翌春芽を出す新参者もいれば、木を刈ったことで日が当たるようになった地面から待ってましたと顔を出すいつか見たことのある植物、去年と全く違う場所で広がっている植物、
邪魔な場所に生えてくる植物もいます。
ジルさんは、「通り道に生えたからといって抜かねばならぬものだろうか。好きな植物ならこのままにしても良いのではないか」と、それをよけて通るように自分の通り道を変えたそうです。

「庭師の役目は、自然の動きについていくこと、つまり各種の植物が庭の中を移動するのに付き合うということです。」と本に書かれています。

「動いている庭」という本があるのですが、高くて分厚くて手が届かず、こちらの本を買いました。自主上映も庭でやろうかと考えたのですが、栄華より、ジルさん来日時の上映会+講演会の内容の書きおこしのこの本がとても読みやすくて良かったです。線を引きまくりました(笑)

こちらも自主上映映画「杜人」の主人公、大地の再生士と呼ばれる庭師の
矢野さんも、「救える命は救う」と、日本中を駆け巡っておられます。スコップひとつで一万メートル上空までの空気を動かすことができる。空気が動けば、水も動く、すべては循環、と言われていました。

お二人に共通しているのは、「美しさ」よりまず「命」ということ。

ジルさんは、植物の動きを優先するがあまり、公園などでは、訪れた人が落ち着かない気持ちにならないように、敢えて境界線を作ることにしているそう。

私の庭では、「命」を優先しつつ、境界線を考え抜いて、美しさと居心地の良さを考えていきたいと願っている。

そしてそんな庭が、手間を面倒に感じずに管理できる方法も考えたい。
雑草が不要なもの、落ち葉はゴミ、という概念も変えていきたいな。

かつては、コンクリートの擁壁での河川の保全を図ったりしていて、それらをグレーインフラというのに対し、今後の主流はグリーンインフラ中心になって行くようです。景観の問題だけではなく、災害をシャットアウトするグレーインフラの考え方から、災害を受け止め受け流す知恵が必要ということです。

学んだことを生かしながら、実践していきたいです。




この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?