探しもの 【 詩 】
見えない双眼鏡を目にあてて
まず近くから
そして少しずつ遠くに
焦点をずらして探しものをしている
探しているのは白い服を着た私
かろやかな白いワンピースを着た私
おしゃれな服を着た幸せそうな私
そんな私は探してもいないこと
過去のどこにもいないこと
分かっているのにもしかして、
と思って双眼鏡で遠くまで
眺めつづけている
そんな双眼鏡は捨ててしまいなよ。
白い小鳥たちがそう言って
双眼鏡を運び去ってしまうまで
覗き続けている
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