見出し画像

春と風紋と短い髪【詩】

春と風紋と乱れる短い髪

人がうらやましくて涙がでて

そっと目を閉じれば

だれもいない海で

春の荒々しい風に吹かれている私

砂丘には美しい風紋

私の髪は乱れるだけ

短くて、ただ乱れるだけ

潮と砂と春が絡みつく

春と風紋と短い髪

身体じゅうをぴしぴしと打ち続ける

風に飛ばされた砂たちは

やがて落ちて秩序を持ち、風紋となる

そして風がやみ

私は目を開く



*stand.fmで朗読しました


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?