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好かれることが苦手な私

いつも一人でいるし
だれに聞かれても「友達は少ない」と答える
聞かれなくても「友達ほとんどいない」と説明してしまう
数えてみたけどほんとうに少ししかいないのだ。
長い間もうずっとそんな暮らしをしていたので
好かれることに慣れていなくて
野良猫にさえ、私を好きにならないで、と思う。
一度だけ、私のことを大好きになってくれた白猫とずっと一緒にいたいと思ったけれど、いなくなってしまった
私のことを嫌いになったんじゃないと分かっている
でもなんらかの止むを得ない事情で白猫は消えてしまった
彼女が帰ってくる夢をみつづけた
一年も二年もみつづけた
でももうそんな夢もみない。

去年あたらしい友達がたくさんできた、気がした。
相手に「私、あなたの友達?」と確認しないと
勝手に「友達」と口にも文字にも出せない私なので、気がしただけなのだ。
でも会いに来てくれて、みんなに好かれているよ、自信を持ってと言ってくれる人は
そんな確認をしなくても友達だ
それは信じられる。
ありがとう、と言って、でも自信なんて持てないよ、と思いながら、
それでも嬉しいので心が雲のように軽くなって
光がいっぱいの空までのぼっていってすやすやと昼寝する。
空が菫色になって降りてくるころには、好かれることに慣れているといいけれど
そんな簡単に慣れないので夜になり、
いつものように一人でふらふらと公園を歩き
藤の花に誘われてどこかにすいこまれそうになってしまう。
好かれることが苦手なのだな、私は、と思う。

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