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「内定獲得」や「入社」をゴールにしたのは誰なんだろう

土日まで就活のこと考えるのやめたいなぁと思いつつ、土日こそ就活のことを考えなきゃだなぁと思いつつ、書いている。

就活をしていると、「ずっと憧れていた会社に入社すること」、「行きたかった会社から内定をもらうこと」、「1つでもランクが上の会社から内定をもらい認められること」をゴールにしていく人が少なくないように感じている。

入社後活躍がゴールではなくて、入社がゴール。これが良いとかダメとかではないけれど、入社がゴールの就職活動って、なんか良いイメージが湧いてこないと個人的には思っている。

大学受験、というか高校時代の勉強は大学がゴールなんていうパターンが多いだろう。これも結局どうなんだろうね、受験のためだけに勉強しても、その後の大学生活の学びは有意義なものになるのだろうか?でも1つでも上のランクの大学に入ることが大切なのも事実だよね。就活に学歴フィルターが完全になくなる可能性は、0に近いと思っているので。

私は何をゴールに?目標に?据えて就職活動をしているのだろう。でもやっぱり私自身も「内定」をゴールにしてしまっているような気がする。

時代の流れの変化が早すぎて、どんどん不安を煽ってくる。正直大学生活の半分くらいを就活に捧げるなんておかしな話だとも思う。勉強やら他のことやら、経験値を増やすために入学したのに。ESに面接に.....それに時間をかけているのは、どうなのだろう。

でも就活のトレンドは「とにかく早期に動き出して、早期に内定を1つくらいもらっておくこと」、「オンラインでとにかくエントリーというもののハードルが下がったこと(1人あたりエントリー数が増えたこと)」、「内定を1つでも多くもらっておいてからどこに入社するか悩む(内定保留の状態も)こと」のようだ。

だから内定とらなきゃ内定とらなきゃ.....どこにも受からなかったらどうしよう.....とただ不安だけに煽られて、どんどん「内定」、「入社」がゴールになっていく。


面接では過去や現在の自分だけではなくて、未来の自分について語る場面もあるだろう。この会社でどう活躍したい?どんなふうに働きたい?どんな挑戦をしてみたい?どんな場面で自分の強みが活かせると思う?とか。

これに対して適切な、面接官を納得させられるだけの解答をするには結局「入社後活躍している自分」を想像することが必要なのだ。その会社について知っている情報を少しでも増やして、自分が活躍しているイメージをしっかりと思っていかなければいけないのだ。

若者は今の就職活動を、「内定獲得後、入社して活躍している自分」をどの程度想像して行なっているのだろうか。そこを見据えて、「内定をもらうこと」を目的としていない人はどのくらいいるのだろうか。

内定獲得は目的ではなくて、入社後活躍の手段というか絶対条件だったはずなのに。ゴールが手前すぎて、どんどん就職活動が楽しく無くなるような。お祈りメールしかもらえない自分をどんどん否定したくなるような。



じゃあ結局、"「内定獲得」をゴールにしていく流れ"を作っているのは誰なんだろうね。
学生の雰囲気が作ったのだろうか。
「友達が自己分析始めたから自分も何かしら就活しなきゃ」、「ツイッターで#23卒のハッシュタグが増えてきたなぁ、そろそろ自分も動き出さないとまずい」みたいな。SNSを見ることにより焦るのだろうか。
「内定獲得のツイート増えてきた、内定0は自分だけかも」、「持ち駒もうなくなったんだけど、、」。22卒オープンチャットにいる学生のトークを見ていると、こっちまで憂鬱な気分になるときがある。

でも私はこれも思う。
「もしかしてこの流れ、企業側が作ったってこともあるんじゃないの?」と。
企業が早く募集を始めるから、学生が焦らされるとも言える。
企業が選考には関係ないよと言ってインターンを開催するのに結局彼らには早期選考の案内が来る、つまり結局選考に関係がある。
企業がスカウトアプリで無差別大量スカウトを送るから、送らない人は焦らされる。学歴のせいにして良いのか分からなくなる。
企業が落ちた理由を明確にしてくれないから、落ちるたびに自分が否定されたような感覚になってどんどん気持ちが落ちていく。



どっちのせいなんだろうね。ただただ「内定獲得」に焦らされる状況を生んだのは、どっちなんだろうね。

きっと答えは「相互作用」が働いていて....ってことで、別に学生も企業も悪ではないっていうのは分かっているんだけれど。

1年生がもう就活を考えているのを見ると、なんだかおかしいなぁと思ってしまう。新卒一括採用に向けて、勉強しに来たはずの大学で就職活動をしている。

こんなに時間をかけたのに.....納得内定が得られなかった。
結局自分が本当に行きたい会社はどこなのか、分からなくなってしまった。
長期間の就職活動の中で得られたものは内定だけで、今後に生きるような学びがなかった。
内定をもらえたのは良いけれど、春からずっとこの会社で自分が働いていくことがイメージできない。

そんな状況に陥ってしまったら、元も子もない。
なんとなくの気持ちで長時間を就活に注いでも、それ相応の成果が得られるとは限らない。テストで落とされて落ち込むかもしれないし。面接官の言葉が痛いくらい刺さることもあるかもしれないし。

「内定獲得」をゴールにするのは、苦しい。
その先の自分が想像できなければ、「就活をする意味」を、本当の意味で見いだすことができないのではないかと思っている。



と、これを書いていたらモチベーションがとことん下がってきた。
結局こんな時は自己分析をして自分がどうありたいか、そのためにはどう働きたいかを考えていかなければダメなんだろうね。

自己分析を就活の手段にするのだけは絶対ダメだと思っている。「自分自身と向き合う活動」は、就活のためではなくて、自分と正面から向き合って日々を過ごしていくためにあるんだよ、と、

自己分析が嫌になっている全就活生に叫びたい。




終わりにします。