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マイカーを手放した

21年前、妻が妊娠した。
今後使うことになりそうなので、車を買った。
で、今日、その車を手放すことになり、今ディーラーに車を届けている。

がらんとした車内でひとりで運転していたら、柄にもなくいろんなことを思い出したので、記録しておく。


最初に思い出したのは、長男が生まれる日の朝のこと。

明け方に妻が破水し、病院に向かって走っていた。ちょうど夜が明ける時間だった。
橋を渡って河川敷の道に差しかかったときの空の色。


次に思い出したのは、ファミレスの駐車場。

雨の日、(ご遠慮ください、と言われ続けていた)車で保育園のお迎えに行き、そのまま外食カードを切ろうと車を走らせていたら、後部座席で兄弟がけんかを始めた。
おとなしくしてないと連れて行かないよ、というと、二人して激しく泣き始めた。
駐車場についてもいっこうに泣き止まない。
次第に窓が曇って外が見えなくなる。
じゃあお店行こうか、とぼくが根負けすると、とたんに二人して泣き止んだ。
兄弟でしめし合わせていたんだ。


ほかにもいろいろ思い出したけど、
たいがい、大変だったことばっかりとひもづいてしまう。


いろんなところに行ったはずなんだけど、自分は運転ばかりしていたのもあってか、車の中でこんなことがあった、というのはそんなにでてこない。


ぼくが子どもを育てるようになって20年経って、今はあの時よりも、楽しい思い出をたくさん覚えていられる社会に少しはなったんだろうか。



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