見出し画像

自殺者の多さについて


警察官になると、この世の中はこんなにも自殺が多いのだという事実を突きつけられます。

病院以外で人が亡くなると、事件性を視野に警察官が現場検証をしなければいけない法律(警察等が取り扱う死体の死因または身元の調査等に関する法律)があるのです。

救急隊等が駆けつけ、心肺停止を確認したところで警察へ通報が来るよう連携されています。
これは「変死」というのですが、勤務していれば避けては通れない事案でしょう。


死因が老衰で、布団で安らかに眠っている方を見ると、良い死に方だったな、と穏やかになれます。
しかし逆に、自殺で家族が愕然としている中での現場検証は、こちらもとても心が痛く、感情を無にしながらでないと出来ない仕事です。
遺族などの身近な方からの事情聴取もするので、色んな配慮も怠ってはいけないですからね。

自殺は社会問題ともなっていますが、現場を見てきた私としては、国が本気でどうにかしようという動きは感じられません。
キャンペーンなんてただの見せかけ。
今にも死にたい人が、自殺防止ダイヤルに電話をかけようなんて閃すはずがないでしょう。


問題はもっともっと複雑です。
極端な話、歴史をきちんと勉強し、時系列も含めて俯瞰的に見なければ、現状の深刻さもわからないと思います。
それも、教科書に載っているようなものをなぞっていたのでは、ずっと解決できないと思います。

自殺後が警察の仕事ともなりますが、その前に通報があり、何度か止めに行ったこともあります。
「死にたい」と言った人に対して、その場限りの対処でしか関われませんが、命の重さを現場で何度も見ている分、その命を救うために精一杯対応してくるのです。

日本は特に若者の自殺率が多い国ですね。
最近の若者は根性なしだからだ、などという変な理屈は問題を直視していない方の発言です。
最近の若者は優しいですよ。
優しくて、なるべく人と争わないように生きています。
非行少年でさえ、仲間を庇う優しい子が多かったです。
こういう子は、感情を外へと発散させて、大人から目立つ行動ができるだけまだマシなのかもしれません。
今は小さいうちからスマホを渡され、犯罪者などがウヨウヨいるネット社会に放り出されている子が多く感じます。
内に籠もる子は、こういう世界に引きずり込まれてしまいそうで心配です。

私が扱った自殺のほとんどは、精神病が原因として処理されていました。
現場検証をすると、当人が使用していたと思われる精神薬がたくさん出てくるのです。
世の中、この精神病の予防こそが自殺を減らすために必要なことなのでは、と私は考えています。

某医薬品大国は、日本向けにうつ病の薬を開発しているとか…。
そしてたくさん儲けているようですよ。
何が精神病の原因なのでしょうね?

…今日はこの辺にしておきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?