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レバノン 太古のロマン | ミュージック・ジャーニーvol.66

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、地中海に面した中東の国レバノン共和国へ、駐日レバノン共和国大使館の皆様とともにご案内いたします。

レバノンの旅のしおり
・首都ベイルートの国立博物館に行こう
・世界遺産「バールベック遺跡」を見に行こう
・“美食の国”レバノンの名物料理を食べてみよう
・ベイルートの音楽シーンに触れよう

温暖で過ごしやすい首都 ベイルート

首都のベイルートは人口の多くが集まる文化・商業の中心地です。「中近東のあらゆる民族と宗教を収めた博物館」と称されるほど、文化的に多様な都市でもあります。

ベイルートには、国内最大の考古学博物館である「ベイルート国立博物館」があります。現存する最古のフェニキア文字の碑文が刻まれたアヒラム王の石棺など、貴重な出土品が1,300点以上出展されています。

また、多数の大規模ショッピングモールや市場、小売店が集まる商業の中心地でもあります。高級ホテルやオシャレな飲食店、娯楽施設なども多く、レバノン滞在時には便利な拠点になるでしょう。

ベイルート近郊エリア

ベイルート近郊にも、絶景が見られるジェイタ鍾乳洞、ミュージカルやダンスショーが行われるカジノ・ドュ・リバン、美しい海岸と街並みを一望できるハリッサの丘のマリア像など、魅力的な見どころが多数あります。

カジノ・ドュ・リバン

5つの世界遺産

長い歴史を持つレバノンには、5つの世界遺産があり、1度の旅ですべてを見て回ることもできます。

アンジャル遺跡

・ベカー高原にある城塞都市遺跡
・8世紀に建てられたウマイヤ朝の遺跡

テイルス遺跡

・地中海に面する都市遺跡
・紀元前11世紀に建てられたフェニキア人の遺跡

バールベック遺跡

・ベカー高原中央に位置するローマ時代の遺跡
・中東3大遺跡の1つ

ビブロス遺跡

・フェニキア人発祥の地とされる都市遺跡
・十字軍の砦などのさまざまな時代の遺構が残る

カディーシャ渓谷と神の杉の森

・レバノン山脈に位置する渓谷と杉の森
・レバノン杉はフェニキア繁栄の源となった

中東3大遺跡の1つである「バールベック遺跡」は、レバノン観光最大の見どころとされており、音楽フェスティバルやオーケストラ公演なども開催されるめずらしい世界遺産としても知られています。

中東随一の“美食の国” レバノンの食文化

多様な文化を受け入れたレバノンは、中東でも屈指のグルメの国です。各地のレストランでは世界各国の料理も楽しめますが、レバノン独自の料理に触れるのも旅の醍醐味です。

バリエーション豊富なメッゼ

レバノン料理の特徴は、なんと言っても「メッゼ」と呼ばれるバリエーション豊富な前菜です。代表的なものには、ヒヨコ豆のペーストを香辛料やレモン汁などと合わせて食べる「ホムス」、ヒヨコ豆をコロッケにして食べる「ファラフェル」、焼きナスを香ばしいペーストにした「ババガヌーシュ」があります。

フェニキア時代から愛され続けるワイン

ワインには数千年にもわたる古い歴史がありますが、醸造技術を地中海沿岸に広めたのはフェニキア人とされています。レバノンのベカー高原は、ワインの産地として理想的な環境を備えています。

世界的に高い評価を受け続ける「シャトー・ミュザール」や、1857年設立の長い歴史を持つ「シャトー・クサラ」など、名門ワイナリーが点在する“ワインの聖地”です。

レバノンの音楽文化

シルクロードを通じて伝わった伝統楽器

代表的な伝統楽器としては、弦楽器「ウード」や木管楽器「ミジュウィズ」、1弦の弓奏楽器「ラバーバ」などがあげられます。いずれも中東諸国で古くから用いられてきた楽器であり、独特の音色を持つのが魅力です。

ここで、民音が2002年に招聘した「ファード・アブダラ・レバノン芸術団」の公演から、伝統楽器を用いた楽曲をお聴きください。

「ガード・ヤ・ブルブル」

伝統舞踊「ダブカ」

ダブカとは、アラブ地域に古くから伝わっている伝統舞踊です。シリア語で「足を踏み鳴らす」という意味があり、戸外で隊列をつくって腕を組んだり手を繋いだりしながら、軽快なステップに合わせて歌い踊るのが基本のスタイルです。

ここでは、再び「ファード・アブダラ・レバノン芸術団」の公演から、特徴的なダブカの舞踊をご覧いただきます。

「マーニ~エリ・シュウエリ」

クラブカルチャーが根付く現代音楽

首都のベイルートでは、1990年代頃からエレクトロニック・ミュージックを中心としたディスコカルチャーが根付いていました。それ以来、ベイルートは長きにわたってアラブ地域のクラブシーンをリードする都市として存在してきました。

近年のベイルートでは、モダンなエレクトロニック・ミュージックに、アラブの独特なリズムや楽器のエッセンスを織り混ぜる新進気鋭のアーティストも頭角を現すようにもなっています。

レバノン大使館推薦の音楽家

最後に、駐日レバノン共和国大使館が推薦する4組の音楽家の演奏をお楽しみください。

  1. Kifak Inta

Fairuz(ファイルーズ)
1934年11月21日生まれのレバノンの歌手。アラブ世界の主要なボーカリストであり、もっとも有名な歌手の 1 人。レバノンの音楽的アイコンと見なされており、「レバノンの魂」として広く知られている。10 代の頃から音楽のキャリアを始め、そのキャリアを通じて数々の表彰と賞を受賞。1500 曲近くの楽曲を作り、80 枚以上のアルバムをリリースする。また、複数のミュージカルに出演し、世界中で 1 億 5,000 万枚以上のレコードを販売。史上もっとも売れた中東のアーティストの 1 人であり、今なおもっとも売れている音楽アーティストの 1 人でもある。何年にもわたり、世界の主要な会場でヘッドライナーを務める。

2.1979 صباح - زي العسل : الكويت

Sabah(サバハ
レバノンの歌手・女優であり、多くのエジプトの映画や歌に参加。幼い頃から歌い始め、13 歳で最初の曲をリリース。3,500 曲以上のレパートリーを持っていたと報告されており、生涯で50 枚以上のアルバムリリース、98 本の映画出演、20 本以上の舞台劇出演を果たす。多数の記録を破り、さまざまな国際的なエリート会場やオペラハウスで演奏する。数多くのインタビューと伝記が彼女の歌姫としての遺産を記録しており、真の優しさ、誠実さ、寛大さに敬意を表している。

Mili Ya Helwi Mili

Majida El Roumi(マージダ・エル・ルーミー)
1956 年 12 月 13 日生まれのレバノンのソプラノ歌手であり、国連親善大使。 父親が多くの歌手と仕事をしていたことから、生家には多くの文化人が訪れていた。キャリアのスタートは早く、わずか 16 歳のときにショーで最高の女性歌手として金メダルを獲得したことから始まる。1977 年に最初のソロアルバムがリリースされた後、世界中でコンサートを行い、国際的に重要な会場でも演奏する。美しい歌声だけでなく、人権活動家としての活動でも知られ、世界的にも広く尊敬を集めている。

4.Dar Ya Dar

Wadih El Safi(ワディ・エル・サフィ)
レバノンの歌手、作曲家。 レバノンのアイコンであり、同国における音楽文化の祖先とされる。16歳で芸術への旅を始めて以来、歌手としてのキャリアを75年続けたプロダクションでもっとも息の長い歌手。 生涯を通じて5000 曲以上を歌い、その時代のすべての歌唱スタイルと音楽の頂点を具現化して引き上げ、既存の音楽文化に複雑かつ新しいスタイルとジャンルを追加したことで知られる。多数の有名なレバノンのミュージシャンと共演し、レコーディングを行う。

皆さん、レバノンへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力、写真提供:駐日レバノン共和国大使館

Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-


ご案内

この記事は英文での提供もしています。
https://www.min-on.org/14390/min-on-music-journey-no-66-lebanon/

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