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キベラスラムで過ごした日々


スラムでボランティアすることになったきっかけ

大学でスラムでの住民運動やインフォーマルセクターの動きを学び、ペーパーで学んだことをもとに自分も現場でのフィールドに入ってみてみたい、感じてみたいと考えたから。
私はキベラスラムの現地NGOに行く前日に連絡をとり、ボランティアを受け入れてくれるとのことだったので、そちらに滞在することになりました。
私がお世話になったNGOはこちらの団体です。
Saidika Organizaition

今回はアフリカで1位、2位を争うほど最大級と呼ばれる「キベラスラム」で一人で出向き、どんなことをしたのか、何を感じ学んだのかについて書いていこうと思います。

自分がみてきたこと



①気候変動


政府の気候変動対策から、スラムは排除されているため、気候変動に対する
適応策が十分に施されていない。
事実、ゲリラ豪雨などで引き起こされた洪水で スラムでたくさんの方が亡くなっている。

雨で家の一部が流された

② ごみ問題

自分たちでスラムのなかにゴミ集積場をつくっているが、ちゃんと処理はされないため、身体にかなり有害であると感じた。
自然発火、異臭、大気汚染が混在していた。

ゴミ
ゴミ
ゴミ

③教育の質

ケニアでは政府が運営するパブリックスクールとプライベートスクールが存在している。プライベートは政府からの支援がほとんど降りない。実際にスラムで働いていた先生は全員ボランティアだった。
*写真左から2番目の男性→大学を卒業して先生になる資格を保持しているのにも
関わらず、パブリックの学校の先生に応募して返答がないまま7年経過
パブリックスクールでは先生一人に対して100人の生徒がいる状況。給食もでない。

ボランティアの先生方



④ コミュニティ全体で運動をつくることの困難

スラムはいろんな地方から来た人々が住んでいる
部族社会が発達したケニアではなおさら、部族によって言葉も文化も食文化も異なる→文化的モザイク
また日中働きにスラムからはでているわけだから、コミュニティとしての意志疎通をとり、運動をつくっていくことはかなり難しい。


⑤ 女性の貧困

女性の早期妊娠による貧困が議題に上がっていた。
10代で妊娠→学校中退→給料がちゃんとでる職につくことは難しい
→子供も貧困に→十分な生理用品が買えない、十分な性教育のなさ(男性へも)→10代で妊娠
この悪循環が繰り返される。→貧困のサイクル

生理用品を配給する活動


⑥ こどもの栄養不足

このプライベートスクールでは
朝 porridge(海外NGOの支援でまかなっている)
昼 ウガリ(ケニアでよく常食とされるとうもろこしを練ったもの)または米と安価な野菜(キャベツとかスクマウィキとよばれる葉っぱ)の スープ
スラムではこどもたちはなかなか家で栄養のある食べ物はたべることはできないため、学校で供給される食べ物が大きな栄養源。
実際小学3年生くらいの女の子がウガリを3回以上をおかわりしていたところを見た。かなりの量。
しかしこのプライベートスクールも資金面でかなり苦しいため、栄養のある食事を提供することは難しい。
野菜や、果物など都市であるからこそ、物価が高くなる。しかし収入は低いままなので生活は苦しい。→健康的な食品にアクセスすることはできない。

スクマウィキという安価な緑野菜とウガリ




光 スラムのなかの取り組み

①コンポスト トイレ


トイレにするということがなく、衛生環境がよくなかった
海外のNGOからの支援により、コンポストトイレがいろんなところに存在している現状。
コンポストは、スラムにガーデン(自分たちで野菜を作っている)があるためそこの肥料として使い、循環していくのだそう

コンポストトイレ

② 水

アメリカのNGOがタンクを何個かつくり、そこからスラムへ水を配給している
完全に普及したとはいえないが、清潔な水を手にいれることのできる機会がうまれている

③ 栄養に関するナイロビ市の会議に参加したこと

ナイロビ市が主催する会議にたくさんのNGOが参加し、互いに近況報告や改善点、協力ができる点などについて話し合っていた。
市がNGOの運動を全体的に把握しようとしている。かつ他のNGOの活動について把握しながら、一緒に活動していく機会の創出にもつながっている


④ 洗剤運動

多国籍企業からの洗剤は便利であるが高価である。そのためケニアの伝統的な知恵を用いた、洗剤を自分たちでつくる住民運動が始まっていた。


洗剤の材料


取り組みで自分が興味惹かれたもの 2つ



① ごみをつかったアクセサリー

女性がつくることで、女性の所得につながる →これが女性のエンパワメントにもつながっていく
*問題はマーケット、需要、商品価値を認識する人が国内に少ない。

② 自分たちでビジネスをしようとする動きがあること

例  たまごを売るお店を展開している
   井戸を掘っていて、そこからでた水を浄化しミネラルウォーターとして売ろうとしている動きもある
→海外の支援に頼り切るのではなく、自分たちで循環させようとする動きはあるが、うまくお金を生み出すことには現状つながっていない。
→この学校の代表の女性、下記の写真の右の方、は子供のためにお金を使いすぎ、銀行のアカウントが凍結されてしまっている状況。


卵を売り、学校運営資金のために










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