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古典「竹取物語」が面白かった

日本最古の物語「竹取物語」

誰もが子供のころに読んだ「かぐや姫」は美しいおとぎ話ですね。
大人になってから読む「竹取物語」は幅広い観点から読めて、登場人物の
心情もくみ取りながらの読書ができました。

かぐや姫はあまりの美しさに多くの男性から求婚を迫られました。
最後まで言い寄ったのは5人の貴公子でした。
かぐや姫はその5人に無理難題を言いつけます。

かぐや姫は性格が悪い、とか高慢ちきなお姫様だ。
とかいう人がいますね。確かに私も最初の部分ではそう感じました。

かぐや姫は、最初から誰とも結婚する意志はなかったのでしょう。
月の都からやって来て、いずれは月に帰らなければならないことを
わかっていたのだと思います。
そして彼らの気持ちを無下に断ることもできず、また身分の高い方々の
求婚を断ると、お爺さんお婆さんの立場に影響があっては困るのでは?
と思い悩んでの事だったかもしれません。

5人の貴公子は難題に挑戦します。
そして次々と皆の前で恥をかかされ逃げ去っていく様子を
滑稽に描いています。
当時の政治を批判するかのようで痛快だったかもしれませんが、
このような物語が出回って大丈夫だったのかと
私はいらぬ心配をしてしまいました。

そうして、求婚問題も無事終わり、次に現れたのは帝様でした。
次第にかぐや姫も帝に心が揺らぎ恋心を抱くようになったようでした。
ここまでくると、前半の気の強い我儘なかぐや姫と違い
心の成長が伺えます。

かぐや姫は天界で罪を犯した為、地上に降りてきた。と
書かれています。
その罪を償うということは、地上で人間の深い愛を学び、
苦しみや悲しみの感情を学ぶことだったのかもしれません。
かぐや姫が心身共に成長した頃を見図って月からお迎えが
来たような気がします。

とうとうお別れの時。
地上で着ていたものを脱ぎ、天女の羽衣を着せられると
地上での記憶が全て消えていくため、少しでも長くいたいと時間を稼ぎ
帝に手紙を書く様子などから、かぐや姫の心情が痛いほど伝わってきました。

幼い頃に読んだかぐや姫
「月に帰ったとさ。ちゃんちゃん」
という締めでは終われない情景豊かで悲しく切ない物語でした。

竹取物語から生まれた言葉

竹取物語からもいくつかの言葉が生まれていますね。
例えば
「恥を捨てる」
石作りの皇子が仏の石鉢を取ってくるように命ぜられ、
インドまで行ったふりをして偽物の石鉢を持ってきました。
かぐや姫に偽物だと見破られ、石つくりの皇子は鉢を捨てるが、
それでもまだかぐや姫に言い寄ったということから、
厚かましいことを「恥(鉢)を捨てる」という言葉が生まれています。
他にもいくつか言葉があって面白いので気になる方は、読んでみてください。


富士山の女神

富士山周辺では、かぐや姫は月に帰ったのではなく、富士山に帰ったと言われています。
このことは「富士山縁起」という本に書かれていました。
富士山の女神となったのですね。

かぐや姫が富士山に帰る前までは富士山には男性しか登ることが
出来なかったですが、この話の後からは女性も登ってよいことになった
そうです。


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