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「恨む」と「許さない」のちがい

「こころのナース夜野さん」という漫画を読んだ。
心が苦しくなる場面も多いけど言葉も人物の表情も丁寧で、気付かされることが多い漫画だった。優しい言葉が多い中で、一見きつい表現が描かれていてどきっとした場面があった。

性的虐待を受けていた女性が父親に直接問い詰める場面。虐待を認めない父親がふいに涙したように見えたと話す女性に対して、担当医が
「気のせいかもしれない、いい話に丸め込むな。後から苦しくなる。」と言った。

これは、相手に同情して許してしまったら、虐待はされても仕方なかったと思うしかなくて、余計に自分を追い詰めることになる、意味ではないかと解釈した。

自分を守るために、許さないでい続けることも一つの手段だと感じた。許してしまったら、苦しみの行き場が自分にしか向けられなくなる。

「恨む」や「憎む」だと、怒りや不満にエネルギーを使ってしまうが、許さないは認めないこと・理解しないことと同じでそこに感情やエネルギーは要らないのではないか。


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