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世界墓地巡り②プリティネームを拾い集める

墓と木がみっちりと空間を埋め、階段や歩道がその合間を縫う。迷子になるのが楽しいので、わざと方向を気にしないで歩く。

パリの墓地にはたっぷりと時間を用意して行くべし。

 聞きなれない名前を探すのも外国の墓地の醍醐味。この響きはここの人にとっては普通なのだろうか?フランス人の友人に写真を見せながら、ひとつひとつ尋ねた夜が懐かしい。

メニューさん。ムニュ、か。フランス語の Menu はお品書きのメニューではなく、定食とかコース料理を意味するらしい。日本人の名前で変換すると定食さんみたいな感じだろうか。珍しいけど、もしかしているかもしれない。「ミスタームニュ、定食にしますか」「定食家は、もちろん今日も定食食べますよね」みたいな軽口を言われたりしたのだろうか。

上の二人が女性、下の二人が男性の写真。MACCARIさん夫妻とCOPPIさん夫妻だろうか?そうだとすると、MACCARIさん夫妻はずいぶん年が離れている。一緒に墓に入るって姉妹と兄弟同士で結婚したとか?どういう理由があるのかな。MACCARI夫(推定)は早くに亡くなっているので、姉妹の妹のほうは姉夫婦に支えられていたのかもしれない。などなど、妄想が膨らむ。

マッカリ、コッピ
という響きが愛らしく、親しみを感じる。

青とピンクの四角いプラスチックが墓石にたくさん刺さっていて、遊園地みたいで可愛い。

大きな十字架にからむ、くすんだ造花の薔薇。祈る神がいることで、救われた心は数知れず。

布をかぶっている風の見事な彫刻が施された戸建て型。お金持ちの一族なのだろうが、これ一つにどのくらいの予算がかかるのだろう。

こちらはロッカーのようにたくさん入れるマンション型。南米でこの形の大規模なものをたくさん見ましたが、日本でも最近増えてきていますね。今後、墓が大きくなっていくことはないのでしょう。ピラミッドや前方後円墳から、時を経てロッカーへ。

こうなったらあとはペンダントやブローチ?いっそモバイル墓?AI化した亡き人を生かし続けるってことも可能になってくるのだとしたら、墓は不要になる?

誰にも分からないことだけど、私は最期の時まで、墓地カルチャーを見届けよう。

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