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無価値感の脅迫と証明

自分のことを無価値だと思う…。
そんなことは過去から常に感じてきた。

私は必要とはされていない。
だから過去の恋愛もろくでもない。

私とは暮らせないと、両親ともに言われて、私は仕事も無いまま10万円のお金と家を出た。


その後、なんだかんだで辛酸を舐めながら時間を通り越して、今は都会の温かい部屋でこんなことを書いている。

私はもう自分の無価値感に襲われる必要が無いように思う。

でも無意識に「あなたは誰とも一緒に暮らせない」と言われた呪いの言葉が残っていた。
だから私にとって「一人でいること」は自分の無価値を確認するようで嫌だったのだ。


恋愛は私に大きな生きるエネルギーをもたらすけれども、同時にいつも体力を奪われる。
そして、いつも私を本当には大事にしてくれない人を好きになる。

私はずっと寂しかった。
私はイジメられた野良猫のようだった。

プライドは高く、とげとげしい言葉を持って他人を寄せ付けなかった。
何を言われても私には攻撃のように思えた。


未来の無い恋愛など、ただの自傷行為だ。

自分に心が向いていない相手や他に大切な相手がいる人とのセックスは最高の自傷行為だった。

ある意味自傷行為と感じるほどに私の心は身体とは裏腹に初心なままなのだ。
本当に狂っていたらその感性は存在しない。

夜になれば泣きまくって「なんて自分は適当に扱われているんだろう」と嘆いて、何故かそんな自分に絶望しながらも愉悦を感じていた。

私は「自分がやはり無価値なんだな」と再確認し、希望を持たないように自分に何度も釘を刺した。
とても悲しいはずなのに、何故かとても嬉しかった。

当然だけれども、最低だった。
だけど、そうしなければ、昼間の社会生活の表面を取り繕う事さえできないくらい、精神を崩壊させてしまいそうだった。
とにかく呼吸すら正常にできないほどに狂っていたし、心の痛みを感じないように本当に狂ってしまいたかった。


無価値な自分と身体


私はなんとか「まとも」になりたかった。
正直私は「まともなフリ」をしていたし、今も一見まともに見える。

とても精神を病んでいたように見られることも無い。

私はどうやら無意識に「まとも」になりたくて、結婚がしたいし、彼氏が欲しかったようだ。

結婚すれば、していない女性よりは女として価値があるように思える。
彼氏が居れば、誰かと関係を継続したり、一緒に暮らせる素養があると思われる。

でも、そんな風に誰かに『自分の価値』を証明する必要なんてどこにも無かったのだ。


正直この話は苦しい。
自分の自傷行為はリストカットではなく、恋愛によって自分で引き起こしていた。
私は無意識に自分をボロボロにして殺してくれる人を求めていた。
むしろ憎んで殺してほしいと思う事さえあった。


全ては最初の無価値感だった。
それは親による呪縛であり、自分が何度もそれを自分に投げかけ続けた呪い。

今はもう消えてしまったが、呪いは確かにあった。
私は自分を大切にしろと誰かに言われても、本当に大切にする意味をしらなかった。

女性にとっての体はとても大切なものだった。
一般的にいう「汚される」とは違う。
女性の体と心は男性以上に連動している。

身体の扱いを決めることは自分の心の扱いを決めることだ。
身体を許せばどういうわけかその相手を好きになる事で辻褄合わせすら始めるほどに心は身体の言いなりなのだ。

本当に大切にしなければいけないのは心の方だ。

心を守るために身体も守るのだ。
自分の無価値感をそんなところで証明している場合ではない。


自分の価値なんてものは誰かに証明する必要が無い。
価値があると思ってくれる人が1人でもいてくれればいい。
そして、自分が価値を感じていればいい。

自殺したい人に向かって「周りの人が悲しむから死んじゃダメ」なんて言う人が多いけれど、正直全然響かないのと同じで、結局は自分が「死ぬべき」と判断しているだけなのだ。

だから、私に価値があるのかどうか、私が判断すればいいわけで、他人に判断いただく必要など最初からなかったのだ。
ただ多感な時期のちょうど心の隙間にグサッと刺さった言葉が心から抜けなかっただけだった。


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