南充浩

70年生。大学卒業後、衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。03年退職後、広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。「繊維業界ブログ」は現在、月間万25万PVを集める。日経ビジネスオンライン、週刊エコノミストなどに寄稿

「○○すれば必ず売れる」なんていう人が後を絶たないアパレル業界

繊維関係の業界紙記者になってからいつの間にか22年が過ぎてしまったのだが、22年前から現在まで変わることなく、アパレル・繊維業界には「○○すれば売れる」という人がいる。
この「○○」にはその時々の時流のツールが入る。
22年前なら「SPA」とか「QR(クイックレスポンス)対応」とか、10年前なら「ファストファッション」とか「ネット通販」とかそういうものである。
しかし、どんなに流行っているツールや

もっとみる

ネット通販の強化・普及がバーゲンセールの早期化・常態化を招いた

皆さん、お気づきだろうか。
今年は早ければ5月末から、平均的には6月の頭から各ブランドでセールが始まっていることを。
何年か前に「セールの前倒し・後ろ倒し」論争があったが、結局のところはセールは前倒しになっており、前倒しどころか年がら年中セールという形に落ち着いた。
当時も書いたが、百貨店がいくら「後倒し」を提唱したところで、百貨店以外の各施設はセールを開始するし、何よりも「安売り」が最大の集客術

もっとみる

「単に日本製というだけ」の商品は売れなくて当たり前

国内の衣料品市場規模が縮小する中、海外進出を模索する企業が増えている。
アパレルブランドもそうだが、生地工場を始めとする製造加工業やそれらのファクトリーブランドも海外進出を模索するケースが増えた。
しかし、とりわけ製造加工業やファクトリーブランドの海外進出は極少ない成功例とおびただしい失敗例とに分かれており、どのような売り方をすべきかという議論は今でも結論が出ないままに堂々巡りをしている感がある。

もっとみる

どんな企業でも支払いは1円でも安く済ませたい

繊維製品の国内製造加工業者で「提示される工賃が安すぎる」と愚痴をこぼす人は多くいる。
たしかに提示する方も提示する方で、Tシャツの縫製工賃が1枚200円とかである。1枚200円で1万枚とか2万枚作るなら工場が受けるメリットもあるが、これが100枚程度しか作らないから、工場としてはとても受けられないという話になる。
安く作りたいなら、まず「数量を売る力を持て」って話である。
100枚はおろか50枚く

もっとみる

人工知能にクリエイションまでを任せようとするアパレル業界の他力本願

アパレルでは人工知能( AI )に期待がかかっているようだが、最近、アパレル各社で「AIが確実に売れる商品デザインを考えてくれないものか」という願望を聞くことがある。
作って並べたら売れた時代しか経験してこなかった彼らにとっては、売れない時代に「売れる商品を企画する」ということが苦痛で仕方がないのかもしれない。
しかし、現時点でのAIが何もないゼロのところからクリエイトすることはできない。何十年か

もっとみる