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どんな企業でも支払いは1円でも安く済ませたい

繊維製品の国内製造加工業者で「提示される工賃が安すぎる」と愚痴をこぼす人は多くいる。
たしかに提示する方も提示する方で、Tシャツの縫製工賃が1枚200円とかである。1枚200円で1万枚とか2万枚作るなら工場が受けるメリットもあるが、これが100枚程度しか作らないから、工場としてはとても受けられないという話になる。
安く作りたいなら、まず「数量を売る力を持て」って話である。
100枚はおろか50枚くらいしか売る力がないくせに物は安く作れない。

しかし、その一方で、製造加工業者だって自分の仕事を離れたら、何事においても1円でも安く済ませたいのだから、あまり声高に言えた義理ではないと当方は感じてしまう。
実際に体験した例をいくつか挙げてみようか。

例えば、展示会場費である。
製造加工業者が集まって総合展示会・合同展示会を開催することは珍しくない。
さまざまな要因はあるが、展示会場費が値上がりすることもある。そりゃ展示会場だって慈善事業をやってるわけではないから収益改善のために値上げすることは普通にある。
1社で開催していたら、この会場費の値上げを吸収することは難しい場合がある。
しかし、10社とか20社で開催していれば、値上げ分の分担は1社あたり2万~5万円程度で済む。
展示会なんて毎月やっているわけではなく、少なかったら年1回、多くても年4回くらいである。仮に分担金が3万円値上がりしたところで、少なければ年間3万円の出費が増えるだけで、年4回の場合でも年12万円の出費が増えるだけである。
展示会が年1回開催だったとして年間の支出が3万円増えることに、製造加工業者は大きな抵抗を見せる。
フリーライターとかフリーのイラストレーターみたいな個人事業主ならその気持ちはまだわからないではないが、仮にも法人化していて、年間売上高は億円単位なのだから、何を言っているのかと思う。2万円か3万円くらい払えばどうか。
1枚200円の縫製工賃を提示してくるブランドや振り屋とさほど変わらないのではないか。

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