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ディズニーワールドは夢の国‥(その3)

「日本のリゾートは地方に作って→廃墟という悪循環に陥っていますね。これを抜け出すには優れたソフトやサービスが必要で、そんなこたぁ分かっちゃいるけど実現は難しいってことなんだと思います。」というコメントをいただいたので、ディズニーワールドのどの辺が良い感じに運営を回しているのかということを二回に分けて書いてみます。

ディズニーワールドが持っているのは「集客力の強いキャラクターコンテンツ」「圧倒的な物量のハードウェア」「合理的にシステム化されたプロセス(ソフトウェア)」の3つだと思うのですが、1−2日滞在する遊園地としてだったらキャラクターコンテンツメインでイケます。
が、一週間滞在するとなると、リゾート施設としてのハードとソフトとしての力量が試されます。今回はハード面をベースに書きます。

基本を整理します。ディズニーワールドの総面積は110キロ平方メートル。「山手線の内側の土地が二つ入る」と良くいわれますね。23区と比べてみたのですが練馬区二個では足りなくて、丁度繋がってる土地同士の大田区と世田谷区を足したのとほぼ同じくらいと考えるとイメージしやすいです。

大事なのはその全てがディズニーの私有地だということです。私有地ということはパーク以外の土地や道路上の行為に対しても所有者のルールで取り締まれ、酷い迷惑行為に関しては土地から追放できます。そのおかげかアメリカには珍しくセキュリティがしっかりしている感じを受けます。他の街を夜歩くのは心配ですが、ワールド内では夜中にバス停でバスを待ってても不安になることはありません。

ディズニーキャラクターが好きな人には、ここを訪れる意味は十分にあるのですが、問題は興味のない人です。興味のないテーマパークに一週間滞在させられるのは地獄です。
つまり、興味のない人をどう救済していくかというのが肝なのです。そのためにはディズニー色の弱いアニマルキングダムのようなパークを作ったり、ディズニーと全く関係なく成立するアクティビティを幅広く揃えて選択肢を拡げる必要があります。そこでは選択肢の数が力を持ってきます。
ディズニーワールドには、ミーティングサービスと4つのゴルフ場があります。ということは、(家族を連れての福利厚生を兼ねた)企業研修にも対応できるということです。また、子供が遊んでいる間、ゴルフ好きなお父さんおじいさん世代も遊べます。お母さんには後述するディズニースプリングでの買い物も出来ますし、リゾートスパの予約を入れるという選択肢もあります。

https://www.disneymeetings.com/why-disney/more-services/
https://www.golfwdw.com
https://disneyworld.disney.go.com/spas/

ダウンタウンディズニー、今はディズニースプリングと呼ばれるエリアがあります。ここはお土産屋さんもありますが、大人向けのサービスを提供する機能も担っています。ですので、シガーバーがあったり、お酒を出すお店も多いですし、21才未満お断りのショーもあります。映画館もありますので、インドア派にはうってつけです。
https://www.disneysprings.com

ここで、以前書いた園内バスが役に立ってきます。ディズニーワールド内を走るバスは午前二時まで運行しています。運転する人間が存在しないのですからお酒を飲んで踊っての後で運転代行を頼む必要がありません。
また、ホテルでは生後6ヶ月から12才までのお子さんのベビーシッターサービスがありますので、少しの間でもお子さんから解放されて自分の時間を過ごすこともできます。日本だと家族全員で楽しまなければという空気があるのでこの辺りがリゾートを楽しみにくくしている一つでもあると思うのですが。
https://disneyworld.disney.go.com/guest-services/child-care-services/

ディズニーワールドから少し離れると、シーワールドという水族館をベースにしたテーマパークもありますし、もっと離れるとユニバーサルスタジオも候補に挙がってきます。
https://seaworld.com/orlando/

色々書きましたが、やはり選択肢の数を実現するにはそれなりに面積が必要ですし、複数の運営者の利権が絡むと思い切った事が出来ないので、一つの企業が全部仕切って圧倒的な物量のハードウェアを作るというところがディズニーワールドの場合の答えだったのだと思います。

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