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パワハラ気質な上司にはとても感謝している

パワハラというと若干語弊があるが、社内1厳しい上司だと言われていた。

僕は新卒入社で入ったIT企業で僕はインフラエンジニアとしてキャリアをスタートさせた。

当時はメールの打ち方もスケジュールツールの使い方も会議室の取り方も分からない会社のお荷物だったが、そのパワハラ上司に導かれ何とかやってきた。

その上司は仕事熱心な3児の父で、社内の評価もかなり高かった。

上位5%未満の評価を毎期貰っていた気がする。とにかく仕事は出来る人だった。

僕はその上司に「やる気ないなら帰っていいよ」「このままじゃおまえヤバいよ」「なめてんのか」と何度も言われた。

強い口調で、周囲に誰がいても関係ない。

数えていないが舌打ちは100回以上されたと思う。

実際に仕事が出来なかったのもあるが、新卒にそこまで言うもの今時なかなかいないと思う。

パワハラで訴えられてもおかしくはないレベルだ。

現にアルバイトで入社した女の子が電話応対を1回ミスっただけで激詰めにあい、ブルブルと泣かせたこともあった。

そしてそのまま辞めていった。

僕は元々野球部でゴリゴリの体育会系だったので、パワハラにはかなり耐性がある方だ。

周囲の人は結構心配して声をかけてくれたが、実はそんなにダメージを負っていなかった。

その理由は周囲の心配とは裏腹に僕が「そのパワハラ上司の本質」に気づいていたからだ。

上司は理不尽な事では絶対に怒らない。

僕が仕事で妥協したり、明らかなケアレスミスがあったり、業務進行上本当にダメだった時にのみ、僕に鬼詰めしてくる事を分かっていた。

これは多分僕だけが感づいていたことだと思う。

周囲はまた怒鳴ってんなあと憐みの目で見ていたかと思うが、本質は少し違う。

「本当にダメな時だけ本気で叱ってくる」のだ。

だから僕自身パワハラだと思っていなかった。その記事の題名も「パワハラ気質」と書いているのもそのためだ。

上司はこのご時世パワハラだと訴えられるかもしれないリスクを負ってでも、新卒の僕を「教育」し「仕事が出来るビジネスマン」に仕上げようとしていたのだ。

僕はその職場を2年程で辞めたが決してその上司が理由ではない。

そしてその上司にしごかれたおかげて次の職場が生ぬるく感じたし、すぐに一定の成果を上げる事が出来たと思っている。

逆にその上司に仕事で恩返し出来なかった事を残念に思っているし、とても感謝している。

新卒で最初の上司は極めて重要で、「配属ガチャ」以上に「上司ガチャ」はギャンブルだ。

僕は「上司ガチャ」でSSRを引けた。

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