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結果発表:ウィークリーぱか詠み第6回『安田記念』

もう疲れちゃって全然動けなくてェ……

はじめに

いきなりですが、今回お寄せいただいた短歌をご覧ください。

ありがとうございました!

今回はこちらの2首をお寄せいただきました。

で、どうしていきなり短歌の紹介から入ったのかという話なんですが……今回、全体の合計点が17Ptだったんですね。

17!?!?!?

というわけで、おそらくどなたか点数入れ忘れてる(一人当たり3ポイントを振り分けてもらうことになっているので、問題なければ総評が3の倍数になります)んですが、今回はもうこのままいっちゃいます。ただまあ、気を付けてね……!という感じです。

あと、目次で察したり、ツイートを見たりした方もいらっしゃると思いますが、次回の『ウィークリーぱか詠み』は特別編です。その辺の詳しいご案内も最後に記載していますので、そちらもご覧ください。

で~、なんで今回も~、結果発表が遅いかっていうと~、あのですね~……ハイラルを冒険してました。まあそれだけじゃないんですけど、主にそれです。ごめんね。

それでは、結果発表に移らせていただきます。ゴー!

結果発表

第2位

雨粒に泥も元気に跳ねてきて 駆けて笑ってそうして勝って

8Pt キマユ

モチーフ:タイキシャトル

 タイキシャトルの安田記念といえば、超不良馬場の中で圧勝し、その強さを証明するとともにフランス遠征を決定づけた、ターニングポイント的なレースです。ウマ娘でもそれは強く意識されており、タイキシャトルの育成目標における安田記念(シニア級)は1着が必須、天候と馬場状態がそれぞれ雨、不良で固定されるという特別仕様になっています。
 さて、この歌はそういった背景もモチーフにとりいれつつ、タイキシャトルの走る姿、その楽しんでいるさまを詠んだ歌であると解釈できます。
 上の句と下の句で分かれていますが、これは視点の違いを明確にするためだと思われます。上の句は『雨粒』や『泥』が『跳ねてきて』とあるので、タイキシャトルの目線で描かれているのかな、と解釈しました。まあ、トレーナー目線という解釈でも面白いと思います。トレーナーの方にまで『雨粒』や『泥』が『跳ねて』くる、それほどの不良馬場であるという描写。でもやっぱりタイキシャトル目線と読み取るのが自然かな。
 下の句はトレーナーやファンの視点でしょう。どうしても我々は(アプリゲームにおけるシナリオの特性上)彼女らにトレーナーとして接することが多いため、トレーナー目線として解釈するのが、こう……手癖としてはやりやすい。とはいえ限定的ではないので、彼女を応援する者、くらいのフワっとした捉え方で良いでしょう、それが明確に大事という訳でもなさそうだし。
 そして、全体として定型に過不足なく収めつつ、「て」の繰り返しでリズムを取っている非常にリズミカルな歌です。特に下の句は『駆けて/笑って/そうして/勝って』と、3・4・4・3の繰り返しのリズムで、もはやメロディを持っているような気にさえなります。
 ただ、ここまでしっかりリフレインを意識しているなら、『雨粒に』の『に』は『も』で後と揃えても良かったかも。そこに込めた意は解釈しきれなかったので、なんか理由があったらごめんなさい。
 普段だったらここからまたワヤワヤ言うのですが、この歌に関してはここまでです。だって、あなたも直感的に、この歌を一目見たときに良さを感じ取ったと思います。それで十分なんです。
 正直に言って、この歌の、ひいてはキマユ氏の(ウィークリーぱか詠みに寄せていただいた)歌の良さは、「一目でその魅力がわかるスピード感」にあると思います。平均して平易な口語、日常的に使われる語彙で構成されるスタイルは、素早く私たちの心に届き、その温かさを伝えてくれる。
 だから、あなたがこの歌を読んで、温かさを感じたなら、それでいいんです。色々考えずに、その温かさを受け入れてください。

第1位

燦々と「レコード」の赤い文字は照らされて 見よ、勇者は帰る

9Pt 蒼豆
1着おめでとうございます!

モチーフ:アグネスデジタル
コメント:前走のかきつばた記念はクイーンエリザベス2世カップから1年ぶりの復帰も4着。全盛期が過ぎたとの声が囁かれる中、挑んだ安田記念はアドマイヤマックスを抑えて差し切り勝ち。しかも、レコードを更新。 下の句の「見よ、勇者は帰る」はヘンデルのオラトリオ「マカデウスのユダ」から。表彰式で聞いたことのあるはずです。

 この歌を正しく理解するには、アグネスデジタルの競争成績を一度しっかり振り返った方が良いでしょう。てな訳でハイ、これ。

 アグネスデジタルを語るうえで外せない、マイルCS南部杯からフェブラリーステークスへの、G1四連覇の偉業はこの歌のモチーフとなった安田記念より以前であり、さらにこの安田記念はフェブラリーステークス以来久しぶりの勝利でした。その非常識な快進撃から「勇者」と称えられた彼女の久しぶりの勝利、しかもレコード勝ち。その熱狂は凄まじいものでしょう。
 ちなみに、ウマ娘の育成シナリオでは時系列的に描けていない範囲の話なんですけど、ノーマルエンドではこの安田記念の話があります。担当してる方はご確認をば。

アグネスデジタルと『勇者』という呼称について、ちょっとしたお話。

アグネスデジタルが『勇者』と呼ばれるきっかけになったのは、おそらくJRAのポスター「ヒーロー列伝」のコピーである「真の勇者は、戦場を選ばない。」というものなんですが、これはタイミングとしては安田記念の次走である宝塚記念の後、8月末ごろに作られたそう。
アグネスデジタルが今まで勝ったレースが芝・ダート、国内・国外など幅広い条件にわたっていたことを称えたのでしょうが、つまり安田記念の時点でアグネスデジタルは『勇者』と呼ばれていなかった。

そして、どうやらウマ娘のアグネスデジタルはあんまり『勇者』と呼ばれていないみたいです。色々調べたり、シナリオを振り返ったりしたんですけど、『オールラウンダー』にスポットが当てられていて、『勇者』はワードとして出てこなかったんですよね。ロブロイと被るから?
まあ、海外レースに出るのは育成システム上(今のところは)不可能ですし、ある程度は仕方ないのかも。やっぱロブロイと被るし。
とはいえ、彼女を勇者と呼ぶのは我々の自由ですしね、呼んじゃいけないってことはないでしょう。そもそも『勇者』も最初にJRAが言っただけですし、ウマ娘でも(ミーム的に)ある呼称がファンの間で広まることは時々あります。
とか言ってたら、タニノギムレットは『勇者』って呼ぶらしい。なんかよくわかんないね、眠くなってきちゃった。

まあ、だからなんだという話ではないですが、調べものしてたらちょっと面白かった話でした。

 では、詳しく見ていきましょう。今回は、(蒼豆氏にしては珍しく)内容、意味合いが一目で分かりやすいと思います。短歌とコメントを見た我々は、おそらくほとんど同じ情景を浮かべたし、それは蒼豆氏が意図したものと一致しているんじゃないかと。まず、この時点でけっこうすごいことなのです、二次創作短歌が同じ背景を強く共有していて、それを深くモチーフとして詠みこむとはいえ。
 視点としては、デジタル本人でもトレーナーのような近しい人でもないような印象を受けました。おそらく、観測する第三者、もしくは蒼豆氏本人でしょうが、語り口から叙事詩や英雄譚をイメージしたのかもしれません。
 とはいえ、パッと見で一筋縄ではいかなそうな感じも受けたと思います。ではこの歌で重要になってくるのはどこか。なんとなく察した方もいるでしょうが、韻律です。

燦々と「レコード」の赤い文字は照らされて 見よ、勇者は帰る

 スーッと読むと、おそらく『文字は照らされて』あたりでリズムが行方不明になると思います。それを明確にするため、句切ってリズムを決定したいのですが、これを句切るなら皆さんはどうしますか?

燦々と / 「レコード」の赤い文字は / 照らされて / 見よ、 / 勇者は帰る

こうかな? 

 意味で句切るとこうなのですが、5/11/5/2/7はさすがにヤンチャかも。しかし、意味合いで句切るだけでも初句と結句は定型に従っており、かなり正統派で読みやすい印象があります。アグネスデジタルの特異性も表せそう。
 ただ、リズムが悪いのは確かなんですよね。という訳で、リズム重視で句切ってみます。

燦々と / 「レコード」の赤い / 文字は照ら / されて 見よ、 / 勇者は帰る

それともこうかな?

 私なら、これが一番気持ちいリズム。5/8/5/6/7であれば悪くない句切り方でしょう。第四句を6としましたが、『、』を一文字分の空白と解釈しました。(先週、ダービー回で全く同じ話をした)これと足りない1文字分の空白によって、結句『勇者は帰る』に余韻を持たせているのかなと思います。

燦々と / 「レコード」の赤い / 文字は照らされて / 見よ、 / 勇者は帰る

こんなこともできるよ

 これはどちらかというと意味合い重視の句切り方。5/8/8/3/7ですが、8/8でかなりスムーズで素早いリズムを作りつつ、『見よ』でその流れを思いっきり止める構成です。ここでの『、』はもはや感嘆符ばりに力強いもので、先に述べた英雄譚のような印象が強く現れます。『見よ!勇者は帰る』となると、もはや凱旋の様相ですが、東京レース場はひとつ前の勝利であるフェブラリーステークスと同じ開催地。凱旋ではあるのです。
 と、ここまで色々と韻律をいじってきましたが、様々な韻律に対応でき、その韻律によって違った印象を見せるこの歌そのものが「オールラウンダー」であり、アグネスデジタルを表現した短歌にふさわしいものになっているんじゃないでしょうか。

総評

なんとな~く、ここまでお読みくださった中で感じた方もいらっしゃるでしょうが、今回むずかしかったです。全体的に不完全燃焼な感じになってしまいました。それに関してはまったくもって私の力不足です、大変申し訳ありません。

言い訳タイム
ハイラル行ってたのもそういう理由があって、全然原稿が進まないから手が自然にキーボードからコントローラーへスススッと。毎週にわたって数千字も書いていれば、そういう時もある……そんな理由で納得していただけたら幸いなんですけどダメですかね、年貢だけはふやさないでください。

代わりに、という訳ではないですが、新企画を進行中です。

まず1つ目の新企画。ウィークリーぱか詠みはG1のある週はそれをお題にやってきましたが、今週はウィークリーぱか詠み始まって以来、初めてG1のない週。というわけで、この後に特別企画のご案内があります。Twitterでは既に告知しましたが、改めてご確認ください。Twitterだと見づらいしね。

そして2つ目の新企画。Discordサーバーの方に、新しい部屋を設置する予定です。その名も『無限いちごつみ』。現在、ルールを整備中ですので、もう少々お待ちください。Discordサーバーの入り方については、記事の最後に詳しい別記事への案内がありますので、そちらからお願いします。

また、7月以降のウィークリーぱか詠みについても、別途案内していきます。まだあんまり考えてないんですけどね。

というわけで、暑い夏がやってきますが、エアコンつけていつも通りでやっていこうと思います。それでは、新企画のご紹介です、どうぞ!

次回は特別編です。

今週と来週はG1がないので……
ウィークリーぱか詠み特別編『ゆるガチ(仮)』を開催します!

『ゆるガチ』概要

今回はテーマ不問、ウマ娘二次創作短歌であればOKのいわゆる「自由詠み」を、【ゆる】部門と【ガチ】部門に分かれて行います。これを機に、今まで短歌を詠んだことがない、ウィークリーぱか詠みに参加したことがない、という方も参加されてみてはいかがでしょうか?

【ゆる】部門

初心者、未経験者歓迎の、いつものウィークリーぱか詠みよりさらにゆるい部門です。
ぜひこれを機に、短歌にチャレンジしてみてはいかがでしょうか!

【ガチ】部門

いつものウィークリーぱか詠みより少しこだわった、腕試しの部門です。
自分にとって一番の短歌や、こういった場にぶつけてみたい短歌をお寄せください。
(ガチだからといって、評が必要以上に厳しくなることはないです)

その他詳しいルール

いつもは競馬、競走馬もモチーフの対象にしていますが、今回はウマ娘の二次創作短歌のみを受け付けます。(ウマ娘モチーフではあるが史実も意識している、くらいはOK)
各部門につき1人一首ずつまで。
既発表・未発表は問わず、結果発表でも言及しません。
送信の際、短歌、モチーフ、筆名、部門の4点を明記してください。明記していない場合、こちらから聞き返しますが、それでも回答がない場合、最悪の場合は対象にできないかもしれません。なので明記、ゼッタイ。

締め切り

募集…6/14 23:59まで
投票…6/15 0:00 から 6/16 23:59 まで

いつもより募集期間を少し長めに設けておりますので、ぜひご参加ください。初心者の方は、相談などしていただいたら応えます……私も大した詠み手じゃないけど。

『ウィークリーぱか詠み』についてはこちらから。

『ぱかたんか』について、詳しくはこちらをご確認ください。

それでは特別編でお会いしましょう。

南の柳

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