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(読み切り小説)転生ものにチャレンジだ!意気込みだけで書いた物語

ここまでは順調だったんだけどなー。

ゴージャスでふかふかな
贅を極めたような天窓付きのベッドに
ゴロンと横になりながら
あたしは深いため息をついた。

ちまたで流行りの転生とやら
都市伝説かと思いきや
願えば叶うという、信じ難い話💧

疑心暗鬼のまま
あたしは唱えたのだった。
テンプレ通りの流れで行こうかなと(笑)

とりあえず悪役令嬢になりたいで〜す!

そうして目が覚めてしばらく

時報のようなラッパの音が遠くに聞こえ🎺
窓の外に広がる景色は
まさに中世の城下町のそれだった🏰

まあね、ここまでは順調だった
どう見てもここは中世っぽいし
どう見てもあたしは、、

転生した中世のこのお城の主の
美しい悪役令嬢の
膝に乗りモフモフされるがままの
愛犬の方に生まれ変わったのだ🐶

えぇ、、転生失敗?
中世には変わりないけども
飼い犬の方かぁ、、うむ
悪役令嬢に転生するには
圧倒的な何か足りなかったとか、ある?

ひとしきり考えたけど
答えなんか見つかんない
なんせ探り探り初めての転生だもの。

そうこうしてる間に
本物の悪役令嬢つまりはあたしの飼い主が
黄色い声であたしに近付き抱き上げた🐶

あら〜ロマンティカちゃん♡
お目覚め?やだもう可愛い♡
寝ても起きてもふわふわモフモフで
超キュート!!

目の前の悪名高い悪役令嬢は
こと愛犬に対してはデレデレなのか?
想像だにしなかった状況に戸惑うあたし🐶

次の瞬間
お嬢様、お茶をお持ちしました☕

控えめなノックと共に
若い使用人がお茶やらお菓子を乗せた
ワゴンを押して来た。

あら、ありがとう。
ちょっと待って
大丈夫、自分でやるから☕🍰

悪役令嬢はごく自然に
ティーポットからカップになみなみに
紅茶を注ぎ、マカロンにパクついた。

うん、あなたの運んでくれたお茶美味しい☕
マカロンも、もひとつ頂いちゃお(笑)

ああ、お嬢様恐れ入ります
ワタクシめの仕事ですのに、、。

やだ、特別扱いはしないで頂戴。
自分の事は自分でやらなくちゃ
お城の民の気持ちにも寄り添えないわ。

驚いた。
悪役令嬢の悪役たる部分が見当たらない
一体どうなっているんだろう?

悪役?令嬢は優しい振る舞いと
とにかく明るい性格で
どうやら悪役とは遠い所に位置していた。

城の民にとても好かれ
外出許可を貰っては
あたし(ロマンティカちゃん🐶)を連れ
城下町のお散歩を楽しんだりした。

あたしもすっかり
この愛犬転生の暮らしに慣れた頃

あぁっ、危ない!!
キキーッ、ヒヒーン、ギャン!!
ク、クゥン、、バタリ!

突如、暴走した馬車に
悪役?令嬢の大事なロマンティカちゃん
(あたし🐶)は無惨にもはねられた。

きゃあぁぁ、ロマンティカちゃーーん!

驚きのあまり立ち往生するばかりの群衆
聞き付けた城の者があたしと
取り乱す悪役?令嬢の救護に当たった🏥

大怪我を負ったあたしは
なんとか一命はとりとめた、しかし

大事なロマンティカちゃんを
こんな目に合わせるなんて💢
しかも民の誰ひとり役に立たなかったじゃない!

悪役?令嬢の怒りは収まらず
その日を堺に人が変わった。
とにかくあらゆる負の部分が
一気に噴出したマグマのように
凶悪な振る舞いを始めたのだ。

純粋過ぎたのだ。
そうしてあたし、ロマンティカちゃんを
愛し過ぎたのだ。

愛しいものを傷付けられ
怒りの矛先を全て他に向けた
まさに真の悪役令嬢がここに誕生した⚡

父である王に代わり
自ら民を制し無茶な法や税を制定し
悪役令嬢の憎悪は留まる所を知らない。

あたしはいたたまれなく
悪役令嬢の膝の上
クゥン、、と力無く鳴くだけだった🐶

どうしたの?ロマンティカちゃん。
大丈夫よ、あなたをこんなに傷付けた
悪い人間は皆、痛い目に合わせるからねっ!

理不尽な悪役令嬢と
まるで打つ手の無い犬のあたし🐶

悪役令嬢に転生出来なかったと思いきや
まさかの悪役令嬢を生んでしまった
きっかけ、トリガーになるなんて!

そんな転生、どんな転生?

ああ、やっぱり初めての転生って
上手く行かないもんなのかな?

まぁね、1回目だしね
そんな事もあるかもね。

とりあえず今の人生もとい犬生を
一旦きちんと消化試合せねば

まさに呼び名の通り
今や悪行三昧の悪役令嬢の膝の上
犬なあたしは大きな伸びをした。

                おしまい🐶

補足)
流行りの転生ものに初チャレンジ📝
転生と言ったら悪役令嬢かな、と
安直過ぎる頭で書きました(笑)
転生ファンタジー系は本当難しいですね💧
拙い物語ですが読んでくださった方
ありがとうございます!

脳内BGMは
スピッツ「悪役」「ローテク・ロマンティカ」
でした(勝手にSpecial Thanks♪)













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