見出し画像

[見習い日記③] 潔癖症だと言われましても

今日も仕事が忙しいので手短に話をする。

ボクはよく人から「潔癖症」と言われる。この「潔癖症」というのは「強迫性障害」の一種とされている。手がガッサガサになるまで見境なく手を洗ったりしちゃうのである。「潔癖症」と人から言われるとすこぶる心証が悪いので必ずボクはこう言い返す。

「潔癖症までは言い過ぎだ。少し神経質なだけだ」と。

具体的にどのような状況下で神経質になったり触れなかったり手を洗いたくなったりするのかは今ここでは言及を避けたい。皆さんのイメージ通りだからだ。どうせまためんどくさいヤツだなと思っておいでであろう。

そこで、逆に我々「神経質協会」が日常生活において、いかに耐え忍んでいるか、辛酸をなめているかをボクが代表して伝えたいというわけだ。大きく3つに絞って進めていく。それでは ヒアウィーゴー。

◯飲食店などの箸、コップ、スプーン類が使えない

これはある程度対策できる。店員さんにバレないようにさりげなく除菌シートで拭きあげる。いたってシンプル。先に言っておくが拭いたところで100%除菌できるわけでない。そういう気持ちが大切なのだ。

しかしながらセルフサービスのお冷ややドリンクバーなどで「コップご自由にお使いください」的に伏せて重ねて置いてある所に直面した場合は事情が異なる。そういう場合、コップ内面が曇っていることがあるからだ。

食洗機で洗った際の湯気がそうさせるのであろう。その湯気は元をたどれば食洗機内の洗浄水なのである。得体の知れぬ「何かの汚れ」を洗浄した液体が一度気化しコップの内側で冷やされて凝縮したものだ。仕上げに綺麗なお湯ですすがれている…本当だろうか…にわかに信じがたい。よく分からない液体ほどヤバいものはない。ほんとヤバい。

この憂慮すべき事態に本当に曇っているのはボクの心の方なのだ。

◯顔が見えないものが食べられない

基本的には手作りはヤバい。家族や友達、彼女など「顔」が見えていれば良いが、例えば「これ貰い物ですけどどうぞー」とか「私の友人が作ったんだけどこれ本当に美味しいから食べてみてー」はマジでヤバイ。見ず知らずの人はおろか、一親等でも離れてしまうとボクの心は曇るのである。地産地消の農家さんの店頭POPように「顔」が見えることは大切なことなのだ。

さらに言えばタッパーなどに入っているもの(煮物系など)はかなりヤバイ。タッパーの表面を顕微鏡で観察してみると微細な傷が無数にあり、そこには「得たいの知れない何か」が入り込んでいるのだ。入り込んでいるということは出てくる場合もあるということ。それが今その時かもしれないと思うとヤバE越えてヤバFなのである。

見えないものへの恐怖心というものは大切にしていきたい感覚だと思っている。

◯外出先でう◯こができない

これが一番の悩みである。便座に座れない。得体のしれない「おっさん」とお尻合いになるなど考えただけで虫酸が走る。とにかくヤバい。

クリーナーやシートが準備してあるトイレもあるが非常に心許ない。中腰で太ももに乳酸を溜めながらの排出は実質不可能である。

ギリギリで個室に駆け込んだ時でさえも、崩壊寸前の荒ぶる括約筋をなだめつつ念入りに便座を拭きあげなければならない。猛獣に頭を噛られているのにもかかわらず「おーーよしよし」と信頼関係を築こうとするムツゴロウさんの勇姿が脳裏をよぎる。

ちなみに、ライオンとヒョウに立て続けに襲われた松島トモコさんのブログの題名は「ライオンの餌」である。これ豆な。


さて、我々「神経質協会」がいかに生き辛いかが少しでも伝わっただろうか。他にも神経質になるところは1兆個あるが今日はもうやめておく。ボクは忙しいのだ。「やっぱり潔癖症じゃん」と言われても決して認めない。花粉症や老眼と同じで認めたら最後だから。

こうして「神経質協会」のボクは今日も手荒いに励み、ガッサガサの手肌にアルコール製剤が滲みて痛いのであった。

また長々と話をしてしまい申し訳ない。こここまで話を聞いてくれてありがとう。それでは さよなら、さよなら、、、さよなら。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?