四十肩ルーレット【エッセイ】

自分が年を取るなんて、ないと思っていた。
わけじゃないけど、まだまだ先だと思っていた。

若手のころ、会社の二、三個上の先輩が
「うおー、肩痛ぇ、腕上がんねぇ」
「先輩、四十肩じゃないっすか」
「やめろよぉ」
とかいってふざけてたことを思い出す。

最近、まじで腕が上がらない。
朝起きると、左の鎖骨に一五センチくらいのガッチガチの金属ボルトが入ってんじゃないのってくらい、とにかく鎖骨が痛い。

鎖骨だけならまだいい。調子が悪い朝は、くるぶしが痛すぎて、足をひきずりながらベッドを抜け出す。
腰だって、背中だって痛いときがある。

これを私は「今日は身体のどこが痛いでしょうかルーレット」と呼んでいる。

意味はないし、できればどこもルーレットに当たらないでほしい。
こんなにワクワクしないルーレットがこの世にあるんです。
特に最近は、鎖骨が痛すぎて、毎朝しんどくて悲しくなる。寝相なのかな

そんなある日、テレビで、「朝起きると身体中のどこかが必ず痛い」って、柴田理恵が言っているのを聞いた。

そうか。柴田理恵も毎朝運命のルーレットを回してるんだな。

私ひとりだけの悩みじゃないんだって思って、少し心が晴れた。

いい布団を買います。


おわり🐢


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