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【無料】基礎から分かる水産用語<197> シズル感とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


シズル感とは

 商品販促において、商品(食品)のみずみずしさや鮮度感、香りなどを演出し、顧客の購買意欲を刺激する視覚的な魅力のこと。包材のデザインで出来たてのアツアツ感や水滴などで新鮮さを表現し、客の食欲などを刺激することで商品の購入につながる。肉がジュージューと音を立てて焼ける様子を指す英語「sizzle(シズル)」に由来する。

 五感を刺激するおいしさや鮮度感の演出は店頭での売り上げ増にもつながるため、メーカーはパッケージや広告においてシズル感を重要視する。食品の場合は「見た目のおいしさ」が消費者の購買理由につながるため、鮮度感や出来たての演出が必要になる。近年はインターネットやSNSでの情報発信、口コミの拡散で商品が共有される機会が増えており、視覚的なアプローチの重要度は増しているといえる。

 生鮮を扱う水産売り場でも購買意欲を刺激する商品や売り場づくりが重要となる。大手量販店の水産バイヤーは「商品のツヤやみずみずしさ、誰が見ても『おいしそう』と思える見た目や脂感=シズル感は非常に重要」と指摘。刺身のサクでは鮮度感に加えて形状も重要で、角がそろっていると見栄えが良く手に取られやすいという。「サクの場合は形がそろっていると見栄えだけでなく使い勝手にも直結する。購買につながる理由づくりが重要」と話す。

みなと新聞本紙2024年3月29日付の記事を掲載