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【無料】基礎から分かる水産用語<201> 為替相場とは

みなと新聞で毎週火曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


為替相場とは

 自国通貨と外国通貨を交換する際に、他方の通貨を一定程度得るために必要な通貨を表す。「為替レート」とも言う。

 日本の通貨「円」に対し、ドルの価値が高い場合は円の価値が相対的に安い「円安」になり、1ドルを得るためにかかる円の金額が高くなる。財務省令で定める外国為替相場(課税価格の換算)をみると、2024年4月21~27日に適用する為替相場は1ドル=152・26円に上る。前年同週の1ドル=131・99円、10年前の14年の1ドル=102・32円から円安が進んだ。

 日本は水産物の輸入が盛ん。農水省まとめによると、23年の輸入数量は215万6330トン、輸入金額は2兆129億8119万円だった。そのため為替相場の影響を大きく受ける。14年と24年の前述の週における商材のドル価が同じ場合も、円貨で1・5倍の値差がつくことになる。

 今期のチリ産ギンザケは生産者側が価格を設定する委託販売が中心となった。現地側はドル価で計算することもあり、チリギンを扱う商社は4月中旬に「せめてドル価を維持しようと、内販価格が上がった。今後も円安の為替相場に連なる形で上昇するのでは」とコメントした。また、円安の為替相場に関連し、別の商材を扱う商社から「現地価格は21年より安い。一方で、円貨は為替相場の影響で21年より高い」との声なども出ている。

みなと新聞本紙2024年4月23日付の記事を掲載