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【無料】基礎から分かる水産用語<171> アユとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


アユとは

 サケ目キュウリウオ科アユ属に分類される魚。環境省によると、ふ化した仔魚が海へ下り幼魚になるまで海で生活する「両側回遊型」、琵琶湖のアユなど湖や流水河川などで一生を終える「陸封型」に分かれる。北海道の天塩川から沖縄まで幅広く分布している。低水温に弱く、生息環境で一定の水温を下回ると「アユ冷水病」を発生する可能性があり、下アゴの出血や体の一部に穴ができるなどの症状が現れる。

 農林水産省によると、2022年アユの内水面漁業の漁獲量は前年比4・7%減の1767トン、養殖生産量は6・3%減の3662トンで、過去10年間の平均と比べると、双方とも約2割減っている。22年の都道府県別漁獲量では滋賀県が319トン、養殖生産量では愛知県が1057トンでそれぞれ首位だった。

 今年、養殖アユは成長不足による出荷量の減少に伴い、昨年に比べて東京・豊洲と大阪両市場で単価が上昇。例年であれば相場が安定する秋以降も高値が続いている。

 近年、餌に工夫を施し育てた養殖アユのブランド化が進む。太田川漁協(広島市)はレモンを配合飼料と混ぜ、育てた「レモンアユ」を生産。川魚の独特の臭みが少ないのが特長という。その他、椹野川漁協(山口市)の「柑味鮎」、本多産業(浜松市)の「三ヶ日みかん鮎」などがある。

みなと新聞本紙2023年12月12日付の記事を掲載