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【無料】基礎から分かる水産用語<189> 冷媒とは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


冷媒とは

 冷蔵庫やエアコンなど冷暖房装置や冷凍冷蔵装置で用いられる熱媒体のこと。熱を温度の低い所から高い所へ移動させるために使われている。液体が気体になる際に周囲から熱を奪い、逆に気体が液体になるときに放出する性質を利用する。多くの機器は液化と気化のサイクルを繰り返し冷却をしている。

 冷媒として使われるガスは効率よく熱交換が可能な温度域を持っていることに加え、安全性や環境性、性能、経済性などが求められる。このような中で、炭素とフッ素の化合物であり、化学的・熱的に極めて安定し不燃性の性質を持つなど冷媒として優れた性能の「フルオロカーボン」(フロン類)が当初から多く採用された。

 一方、フロンの中にはオゾン層を破壊するクロロフルオロカーボンなど環境にダメージを与えるものもあり、特定フロンとして全面禁止されるなど国際的に規制が進んでいる種類もある。クロロフルオロカーボンよりも環境への影響が少ない代替フロンも存在するが、より良い冷媒の開発とともに特定フロンに指定されることもある。

 現在はより環境負荷の少ない物質を冷媒として使う技術開発が進み、実用化されている。その代表例がアンモニアや二酸化炭素、水、炭化水素などで、いずれも自然中に存在することから「自然冷媒」と呼ばれ、普及に向け補助金なども設定されている。

みなと新聞本紙2024年3月1日付の記事を掲載