【アドラー心理学＆ワンオラクル】自閉症のお子さんを持つ相談者様へのお返事
無料相談第２回目となります。ご相談者様、ご投稿ありがとうございました！
とはいえ、１回目はご相談者様からボロカスに言われたので、（御本人が）見るのも不快だろうと判断し取り下げました(笑)。
今回のご相談はココナラからDMでいただきました。個人的に嬉しいことは直接お返事させていただきましたので、ここでは誰もが気になる「自分の使命」についてフォーカスさせていただきます。
使命の根本に流れる指針
使命というとものすごいことのようなイメージを抱かれる方も少なくないと思うのですが、人間は生まれながらにして、なにかしら役割を与えられてきています。というか自分がそう決めてきているので、すべての人に使命があると、わたしは思っています。
ご相談者様は心理学にも興味があるということなので、使命について個人心理学的に考えると、まず思いつくのは、人間のすべての目的は「社会への所属」にある、ということです。
※以前にも別視点から少し書きました、興味があればぜひ
しかしながらこの「社会」という漢字二語の単語は要注意で、なぜなら明治時代に西洋言語翻訳のために福沢諭吉が新しく作った漢字だからです。個人心理学でいう「社会への所属」での「社会」は原文では「society」で、現代日本語でいう「社会」とは違うんですね。
たとえば「social dance=社交ダンス」。socialはsocietyの形容詞ですが、あれは「社交ダンス」であって「社会ダンス」じゃないですよね。なのでここでいう「社会」というのは、社会という意味もありつつ、人と人との交わりも意味しています。
もっというと、国家とか、会社とか、社交とか、人付き合いとか、いろんな意味があっての「社会」と捉えていただくのがよいかと思います。
説明が長くなって恐縮ですが、なにが言いたいかというと、それがないと、人間は人間じゃなくなるということなのです。
つづきまして、「所属」というのは原文では「belonging」の翻訳で、「仲間だな」と思うことです。もっというと「みんなに必要とされているな」と思うことなんです。それが人間のすべての行動の目的だというのが個人心理学の考え方になります。
それで人間が社会に所属するためには、なにかしら行為をします。じーっとしてるというのも行為のひとつで、とにかくなんらかの行為を通じて所属しています。
ですから、人によっては贈り物をあげるとか、人によっては陰口を叩くとか、ある行為を通じて所属しているんですね。
アドラーはこれを「conjunct」と「disjunct」 と言っています。「conjunct」は「人のほうに近づく」という意味で、「disjunct」は「人のほうから遠ざかる」という意味です。
つまり、人の役に立って所属するという方法と、人の邪魔をして所属するという方法があり、どちらも選べますし、どちらも所属できるんです。
「勇気づけ」の本当の意味
ちなみにアドラー心理学では「勇気づけ」という言葉がとても流行しているのですが、「勇気」も漢字二語なので要注意です。多くの人は「勇気づけ」を、相手を気持ちよくさせることだと勘違いしている場合が多いのですが、概念が違います。
「courage」が「勇気」で、その反対は「cowardice」で「臆病」です。ですからアドラーは、人の役に立って所属するのが勇気のある所属の仕方であり、人の邪魔をして所属するのを臆病な所属の仕方だと考えたんですね。
なので「勇気づけ」というのは、「人の役に立つ所属の仕方をしなさい」というふうに働きかけることなんです。勇気づけによって勇気を持った相手は、自分のためだけじゃなくて他者のためにも生きていこう、と思うようになるんです。
ですので、アドラー心理学には「嫌われる勇気」という書籍もあるにはあるのですが、好かれるとか嫌われるとかは、「わたしの勇気」とはなんの関係もないんです、実は。
個人心理学でいう「勇気」と関係があるのは、「わたしが他者になにをするか」であり、「わたしが自分をどう思うか」とは関係がないんです。人と人の間に勇気があるのであって、たとえば、心の中で「あの人に好かれた」「あの人に嫌われた」というのは勇気とは別問題なのですね。
おさらいすると、相手に貢献すること・役に立つことで関係を結ぶことが「勇気」で、相手の邪魔をすること・妨害することで関係を結ぶことが「臆病」となります。それで、アドラーはこれを「conjunct」と「disjunct」 と言っています。
さて、やっと話を戻しますが、使命というのはこの「conjunct」に該当するほうが望ましいと、わたしは考えますし、相談者様の文章を見ていても、確実にこちら側ですよね。
使命ということだけで考えれば、たぶん、すべての人間が「disjunct」になる可能性があるのですが、それはいろんなことを諦めた人が選択する道なのかと思います。
いわゆる、世の中で悪さ（と言われること）をする人たちです。そしてそうなるには、徹底的に社会（主に家族）から無視されなければ、たどりつかない道だとも思います。だから教育というのはとても大切なんですよね。
しかしそれも、ある意味「使命」として我々に気づきを与える役割であるのかもしれません。最近でいうとガーシーとかがそれかなと思いますが、まあ、それはそれとして。
鑑定結果（ワンオラクルリーディング）
ここでやっと、占いに入ります。相談者様に出たカードはこちらです。
INNER EARTHというのは「地底世界」のことを指すそうです。解説本には、それが「アガルタ」と呼ばれていて、地球内部にあると信じられていると書かれていました。カード本来の意味は（簡潔には）「逆境を克服する」「新たな解決法と始まり」と書かれています。
さてここからは、直感９割でしか読まないわたしがリーディングした結果となります。
相談者様の使命、そしてカードからのメッセージとしては、同じ悩みを抱えるお母さんはもちろん、その周囲の人々にも、そしてなにより触れ合っていくすべての子どもたちに、「勇気づけ」をしていくことではないでしょうか。
つまり、なにか困難にぶち当たったとき、視点を変えていくヒントを与えていく。そうしたアドバイスが、ときには「楽観的」と言われることがあるかもしれません。しかし「人を援助し、成長させようとするならば、楽観的でいるしかない」と言った心理学者がいます。
もちろん、アドラーです。
これは性善説とは違います。「誰かが誰かを援助したり、育児をしたり、教育をしたりするならば、この人は変われる、もっと良くなれる、成長できると信じるしかない」ということです。
わたしたちが創意工夫して働きかけるから、勇気をもった人間に成長していく、それを強烈なまでに信じていくことが、ご相談者様の使命かと思います。
そして使命の中身（詳細）は、もうひとつあります。ご相談者様自身も、勇気をもっていくことなんだと思います。
勇気をもつとはどういうことかというと、人の役立つ道で所属すると決めることです。すでに決めています、と思われたかもしれません。おっしゃるとおりです。
ですがここでお伝えしたいのは、すべての物事に関して、人の役立つ道で所属していくと決めてほしい、ということです。
お仕事関連のことだけではなく、人生のすべてにおいて、臆病な所属の仕方をやめていくと決める。これは、過去に関わってきた、どんなネガティブな物事も人々もすべて、含みます。
たとえば身近で起きた出来事ならば、「あなたは正しい／あなたは間違ってる」などジャッジをせず、「いま一緒にできることはなんだろう？」とか、あるいは「あのとき、（人に役立つ道で）わたしにできたことはなんだろう？」と考えるくせをつけるということです。
SNSやニュースなど見て知った出来事ならば、「あいつは善い／あいつは悪い」ではなく、「なるほど、そういう選択をしたのか」とフラットに見ていくということです。あるいは「へえ、そうなんだ（そういう出来事があったらしい）」で終わらせる。
これはなかなかに難しい実践なのですが（わたしも絶賛、修行中の身です。たぶん一生、続きます）、実践しないことには絶対に身につきません。
ご相談者様は現在、心理学も勉強されていて、スピリチュアルにも興味がおありとのこと。このふたつを融合という形でわたしも発信していますが、実はこのふたつは様相を変えてまったく同じことを言っていると考えています。
まさに、「ジャッジしない」という考え方は、個人心理学でいう、「協力的に生きる／競合的に生きない」という考え方と同じです。
このカードがわたしには、抜け道のように見えるのです。いままでまったく見えていなかった世界が、気づけばそこにあった。実は、ずっと前からそこにあったように思えるんですね。
じゃあなぜ見えなかったか。自分の見たいようにしか、物事を見ていなかったから。ならば、こうした見方があるんだよ、と水を差しだすことで、ひょっとしたら、いきなり美しい世界が見えてくるかもしれないんです。
その水を差しだす役割を担っているのが、ご相談者様なのだと感じます。
ご相談者様は心理学方面から、またスピリチュアル方面から、いろいろな人に、この美しい抜け道のような影響を与えることができる方なのではないでしょうか。
勇気を与えてもらった人は、自分の力で美しい景色を発見できたと喜びに溢れます。だからこそ、ご相談者様に「勇気づけ」られたことで、自分を信頼できる。
自分を信頼できる人は、あらゆる場面で人の役立つ道で所属する選択をしていくようになります。
このような貢献は、ご相談者様の一生の宝になるはずです。わたしも全力で応援します。
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