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デンマークの新たな"子ども観"。

先日、お世話になっているDさんに興味深いお話を伺った。
Dさんは、ペダゴー(pædagog)の資格を取るための大学に通っている。

Dさんによると、今デンマークの教育分野では
子ども観(デンマーク語でBørnesyn
の転換が起こっているという。

新たな子ども観では
"Børn gør det godt, hvis de kan"
というのが基本的な姿勢になるそう。

日本語にざっくりと訳すと
子どもはできることなら、うまくやっている
という意味になる。

具体的には、日常生活で子どもや若者が
適切な行動をするのは
彼・彼女たちがそれをできるからであり

逆に不適切な行動をするのは
彼・彼女たちがそれをできないからである
という意味を指す。

なので、この観点に立つと
子ども・若者に「何でできないの?」と叱ることは
そもそも起こり得ない。

実践に落とし込むならば
ある環境に合わせて「その子を適応させる」のではなく
その子に合わせて「環境を適応させていく」
イメージだという。

例えば、授業に集中できない子がいたら
「集中しなさい」と注意するのではなく

まずはその子に「どうしたの?」と状況を尋ねて
話しながら、例えば、15分ごとに休憩をとるなど
その子に合った環境にアレンジしていく。

Dさんは現場で
この新たな子ども観を意識して
若者に接した時と、接さなかった時で
反応の違いをまさに実感したそう。

お話を伺って、やっぱり
このような考え方が理論として確立されているのもすごいし
それを実践できる専門職がいるのもすごいなと
ひしひしと感じさせられた。

その場に一緒にいた方が「デンマークでは子ども・若者=未来の納税者という考えがあるから、若者にリソースを割くのが当たり前」と仰っていた。

『子ども・若者=未来の納税者』
それはどこの国も同じはず。

今私たちが、どのような"子ども観”に立って
彼・彼女らに接するかどうかで
その国の20年後、30年後が大きく変わるように思う。

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*公開するにあたり、Dさんに内容をご確認いただきました。ご協力ありがとうございます!

illustration: https://pin.it/2pfh8X7nS

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