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マインドフルネスの基礎Ⅰ 坂井洋介

マインドフルネスの基礎1

坂井洋介
マインドフルネスの説明のための7つの考え方
―3つの原則と2つの技術と2つの要素―

マインドフルネスの基本について書いていきます。
マインドフルネスといっても、現在、非常に広い意味で使用されていますので、あくまでもレタスメンバーが習ってきたものを土台として説明しています。
初心者用の説明ですので、出来るだけ簡易に書いています。
長く瞑想されている方にはそぐわない部分もありますが、基本を思い出すというような感覚で読んでいただければ幸いです。

3つの原則:①気づき②ジャッジしない③自己観察
① 「気づき」はマインドフルネスに不可欠な要素です。
これは、自分のしている経験を意識することを指します。
例えば、知覚経験、行為、意思、思考など、それらに対する自覚。これが気づきです。
あなたは、今、自分が経験していることを分かっているはずです。
座ってテレビを見ているのであれば、「私は今、座ってテレビを見ている」ということが分かります。
自分がしていることが分からない状態でいることは少ないはずです。
その分かっている、ということが、気づきです。
気づきは、現在の瞬間にとどまる手段になります。 具体的な行動や状態や知覚経験に気づくことが、私たちが今に存在することを表しています。
過去の記憶や未来への計画は、思考の内容として度々現れますが、現在の瞬間に存在しているものではありません。
気づきの対象が現在の瞬間の経験であるため、気づきがあることは現在の瞬間に存在している証拠ともなるのです。現在の瞬間に存在していることは、私たちが余計な思考に流されず目の前のやるべきことに意識を注いでいる証拠でもあります。

② 「ジャッジしない」とは、どんな経験をしても、その経験を良いものとも悪いものとも判断せずにいるということです。
先入観や好き嫌いによって、経験が分類されないまま、あるがままの状態でおかれることを意味しています。
あらゆる状況や感情を受け入れることは、その後どのように対処するかを自分で選択することを容易にします。
つまり、最初に出来事や感情を受け入れることが、建設的な対応の基盤となります。
例えば、ストレスや不安が湧き上がったとき、まずそれを受け入れ、その感情が存在することを認めることが、冷静に対処する第一歩です。
この「ジャッジしない」の原則で経験を見ることに慣れてくれば、他人に対する評価や批判にも適用されていき、他人を受け入れる姿勢を養う助けにもなります。

③ 自己観察は、自分がしていることに気づくことの延長であり、これによって自己認識が深まります。
気づきがある程度の連続性を持った状態、あるいは対象の傾向などが浮かび上がるほど鮮明になったものが自己観察です。
自己観察の対象は、まず身体の感覚から始めることが一般的です。
このアプローチは、マインドフルネスやヴィパッサナー瞑想などの実践において重要です。
身体感覚への注意を向けることで、現在の状態を把握します。
例えば、呼吸や身体の痛み、緊張などに気づくことは、マインドフルネスの重要な要素です。
また、自己観察の対象は感情や思考にも広げることができ、自己認識を深めるのに役立ちます。
感情や思考を観察することは、自分の性質を明らかにします。
これは、心理分析とは違った効果を持つことがあります。

(明日に続きます)