リード:マーケ用語徹底解説
どの業界にもあるように、マーケティング業界にも数多くの専門用語があります。日常生活では耳にする機会がないこともあり、ふんわりとした理解のまま、その用語を使っていることもあるのではないでしょうか。
今回、解説するマーケティング界での「リード(Lead)」とは、基本的に「見込み客」「潜在顧客」を指します。ことBtoBのデジタルマーケティングの世界では最頻出ワードと言って良いでしょう。他の用語と組み合わせた「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」などの派生語もあります。
今は取引していないが、将来的に取引する可能性のある顧客
リードについて理解するには、まず「顧客」の定義を確認しておきましょう。自社の製品やサービスを購入または利用してくれる個人や団体、それが「顧客」の最もシンプルな定義です。
しかし企業にとって、商品や対価をやりとりしている「顧客」だけが、果たして重要なのでしょうか? 購入に向けたアクションを具体的に起こしていなくても、Webサイトなどで積極的に情報収集をしている方もいるかもしれません。
とはいえ、あらゆる消費者にマーケティングを展開していては、予算も人的リソースもすぐに底をついてしまいます。自社の製品やサービスに興味はあるが、しかし購入には至っていない人や組織──つまり「見込み客」「潜在顧客」たるリードにしっかり認知させ、獲得につなげることは、ビジネスを次のステップへ進める上で重要なのです。
リードを獲得したら、しっかり管理しよう
個人で利用する日用品であればその場ですぐに購入することもあるでしょう。一方、企業間取引(BtoB)の場合、購入の検討開始から受注までのプロセスが長くなりがちです。そのためBtoBでは時間がかかっても顧客獲得を見込めるリードの重要性が特に高いとされています。
リードを獲得することは「リードジェネレーション」と呼ばれます。見本市や展示会などで名刺交換したり、Webサイトの資料請求フォームからメールアドレスを登録してもらう、無料会員制度を用意してセミナー参加の申込み条件にする等の手法は、リードジェネレーションの代表格です。
住所や電話番号など、個人宛に連絡できる情報を取得できれば、それがリードということになります。しかし、まだ取引していない客にいきなり電話で「買いませんか?」と聞いても、それはなかなか難しいでしょう。メールマガジンを送っていつでも好きなタイミングで読んでもらえるという意味では、メールアドレスのほうが重視されることもあります。
また、リードを獲得しただけで安心してはいけません。資料請求フォームからの申込と一口にいっても、今すぐ担当営業に訪問してもらいたいケースもあれば、情報収集のために一応登録しておいただけ、くらいの温度感の方もいます。マーケティングツールを使ってリードの動向をしっかり管理することも、リードジェネレーション並みに重要なのです。
「ナーチャリング(育成)」で信頼を獲得しよう
リードをしっかり管理できていれば、その後はさまざまな展開につなげられます。役立つ情報を定期的にメールマガジンなどで届けるのが基本ですが、近年は送信したメールに対して顧客がどんなメールに反応したのか、どの資料をダウンロードしたのかといったアクションを取ったのかといったアクションを把握した上で、メールやWebサイトの内容を変更するといったことも、ツールの充実によって手軽になりました。ユーザーの行動を「スコアリング」し、一定の値に到達したら営業担当からアクションを起こす例もよくみられます。
こうして、リードの購入意欲や気運を高めるための施策は、「育成」という意味の「ナーチャリング(Nurturing)」と呼ばれ、やはりデジタルマーケティングの重要概念となっています。店頭の接客とまさに同様で、最初はよそよそしかったお客様でも、くり返し応対することでいつしか信頼感が生まれ、購買に至るのです。オンラインとオフラインは違うようでいて、実は似ている部分も多いのかもしれません。