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大学生が松任谷由実さんのライブに初めて参戦した話。『The Journey』

「50th Anniversary 松任谷由実コンサートツアー『The Journey』」
18:30開演

小学低学年の頃から、母親の車の中でいつもユーミンの音楽を聴いていた。

1998年11月6日東芝EMIより発売された、『Neue Musik 〜 YUMI MATSUTOYA COMPLETE BEST VOL.1』。
母親はユーミンのファンではないのだが、周りが買っていたからなんとなく買ったらしい。
母親が車でこのユーミンのベストアルバムを流していたのは、音楽にあまり興味がなく他に邦楽のCDをほぼ持ち合わせていなかったため(ちなみに、母親がほかに所有していたCDは、中島みゆきの『大吟醸』、竹内まりやの『Impressions』、いずれもベストアルバム)。
そのようななんとなくの理由で、母親はユーミンを車の中で流していたのだが、
娘である21世紀生まれのわたしが虜になってしまった。

ユーミンを好きになり、たくさんの楽曲を聴いた。
最近では、サブスクで好きなだけ楽曲を聴くことができることもあり、アルバム曲をたくさん聴いた。

特に、1981年11月1日発売の『昨晩お会いしましょう』がお気に入り。
由実さんの楽曲の中でわたしが特に好きな、「カンナ8号線」も収録されている。
「ビュッフェにて」や「夕闇をひとり」、「守ってあげたい」など、聴けばきくほど深みの増す楽曲が多い。
「タワー・サイド・メモリー」、「ビュッフェにて」、「手のひらの東京タワー」のように、それぞれの土地の情景が読み込まれた楽曲が多いのも魅力の1つだと思う。

楽曲とともに、わたしは現在大学4年生、来年には社会人になるまで成長した。



ユーミンのライブはいつか行ければいいかと思っていた。
しかし、ずっと先延ばしにしていては、その「いつか」のチャンスを永遠に失ってしまうかもしれないということを、最近痛いほど実感した。
「いつか」を「いま」掴もうじゃないか!出会いは「一期一会」!
「いま」行ける機会を得られるのであれば、「いま」行きたいと思うようになった。
そのような経緯で、『The Journey』の公演のチケットを申し込むに至った。

ユーミンのライブのチケットをゲットしてからは、わくわくで胸がいっぱいだった。
小さい頃からユーミンがいて、毎日(CDから)歌を届けてくれた。
そんなユーミンを、初めて間近にみることができるのだ。

そして、当日を迎えた。
予想はしていたものの、周りは、人生の大先輩でいっぱいだった。
グッズ売り場や『ユーミン乾杯!!』の先行予約のテントが並んでいるのをみて、わくわくが止まらなくなった。
ちょうど、BGMで『ユーミン乾杯!!』の「中央フリーウェイ」が流れていた(まさか、こんなにはやく聞けるとは)。
入場の列で並んでいると、「もうすぐ会えるのだよ。」と目に涙を浮かべる老夫婦がいた。
それを見て、私も、目頭が熱くなった。


*曲名は伏せますが、いろいろ演出など詳しく記しているのでネタバレ注意です(大千穐楽迎えましたが念のため)。

ホールに入ると、真ん中にどでかい帆船のセットがあった。
規模の大きさにびっくり。
テレビでよくユーミンのライブはダイナミックだと聴いていたけれど、ここまでとは。

座席に着くと、たまたま、隣も反対の隣も、私くらいの娘と母親だった。
同世代の人を見つけて、すこし嬉しくなるとともに、親近感を抱いた。

フリフラを付け、気持ちを整えた。

ライブが始まった。

暗転し、バンドのメンバーが入り、そしてユーミンが!
アリーナ席の通路側であろう観客の歓声で察する。


ユーミンが船のマストにあがり、そして、1曲目が始まった。
目の前に(スタンドからなのでかなり遠いが)ユーミンがいる。
小学生のころから、毎日聴いていた聴きなじみのある声。
時の流れは感じるものの、胸にすっと入ってくる印象的な声。
その声の持ち主が、目の前で動いているのだ。
ふと、列に並んでいた時の涙する老夫婦を思い出し、相まって目頭が熱くなった。
2曲目も涙。
ユーミンにこうやって会いに行けてそして逢えて本当に良かったという気持ちでいっぱいになった。
3曲目。小さい頃から何回も聴いていた曲。イントロからぞわぞわっとした。
勢いのあるダンサーのダンスや、炎などで、客席が盛り上がった。

3曲目の後に、「これから航海が始まること、ユーミンがこの船の船長であること」等のセリフが入り、4曲目が始まった。
ライブは、ストーリー形式になっていた。

5曲目!
とある歌詞が個人的に印象深く、不思議な趣を感じるメロディ。
令和の民にとってはもはや新鮮に聴こえる曲。
ライブの定番曲!さすが演出もド派手!

6曲目。ユーミンの紡ぎ出す静かな音色と風に揺れる薄幕が印象的。
7曲目は、大好きな曲。あぁ沁みる。
生でこの曲が聴きたかったんだ選手権で上位にランクインするくらい好き。
6曲目から7曲目の、この流れが良かった。

9曲目は、有名なあの曲。
観客のボルテージが1段階上がった気がした。

13曲目は、二匹のイルカの風船が、それぞれ時計回りと反時計回りで、船の周りの空中を泳いでいて、
14曲目は、なんとユーミンが龍に乗っていて、さらにユーミンが乗った龍が火を吹いていて、びっくり。

15曲目は、かっこいい曲調の曲。ラップがかっこいい。
観客のボルテージが上がってきて、、、

そして
とうとうこの時が来た。
わたしの大好きなナンバー16曲目。
あああああ
いやー、生で聴けてうれしい。
一気に観客のボルテージが最高潮に。
「オレンヂのトンネルの中は横顔がネガのようだわ」
この歌詞やメロディがとても好きだ。特に大切に噛みしめるように聴いた。
今では、そのようなトンネルはないのかしら。
かすかに覚えているんだよね。
ユーミンの楽曲って、想い出のアルバムというか、タイムカプセルというか、聴くことでその当時のことを(わたしにとっては、生まれる前のことがほとんどだが)思い出すことができる曲が多いような。
そのまま続けてメドレー形式でなんと17曲目は。
観客のボルテージがさらに上がった。ここで立った人が多かった。
わああああ
すごごご
私いっつも、この2曲はぜったいに一緒にセットで聴く。
いやまさかこういうかたちで聴けるとはな。
逗子マリーナのライブを思い出している人も多かったのではないだろうか?
わたしは、逗子マリーナのライブは映像でしか見ることができないが。
憧れ。もっとはやく生まれていればなあ。
でも、この感動を、興奮を、わかち合える人間で本当に良かった。
18曲目はみんな知っているあの曲!!!
さらに立って踊る人続出。ボルテージが上の上のさらに上に!
この3曲を続けてくださって本当に大感謝。

最後19曲目で、落ち着いた穏やかな気持ちになって終了。

終わったのかって?

アンコールの曲がまさにオールスターだった。
生で聴きたかった曲のそろい踏みだった。

1曲目になんと特に大好きなアルバムから、あの曲(シングル曲)。
生で聴けて嬉しいほんと嬉しい。
鳥肌が止まらなかった。
小さい頃お気に入りで何回も歌った思い出の曲。
幼い頃の想い出がこみ上げてくる。

2曲目、生で絶対聴きたいと思っていた曲。
小さい頃から何回も何回も聴いた曲。
小さい頃のわたしへ、ユーミンは存在(いた)よ。
おとなになっても奇蹟はおこるもんだね。

3曲目
沁みる。とても沁みる。
もうすこしでこの時間も終わるのだなというしみじみとした気持ちになった。

最後のダブルアンコールではユーミンも涙

終演した。
あっという間だった。
こんなにたのしいときが過ぎるのは、はやいものなのか。驚いた。
余韻を感じつつ、帰宅した。

まだまだ、由実さんの楽曲で知らない楽曲はたくさんある。
けれど、知っていくのがとても楽しい。知っていけるのが嬉しい。
まさに冒険のよう。

やはり、生で聴くのは、音源で聴くのと全然違う。
「伝える」仕事よね。
まさに、歌声だけでなく、からだ全体、ステージ全体、会場全体で、表現されている。
とても伝わってきた。
わたしが好きな他のアーティストは、
わたしが小さい頃に亡くなっていたり、解散していたり。
生で見ること叶わなかった。
だから、生で同じ時間を共有するということにとても価値を感じた。

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