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情熱の中にある止められない喜びを

絶不調に次ぐ絶不調の末、ありたい自分が見えてきた。

1回リセットして「ありたい自分」を書き出してみた。

  • 時間に追われずマイペースでいられる

  • 感じたことを堰き止めずにそのまま伝えたりやったりする

  • 全身全霊でうたってみる。間違えることを恐れずに全出しする

  • できないことはハッキリ断る

  • 好きなことや好きなものを優先する

  • 私の気持ちをまず大切にする。私が喜ばないことはしない

  • 頭じゃなくて心と身体で動く。快で動く

  • 私が笑えないことはしない

  • 自分を守るのをやめて、私を解放する

  • 我慢することをやめて、ワガママな私(人を振りまわすほどワガママな私)にOKを出す

  • 人の心地よさより自分の心地よさを大切にする

  • 無責任で遊んでばかりいたい私に○をつける。OKを出す

  • 文章をもっと書きたい。私の生きた言葉をひたすら綴りたい。

  • 自分からあふれ出るものに正直でありたい

  • 1回死ぬ(今までの囚われてた自分から)気でやってみる。1回今までの私をぶっ壊そう。もう壊れても失ってもいい

まだまだあるんだけど、書き出してみるとたくさんのありたい自分が溢れてきた。私は堂々と自分の人生を生きたいんだなぁ。苦しいと思っていたのは、今まで自分の人生から逃げてきたからなのかも知れない。

どんだけ私は自分をセーブしてきたんだろう。これを見る限り、たくさんのダメ出しを自分にしてきてる。私を苦しませて生きづらくしていたのは誰でもない私自身だった。

今までたくさん諦めてきた。

こんな私ではダメだ。私には無理。私にはできない。私には相応しくない。

そんな言葉を自分に投げかけるのは辛いはずなのに、何でそんなことばかりしてきたんだろう。たぶんそうすることで自分を守ってきた。傷つくのが怖くて自分を生きることから逃げて楽をしたかったのかも知れない。だけど、本当はそっちの方が苦しかった。それがようやくわかった。

そんなことをひたすら感じ続けて迎えた春分の日。

京都にあるart space co-jinに行き、岩間一真さんと岡安聖美さんの作品を観に行った。co-jinは障害のある方の作品や表現に出会う場所。

co-jinさんのInstagramを見ていて、どんどん増える岩間一真さんの作品が気になっていた。作品展が始まった頃は特に観たいとは思わなかった。だけど、どんどん増え続ける作品や壁画。ドアや窓ガラスまでドローイングする姿に「このパワーはどこからくるのか? どこまで作品が増えていくのか?」を観たくなった。

もともと3月21日は京都の元祇園梛神社で漫画家の岡野玲子先生がコーディネーターを務めるWSに参加する予定があった。昼で終わるからちょうどいいなと思って雨の京都をゆっくり歩いて観に行った。


道中の京都御所の枝垂れ桜が美しかった

岩間さんの作品はSNSで観た通りパワーがあった。エネルギーに溢れて次から次へと作品が湧き上がるようだった。壁面ではなくファイリングされた作品には学校の書類の裏面に描いたものもあってハッとした。私も子どもの頃に新聞広告の裏側が白いもの全部に絵を描いていたから何だか気持ちがわかった。

岡安さんの作品は色彩が美しく、その美しさはSNSでは伝わらない。何て言うか夢のように美しい色の油絵で、特に紫、緑、青、淡いピンクが綺麗だった。置き物の狸を描いた作品を可愛いなぁと呑気に観た後に、岡安さんの制作場面の映像を見た。

岡安さんは先天性の脳性麻痺。月に2度ガイドヘルパーと共に車椅子で美術教室に通って油絵の制作を行っている。2002年に車椅子を使うようになってから右腕が上がらなくなり、10年ほど絵からは離れていたそうだ。TVで草間彌生が車椅子のまま机に置いたキャンバスに絵を描くのを見て自分にもできると思ったことで絵を再開したという。

映像の中でガイドヘルパーさんに、自分が取ってほしい絵の具や手伝ってほしいことを伝えるが、言葉が聴き取りづらくてなかなかヘルパーさんに伝わらない場面があった。だけど、彼女は一切の妥協がなく伝え続けて、自分が納得いく色を見つけ塗っていた。あの美しい色彩は彼女の妥協ない努力の賜物だったのかと気づいて改めて絵を見返すと、絵や色に込めた情熱が伝わって作品がより美しく輝いて見えた。

co-jinのスタッフの方にそのことを伝えると喜んでくださり、作品の数や作風は違うけれど絵を描く喜びや情熱が共通していることなどを話してくれた。印象的だったのは、岩間さんが窓ガラスにも絵を描きたいと提案した際、外から中が見えなくなるからと一度お断りしたら、「この形ならどうでしょう」と窓ガラスを洞窟に見たて描く案を持って来たという。

彼は12歳。大多数の人は「ダメなんだ」と思って諦めそうなところを中を見える形で描く案を考えてプレゼンするとは。素直にすごいなぁと言うと「だけどそれは、彼がこれだけ作品を作り続けてきたからこその自信の現れなんだと思います」と解説してくれた。

ふたりの作品を観て、私は何を勝手に諦めてきたんだろうと思った。すぐに妥協して、すぐにダメなんだと思って諦めては不満を溜め込んでた。納得なんて本当はしてない。「でもダメなんだろう。妥協しないと周りが困る」そんな風に言い聞かせて拗ねて、自分の願いは叶わないんだと信じてきてしまった。

そんなことはもうやめよう。人がどう思うかわからない。嫌な思いをさせるかも知れない。面倒くさがられるかも知れない。バカにされるかも知れない。一見周りを気遣ってるように見せかけて、自分がどう思われるかばかり気にしてるだけじゃないか。本当に大切なことなら、本当にしたいことなら、妥協したらダメなんだ。それは頑なになるってことじゃなくて、完璧を目指すということでもなくて、誰かを押し退けたり押しつけることでもなくて、叶うか叶わないかが大事なんじゃなくて、本当の願いに自分がどれだけ正直になれるか? ということだけじゃないか。

岩間さんと岡安さんの絵に対する情熱を目の当たりにして、そんな風に思えた。情熱の中にある止められない喜びは人に伝わる。それを私も大事にしていこう。

という文章を私は夜の21時から深夜2時までかけて書いていた。

眠いけど、でも、どうしてもこの気持ちを忘れない内に書きたかった。私にとっては文章が何故か止められないものなのかも知れない。でも、それには何かに出会わないと湧き上がって来ない。いいことだけでも悪いことだけでもなく、いろんなことに出会って感じることで反応して、どうしても書いて伝えたくなるんだろうな。

その喜びを、自分の中にある泉を見つけたような気持ちになれて嬉しい。


岩間一真さんと岡安聖美さんの作品展「描く」は
3月26日(日)までだそうです。

月曜休館 10:00-18:00

【2023.2.8追記】
※開催終了しましたが記録映像があります※


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